全4件 (4件中 1-4件目)
1
今回は余談という事で、僕のファンダメンタル分析の手法について書きます。といってもいつものように数値は出しません。理由は、ここの読者の皆様ならご存知の通りです。皮算用に意味がないからです。投資手法について詳細を書き始めると、どうしてもかなり長くなります。今までの比ではありません。なので要点だけに留めます。ですが、要点だけでもかなり長くなってしまいました。それでは巻いていきましょう。 僕はバランスシートの『変動』を重視します。過去のバランスシートの変動から、未来のバランスシートの変動を予測する。変動を予測する場合は業績が、つまりは損益計算書が重要になります。入口は大切なのでもう一度。『バランスシートの変動』を予測する為、『損益計算書の変動』をかなり重視します。財務諸表は、主に『バランスシート』、『損益計算書』、『キャッシュフロー計算書』から成ります。これらを重視しないファンダメンタル投資家は殆どいません。ファンダメンタル投資家であれば、これらの財務諸表を穴が開くほど見尽くすのです。バリュー投資であっても、非バリュー投資であっても、財務諸表は確り視なければなりません。ちなみに、僕の場合キャッシュフロー計算書は殆ど重視することはありません。ファンダメンタル投資家の中であって、僕は最もキャッシュフローを重要視しない投資家に分類されると思います。その僕ですら、キャッシュフロー計算書は確り視ています。ここだけの話ですよ。僕の場合は、よく分からない企業の分析では基本的に損益計算書は過去5年分を確認します。現在に近い年度の変化をより重視します。5年前以前にその企業で業績の大転換期がある場合は、その年の前後の損益計算書を視ることもあります。大転換期の損益計算書の内容の変化は視ておいて損はありません。決して損はありません。大事なことなのであと2回言います。決して損はありません。決して得もありません。直近だとリーマンショックの業績悪化期やアベノミクスでの業績回復期、もう少し前だと2003年~2004年の業績回復期やライブドアショックの業績悪化期。これらの時期に大きく業績を変動させている企業はとても多いです。その業績変動の内容を僕は重視します。具体的にどこを重視するか?売上の変動と、それに伴う収益率の変動、この2つの変動です。収益は額ではなく率で考えます。(基本的に僕は何事も率で考える傾向があります)未来はどのようにもなるので、この変動が今後も起こる可能性もあるからです。(当時と今とで状況が変わっているなら、何が変わっていて、その結果どうなるのか。或いはどうなると投資家に思われているのか) 業績の大転換期に関する分析で僕が最も重視するのは、『業績の大転換期以前の四季報業績見込み』です。業績の大転換期より前の四季報業績見込みは過去の四季報で調べます。僕は四季報は滅多に買いませんが、過去に購入した四季報は死ぬまで捨てずに資料として取っておきます。過去の四季報は何度も何度も読み返します。僕は過去の四季報を、四季報業績見込みがどのようであったか、を確認する為にとても活用しています。過去四季報がどのように業績見込みを外しているか、それは何故なのか、を注視します。とても重視します。先にも述べましたが、四季報を重視する投資家が山ほどいるので、四季報がどのように業績見込みを外すかは中期投資家にとってとても重要なことだからです。これを調べないで利益の大転換を経験した企業の株を購入することは、僕の場合は余りありません。 自己資本比率は殆ど気にしません。自己資本の比率ではなく、自己資本の効率を重視します。自己資本比率を上げるのであれば、何故上げるのかの理由を極めて重要視します。自己資本比率を上げる場合、極めて多くの企業が資本効率を下げているからです。先にも書いた通り、自己資本比率の上昇を目的とした経営には反対の立場です。自己資本比率を上昇することが効率的な経営に繋がる場合にのみ、賛成します。その為、自己資本比率の数値単体は気にしませんが、自己資本比率の推移は注視します。とても注目します。会社の目指そうとする方向性が垣間見えるからです。僕は、自己資本比率を低下しながら設備投資をしている企業を好みます。さらにその企業が、売上利益率を下げないで売上高を上げているのであれば、投資先として検討する価値は十分あると考えています。 結果的に、ROEの推移を重視する事になります。ROEは単年度の数値には意味がなく、複数年の推移に意味があると思っています。もし長期的にROEが上昇するのであれば、株主資本比率が長期的に減少するようなバランスシートの変動であろうが問題視しません。逆にROEが低下するのであれば、バランスシートが筋肉質になっても問題視します。長期的なROE推移を予測するのは大変困難です。僕は、常に損益計算書の変動を予測しながらバランスシートの変動を注視しなければ長期的なROE推移を予測しようとするのは不可能だと思っています。損益計算書の変動によりバランスシートがどのように変動するか、それを元にしてROEを皮算用します。大抵少なからず外れますが、自分なりに大きな流れを掴む事はできます。ROEが持続して上昇するか、それとも持続して下落するか、どちらだと自分が考えているかが分かります。どちらかによって戦略が変わります。ROEが持続して上昇するような銘柄であれば、株価下落は気にしません。「買い」あるのみです。あとは株価と相談です。そこでPERやPBRを参考にします。この場合、PERやPBRで株価にROEの上昇による利益の増加が何処まで織り込まれているかを判断します。僕は特にPERを重視します。PERの算出元パラメータの一つである利益が重要となる為、売上と売上利益率の変動を皮算用します。過去どのような時に売上利益率が変動しているかも重要になります。また、過去の業績転換期において四季報が業績見込みを外したのは何故なのか、それは今後起きる可能性が高いのか起きない可能性が高いのか、も重要です。(ここでは難しいことは何も言っていません。非常に単純明快な事ばかりです) 逆にROEが持続して下落する企業であれば、市場の評価との自分の妥当だと思う株価との乖離がより重要になります。市場の評価の推移はチャートになって現れています。過去のPERやPBRの変動と株価の変動を鑑みて、投資妙味があれば買います。ただし、このような銘柄については株価上昇期においてPERやPBRは余り役に立たないという認識です。むしろ、株価下落期での株価下落を食い止める為に、PERやPBRを参考にします。PERやPBRで現れている市場の評価と、それが今後どのような変動をするのかを見積った自分の算段、この乖離がどれだけあるのかを常に意識したトレードとなります。(こちらについては難しいことを言っています。文章で読んで分かったつもりになっても、実践してみると難しい。バリュー投資ではこれを簡単な投資と考えています) 分かっている事(発表済の材料)を過小評価します。分かっていない事(将来発表されるであろう材料)を過大評価します。誤解を招きかねない表現で敢えて言うと、分かっていることを基にして、分かっていない事を推測します。(※この箇所は言葉通り受け取らないようにお願いします)分析に費やす時間が増えるほど、投資家は分かっている事を過大評価する傾向にあります。これらの傾向はバリュー投資家に顕著に現れています。バリュー投資では市場価格は常に大きく間違っており、正しく株式の価値を判断するのは自分という考えだからです。僕は、分析に多くの時間を費やすのは分析によって知った内容を過大評価する事につながり、リスクを不必要に負う事に繋がりかねないので否定的です。結果に繋がらない努力と心の底から分かった上で、好きだからファンダメンタル分析をする、というのであれば問題ありません。本来そうあるべきだと思っています。儲かるからファンダメンタル分析をやるというのでは、ファンダメンタル分析は長続きしません。結果に繋がらない時期が誰にも長く続くからです。好きだから分析する、儲かるかどうかは関係ない、というのでなければ、分析する時間を長くしても良いパフォーマンスは得られないと考えています。僕は、分析の精度を上げる事がパフォーマンス向上に繋がる、というバリュー投資家とは違う考えを持っています。 まだ少し続けます。
2014.08.26
コメント(1)
前回の続きです。今回は、四季報の業績予想が僕のトレードに与える影響についてから始めます。僕は四季報の業績予想を全く信じていません。最初から外れるものだと決め付けています。しかしトレードを始める際は、四季報の業績予想を必ず確認します。四季報の業績予想がどのように外れるのか、を重要視しているからです。外れてばかりの四季報予想ですが、この予想を重要視している投資家はいつの時代も多いです。むしろ、四季報の業績予想がどこの分析サイトでも無料で記載されている今、四季報予想を重視する投資家の割合は昔よりも多くなってきているでしょう。会社の公表している資料以外の材料で分析しようとすると、イヤでも四季報の業績予想が目に入ります。余程意識して避けなければ、分析しているうちに四季報の業績予想をトレードの判断材料に含めてしまいます。その為、どうしても四季報の業績予想が株価に材料として織り込まれることが多くなります。深いファンダメンタル分析を是とする投資家でさえ、分析するかどうかを四季報情報でふるいにかけている人も多いです。そのようになると、当然、四季報業績予想に対しての会社業績発表のサプライズが株価に大きく影響する事になります。新しい四季報が発売されたとき、その業績予想が前号に対して大きく変動した場合でさえ、株価は大きく変動します。その間、会社業績予想に変動がなかった場合でさえ、です。これらを考慮すると、四季報の業績予想を参考にして投資をするのは理に適っていません。四季報の業績予想を追いかけて長期的に優れたパフォーマンスを得ることは至難の業でしょう。何故なら、景気転換点において四季報業績予想は大きく外れるからです。以上を鑑みて、僕は四季報業績予想そのものよりも、その外れ方にサプライズがどのくらいあるのかをとことん重要視します。四季報に限らず、株価に影響を与えている予想ならその外し方を重視します。株価に織り込まれていると思われるような悪材料は気にしません。(気になりません)しかし、株価に織り込まれていると思われるような好材料は気にします。(気になります)逆の人はかなり居ると思いますが、僕はこのスタンスです。材料織り込み済みで株価が反転する可能性は、相場環境によっては決して低くないと考えています。増収増益間違いなし、会社予想を上回る業績が確実視されている銘柄でも、株価が上がれば売り上がります。想定通りの好調な業績であったとしても、株価が上がるかどうかは分かりません。逆も然りです。上昇相場や下落相場が反転する可能性を常に考えて行動する、というのが僕の考えです。今現在がどのような相場環境かは、他の銘柄の値動きを参考にします。ただし、それは無意識のうちに参考にするのであって、意識して参考にする事は余りありません。意識して参考にしているようでは、相場の中に迷い込むと考えています。その為、意識することなしに参考にするという位が丁度良いと考えています。これは、言い換えればアンテナを張るという事だと考えています。割安投資家はこのアンテナで勝負している。僕はそう思います。アンテナを張っている人がセンスのある人といわれることがありますが、なんてことはない、ただ株価の値動きに敏感な人というだけです。僕は割安株投資家なので、常にアンテナを張っています。割安株投資家であればアンテナは張り巡らしていて当たり前です。アンテナは感度が命です。日々相場と向き合う必要があります。これが、前回述べた日々の値動きのフォローに繋がります。多くのバリュー投資家は値動きを追いかける事に対して批判的ですが、結局は値動きをフォローすると一喜一憂して疲れるからそのような考えになるのだと推測します。一喜一憂する必要などないのです。淡々とやれば宜しい。ということで、僕は毎日淡々とやっています。僕は株価は常に適正価格だと思っていますので、株価に一喜一憂する事はありません。株価をフォローしても疲れません。売った株が値上がりしても気にしませんし、買った株が値下がりしても気にしません。多くの投資家は株価推移を気にしすぎると思います。株価の値動きは、『ただそういう事実があるだけ』です。それ以上でもそれ以下でもありません。儲け損なったとか、要らぬ損失を拡大したとか、そういうものではないと僕は考えています。 儲かった投資家が優れた投資家なのでしょうか?儲かった投資家の用いている投資手法が優れているのでしょうか?僕はどちらも違うと考えています。優れた投資家が儲かるかどうかは分からない。優れた投資手法が儲かるかどうかは分からない。僕はそう考えています。 儲かるかどうかは時流に乗っているかどうかで決まると考えています。儲かる為には、うまく時流に乗る事が出来るように相場の流れを判断する方が近道だ、という考えです。相場の流れを判断する為に、マクロ経済を注視し、多くの銘柄について株価推移をフォローするべきだという考えです。これはファンダメンタルを重視しないという事ではありません。ファンダメンタルは基礎なので、しっかり重視しなければなりません。(もうちょっと言うと、重視するべき基礎ではないようなファンダメンタルはファンダメンタルではありません)アンテナを張ることで、意識せずとも無意識下でトレードに影響を与える事になり、結果的に時流に上手く乗ることが出来る可能性が高まる、という考えです。(バリュー投資家と僕とではここの考え方も根本的に違います) このような考えを持って投資をしている為、僕は上昇相場では他の分散投資家よりもパフォーマンスが良く、下落相場では他の分散投資家よりもパフォーマンスが悪いです。投資を始めてからずっとです。これは、上に述べた時流に乗ろうとする事以外にも、下記の投資手法であることが大きく影響していると思います。・常に全力投資でありキャッシュポジションは殆どない・ROEの推移を重視する・変化率を重視する・ポートフォリオの中で資金を循環させ続けている・買い下がりを是とする逆張り投資・相対的な割安株投資・業績よりもサプライズを重視するこれらについては、既に今まで僕の投資手法という形で書きました。愛すべき読者の皆様、分かって頂けたでしょうか。 繰り返しになりますが、僕はブレイクダウン型の分析を主としています。ファンダメンタル分析にはブレイクダウン型とボトムアップ型があります。全体像から個別セグメントに、個別セグメントからの各々のファクターに分け、さらにそのファクターをより細部へ切り分ける。そのような分析をするのがブレイクダウン型。これに対してボトムアップ型は逆に、個別の要因が全体像に与える影響を推し量り、大きな影響を持つファクターを重視するという手法です。乱暴に言うと、月次を重視する投資家はボトムアップ型になります。毎月の売上から、1年の業績を推し量る。僕は月次は殆ど気にならないのですが、(かなり乱暴な言い方ではあるものの)そういう意味でもブレイクダウン型になるのだろうと思います。積み上げていくのではなく、掘り下げていく事に興味を持ちます。スコップで、ゆっくりゆっくり掘り下げる事に興味があります。合わせる足し算ではなく分ける引き算を主とする分析方法に興味がある、と言った方が分かり易いでしょうか。驚いた事に、売上から経費を引くと利益になるのです。今後利益が増えるかどうかは、利益と株価を見ていても分からないのです。もし今後利益が増えるかどうかを知りたいのであれば、そんなものはどうでも良いのです。売上から分析に入るというのが僕の手法です。経費の推移をみれば、今後の利益を推し量ることが少しはできるというものです。利益が少なくても売上の大きな企業であれば、持続した売上利益率の上昇が株価の急上昇に繋がる可能性があります。それではどのように今後の業績を推し量るか?それは業種によっても変わりますし、物の売り方によっても変わります。言い換えれば、売上の上げ方によって変わります。最も重要なのは分析の仕方ではありません。考え方です。僕は分析の精度を上げても仕方ないと考えています。ファンダメンタル分析を主とする投資家は小手先の技術を有難がりますが、重要なのはそこではないと僕は考えています。 といっても仕方ありません。恐らくは多くの読者の皆様が興味があるのは、その重要なところではない部分だと思います。ここからは余談という形で、僕の分析の仕方を少し書きます。 もう少し続けます。
2014.08.18
コメント(0)
前回の続きです。僕は頑固な割安株投資家です。それはもう頑固です。バリュー投資と割安株投資を分けて考えています。この2つを別物だと考えている変人は世界中で僕だけだと思いますが、僕にとってはこの2つは投資哲学から分析手法に至るまで、全く似て非なるものです。というより似てもいないと考えています。絶対評価のバリュー投資に対して、割安株投資は相対評価。狭く深く分析するバリュー投資に対して、割安株投資は広く浅く分析する。 バリュー投資であれば1銘柄のみに延々と時間を掛けて分析することが可能ですが、割安投資家はそうはいきません。バリュー投資であれば市場が大きく動く事がなければ何ヶ月も分析しなくてもへっちゃらですが、割安株投資はそうはいきません。バリュー投資であれば購入した後は殆どやる事はありませんが、割安株投資はそうはいきません。バリュー投資であれば気が向いたときに分析をすれば良いですが、割安株投資はそうはいきません。継続した地道な努力を要するのは、バリュー投資ではなく割安株投資だと思っています。(株式投資に必要な分析をする行動を『努力』と表現するのはかなり違和感がありますが)バリュー投資家でも割安株投資家でも、基本は分析・分析・分析の繰り返しです。好きこそ物の上手なれ。やはり分析が好きでなければファンダメンタル株投資家を続けられません。 割安株投資のやり方は人それぞれですが、僕は株価変動率をかなり注視します。前日比の株価変動率は過去に取引を行った銘柄を中心に、毎日数百銘柄見ています。これはどんなに忙しい日でも欠かしません。気になった銘柄はチャートも見ます。これを毎日繰り返すことで、フォローしている銘柄は中期的な値動きが大体分かります。少しでも多くの銘柄について「大体の過去の値動きが分かる」というのは、業績変動を注視する上でとても重要なことだと考えています。テクニカル指標は全て無視します。僕は逆張り投資家ですが、RSIには興味はありません。保有銘柄については先週比変動率を毎週確認します。日経平均とJASDAQの変動率も注視します。どのような理由で変動率に差が出来たのかを推測し、その理由と自分の考えとの差で投資妙味のある場合はトレードを行います。分かり易い材料が発表された場合、その材料により株価が行き過ぎる事があります。この行き過ぎの株価の是正を期待して売買するのはバリュー投資と割安株投資でもっとも異なる部分でしょう。 僕はポートフォリオ内で自分が妥当と判断する位置より上昇率が大きかった(或いは下落率が小さかった)銘柄を売却して、その逆の銘柄を買います。先にも書きましたが、ポートフォリオ内で高い所から低い所へ資金が循環しているイメージです。この高い所というのは、単に株価が上昇したという事ではなく、自分にとって相対的に妥当だと思う株価位置より高いという意味合いです。その為、株価が上昇していなくても、高い所に成り得ます。株価が下落していても高い所に成り得ます。ちまちま売買を繰り返します。ここの度合いはバリュー投資家とは相容れないと思います。 株価は常に適正価格なので、勿論自分の妥当だと思う株価位置の方が間違っている訳ですが、株価は短期中期長期全ての投資家の考える適正価格なので、僕の考える妥当な価格とは違います。第一に、僕は中期投資家ですし、第二に、僕は割安株投資家です。そして第三に、僕は株価上昇を第一目標にして株を購入しているのではありません。そしてなにより、正しいのは僕の判断ではなく株価の方です。株価の方が正しいという認識をもって、トレードを開始します。この認識が僕の投資に長期的に良い影響を及ぼしていることを、僕は確信しています。ともあれ、僕が株式投資において注視するのは、前日比の株価変動率と週間株価変動率、そして個々の銘柄を自分の判断した価値、その2つを比較した相対評価です。株価はどうでも良いです。ただ、結果として逆張り投資になります。何も材料が発表されていないのであれば、相対的な逆張り投資が主となります。相対的な逆張り投資、これが僕の投資手法の基本のき、です。 ポートフォリオ内で逆張りを中心としている僕の投資手法では特定の銘柄に資金が偏ってしまうのではないか、という考えもあろうかと思います。しかし実際のところはそうなることは全くありません。僕の場合はある程度買ってしまうと、それ以上欲しいと思うことがなくなるのであまり資金の偏りはできません。利殖を目的としていないから、資金の偏りがなくなるのではないかと自分では考えています。また、多くの割安銘柄を保有するには、特定の銘柄に資金を流し込み過ぎないようにする必要があります。それでももっともっと買いたくなるようなとんでもない割安銘柄があったとしても、それは自分の知らない何かがあるはずだと考えてしまいます。何しろ、株価は常に僕の考えよりも正しい価格になっているのですから。そのような自分が認識できていない、よく分からないような危険の隠されているかもしれないような銘柄に、多くの資金を注ぎ込むような必要はありません。相対評価をする限り市場から割安銘柄がなくなる心配はないのですから、バリュー投資のようにタイミングを計って投資する必要がないからです。多くの銘柄を保有していますが、非優待株を中心に投資しています。優待銘柄への投資は煩わしいので、僕は全く好きになれません。優待権利落ちを嫌う僕にとって、優待銘柄はのんびりした投資が出来ない。優待は配当と違い、保有株数に応じて分配される権利がある訳ではありません。多くの場合、優待銘柄への単元株以上の買い増しは権利落ちの株価下落リスクを伴います。それを意識した投資をせざるを得ない為、優待銘柄への投資は優待権利日を頭に入れながらトレードをする必要があります。権利日前に株価がどうなるかは問題ではありません。どのような値動きであれ、権利落ちを避けたいのであれば、権利日前に売る必要があります。優待株投資は僕のようなのんびりした投資家にとって、極めて不利な条件が付きまといます。好きな時に好きなだけ株を買うという投資手法を持った投資家にとって、優待銘柄への投資は行うべきではないと考えています。僕は投資しても良いと思える銘柄であっても、優待銘柄への投資は避ける傾向にあります。小型内需株を中心にして70銘柄前後保有している今であっても、優待銘柄は3割ありません。優待権利落ちの大きい銘柄は殆ど保有していません。保有していても、余程の事がない限り1単位までに抑えています。優待銘柄は、その優待(とそれを欲しがる投資家)によって、株価下落リスクが小さくなります。業績悪化に伴い株価下落する場合でも、実態よりも株価下落率が小さく抑えられている事が多いです。その下落するべき株価まで下落しなかった優待銘柄に、一体どんな魅力があるのでしょうか?万年割安銘柄への投資はタイミングを計る必要はありません。いつでも同じように割安だからです。しかし優待銘柄への投資はタイミングを計る必要があります。優待権利日前後で割安度が大きく変わるからです。優待銘柄への投資はタイミングが重要です。自分の投資手法の幅を狭める必要があります。タイミングを計らずにポートフォリオ内で資金を循環させる手法には向いていません。僕にとって優待銘柄は極めて不向きな銘柄です。その為、たとえ魅力のある銘柄であっても、優待銘柄であればできるだけ投資を避けます。それでも投資をしたい銘柄であれば購入しますが、買い増しは極力避けます。買い増しをしても、早めに売却しようと意識します。とても自分の好きなようなトレードが出来ません。僕にとって優待銘柄はリスクが大きいのです。僕が優待銘柄への投資をする場合、権利落ちに買う場合が極めて多いです。権利落ちで馬鹿みたいに暴落する銘柄があるからです。なにより、権利落ちであれば次の優待権利落ちまで猶予があります。その猶予期間に売れば良いのです。(しかし、僕の場合はその猶予期間を過ぎてしまうことが多々あります。僕はのんびりしています。いつまでに売らないといけない、と意識をしなければいけない銘柄は、非常に煩わしい) 業績発表も同じです。業績発表のタイミングを意識して投資をするというのは、僕には煩わしいです。業績発表はとても重要なことです。(僕もトレードを行うときは例外なく必ず確認します)しかし、結果として業績発表のタイミングを意識してトレードを行わないことで、僕は良いパフォーマンスを得られていると強く感じています。四半期決算発表で株価が大きく動くときがありますが、そのような時は往々にして既に株価に期待が織り込まれている場合です。僕は四半期決算に期待を織り込みませんので、高くなったら売りますし、安くなったら買います。最近は上方修正しそうな銘柄の株価は堅調です。逆に下方修正しそうな株価は軟調です。インターネットで誰でも短時間に四半期決算で業績進捗具合が分かるからでしょう。そのような投資をしている人が多いからこそ、四半期決算で織り込まれた期待に沿わなかった時、株価は大きく動きます。サプライズに対する株価変動が大きい傾向にあります。多くの銘柄を浅く広く分析している僕にはよく分かります。 ただ、市場は必ずしもそのような傾向にある銘柄ばかりではありません。四半期決算の業績が好調なのに、株価が伸び悩んでいる銘柄もあります。そのような銘柄への投資を僕はとても好みます。第一に、その後の業績が悪くても株価が大きく下落するリスクが比較的に少ないですし、第二に、そのような銘柄が上方修正した場合に株価は素直に上昇に転じる事が多いです。そして第三に、その上昇は短期的なものに終わらず持続したものになる傾向があるからです。そのような銘柄の中ではROEが持続して上昇する銘柄があります。先に書きましたが、ROEを持続して上昇させるような銘柄への投資を僕は好んでいます。仮に、今期の業績が悪くても、来期以降の業績が明るければ、魅力を感じます。 ここで言う来期以降の業績とは、四季報の業績予想ではありません。 次回は四季報の業績予想が僕のトレードに与える影響についてから書きます。 まだまだ続きます。
2014.08.12
コメント(13)
前回の続きです。PERやPBRや自己資本比率で銘柄選択に縛りを設けている投資家が多いですが、僕はそのような縛りを行いません。その縛りに意味があるのか疑問に思っています。線引きして銘柄選択するのはバリュー投資です。バリュー投資という手法は絶対的な線引きがあった方がやりやすいです。しかし市況によってその縛りの数値を変更しているタイプの投資家がバリュー投資家を自称している時もあります。相場環境により変動させるのは勿論構いませんが、それはバリュー投資の手法ではないと考えています。僕自身はバリュー投資家ではないので数値にこだわりません。先に書いたように僕はPERをガチガチに重視するタイプの投資家ですが、まず第一に着目するのは時価総額と売上高です。僕がブレイクダウン型の分析しか用いないファンダメンタル投資家なので、時価総額と売上高から入る方がやり易いからです。そして掘り下げていって、最も重視するのは経常利益の伸びとROE推移です。この2つは僕の分析方法の肝となる部分です。しかし、経常利益の伸びとROE推移は後回し。まずは時価総額と売上高とのバランスを見ます。業種を加味して時価総額に対して売上高が低ければ、大幅に興味が薄れます。一応分析はしますが、殆どの場合は投資をしません。売上高が急激に増加する銘柄は極めて評価が高い場合が多く、大抵は僕の投資対象にはならない為です。これは経験上の話です。分析を始める際、多くの場合は、時価総額と売上高とのバランスを注視する手法は取っ掛かりとして便利だと考えています。もちろん売上の中身については良く視なければいけません。その売上の数値にどんな意味があるのか。何が好調で何が不調なのか。会社の軸はどちらに向かっているのか。そして今後どちらに向かっていこうとしているのか。業種によっては売掛金を使うのも良いと思います。僕は売掛金はあまり気にしない事にしています。売掛金の中身を精査する能力は僕にはないからです。(売掛金を気にしないのであれば、その投資にどのようなリスクがあるか?) 中期投資家は市場の評価の変動に着目する。僕が市場の評価を手っ取り早く判断する場合、最初の取っ掛かりはPERでもPBRでもありません。時価総額と売上高です。繰り返しに聞こえるかもしれませんが、意味が異なりますので注意して下さい。市場の評価を手っ取り早く判断する場合にも時価総額と売上高が使える、という事です。そこから入れば企業に対する市場の評価が高いかどうかが手っ取り早くざっくりと分かります。時価総額と売上高を見比べるのは1秒で出来ます。PERやPBRを見ても短時間で市場の評価を判断する事が出来ますが、まずその前に時価総額と売上高を見比べる。これが僕のやり方です。PERやPBRの数値は強烈なパワーを持っていますので、銘柄に対する固定概念が生まれます。なるべく取っ掛かりからは外したい。なるべく違うところから評価を始めたい。ファンダメンタル投資家はPERやPBRから分析に入る人ばかりです。PERやPBRは結果であって、そこから分析に入ると全体像が見えなくなることが多々あります。長い間株式投資をしている投資家は分かっているはずです。それでも何も考えずにいつものようにPERやPBRから企業分析に入ってしまう。それでは何の進歩もありません。PERやPBRは後回しにするべきだというのが僕の考えです。それではどこから分析に入るべきでしょうか。自己資本比率はどうでしょうか?利益率はどうでしょうか?ROEはどうでしょうか?やはり僕は時価総額と売上高のバランスから分析に入ります。売上高が著しく高くなる商社のような業種や、著しく低くなる一部のサービス業のように、売上高の数値で市場の評価をみるのに適していないような業種もあります。業種や企業活動内容を理解することが必要になります。面倒に思われるかもしれません。しかしすぐ慣れます。むしろ、そういうところをすっ飛ばして企業の利益と株式の値段を比べるからいつまでも理解が乏しくなるのだと思います。ファンダメンタル分析で結論を急ぐとろくな事はありません。急がば回れ、利益の前に売上あり、なのです。僕は分析の順番が大切だと考えています。僕の分析はいつも、川下から入るのではなく、川上から入ります。水が流れるように、順を追って見ていきます。何故かこのやり方を主張している人は殆ど見かけませんが、PERやPBRから銘柄を絞り込んで入る分析手法よりも結果的にやり易いと思います。PERをガチガチに重視する僕でさえ、PERから分析するというのは余りスマートではないと考えています。何故なら、第一に市場はそのようなファンダメンタル投資家で溢れていますし、第二に中期的な利益を追求するのであれば周りと同じようなことをやっていてはいけないからです。後から追いかけるのではなく、先回りする。ガチガチの中期投資家として、僕には一家言あるのです。 PER5倍、PBR0.5倍、実質無借金の銘柄が10個あったとします。これらの銘柄が「大体同じ位の価値だな」とはなりません。それぞれで実態は違うのです。PER10倍よりPER20倍の銘柄の方が魅力のある場合もありますし、PBR1倍よりPBR2倍の銘柄の方が魅力のある場合もあります。自己資本比率も同様です。自己資本比率20%未満の銘柄でも優れた銘柄は沢山あります。当たり前です。なので、最初の取っ掛かりでPERやPBRや自己資本比率を着目する方法は僕はあまり行いません。僕の場合はまず最初に時価総額と売上高のバランスを重視します。業種や、企業活動内容(何を誰に売っているのか)も重視します。基本的には売上高の推移は余り重視しませんが、経済環境が劇的に変化している状況下においては、場合によって売上高の推移を重視することもあります。売上高の変動によりROE推移が大きく変動するからです。売上を重視することで将来のROE推移の変化をおぼろげに捕まえられる可能性があるからです。売上利益率の変動は、売上高に対しての時価総額が低いほど株価変動に繋がるからです。経済環境が劇的に好転する状況で株価変動の予測をする時に重要なのは、将来のROE推移の変動だと考えています。また、それが投資家の予想に対してどれだけのサプライズとなるかをとても重視してます。その2つを推し量るのは容易ではありません。多くの場合は、売上利益率の変動が読めないからです。衰退産業の企業では、多くの場合売上はそれ程伸びません。しかし売上利益率は大きく変動します。損益転換点が僅かでも上昇する際に、売上は大きな力となります。利益の急増に伴いPERが減少し、その結果として株価も少なからず上昇するでしょう。それに対して、既に最初から売上利益率の高い企業は見劣りします。売上利益率の更なる上昇が見込み難いからです。サプライズがあるとすれば、予想に反して利益が伸びない時でしょう。勿論ネガティブサプライズです。株価が上昇するようなポジティブサプライズになるのは、売上を投資家の想定以上に伸ばした時です。しかし売上利益率を減少させる場合が多く、なかなか大きなポジティブサプライズにはなりません。(この部分は再読をお願いします) 話を元に戻しましょう。僕は売上高については、売上高推移ではなく、今期の売上高を着目します。逆に経常利益をみる時は、単年度ではなく推移をかなり重視します。(※業種により重視する度合いは変わります)ROE推移を着目するのが僕の手法です。この手法は、ROEに対する理解が浅い多くのバリュー投資家には分からないと思います。彼らの多くは、ROEに対して深く考えていません。これは過去に何度も書いたので今回は割愛します。 僕は本格的な分散投資家です。株式投資を始めてからずっと分散投資一本です。特定の銘柄に注力しないで20銘柄以上に投資をしています。最近は70銘柄前後を保有しています。特定の業種に注力しないように意識したことはありません。結果としてそうなっただけです。ポートフォリオ内に資金を循環させる為には、特定の業種に注力しない分散投資がやり易いのです。僕は分散投資をリスク低減の為に行っているのではありません。攻撃の為の型分散投資という感じです。パフォーマンスを上げる為の分散投資です。過去に不動産や建設業にやや注力していた時期がありました。不動産と建設業を足すと半分程度、という時も一時的にありました。しかしこれはほんの一時のことで、基本的には特定の業種に注力はしていません。多いときで全体の3割程度です。業種による区分けよりも、景気循環株なのか成長株なのか再生株なのか万年割安株なのか、そういう括りの比重の確認の方が大切だと思っています。 先にも述べましたが、ちまちま売買します。売買は買い下がりや売り上がりを主とします。一度に多額の売買をする事はまずありません。新規参入する時は、殆どまず最初に1単元程度の打診買いをします。どれだけ自信がある売買でも、総資産の1%以上の金額を1回の取引で使用することはまずありません。単元株の売買に必要な金額が多い銘柄は、単元株未満の取引をします。単元株未満の取引では証券会社のシステム上指値が出来ませんが、単元株未満の取引では1回の売買金額をさらに少なくするので、あまり気にした事はありません。何時間も分析に時間を費やした結果、現状維持。リバランスする時でも売買するのは1単元(或いは全資産の1%未満)、という事が殆どです。どんなに忙しい時でもポートフォリオのリバランスに毎日それなりの時間を割いていますが、その結果として行う売買でポートフォリオの変動は本当にほんの少しです。毎日これの繰り返しです。短期投資ではありませんが、売買数はかなり多くなります。最近は年間で100回程度売買します。恐らく今年は100回を大きく超えると思います。頻繁に売買することを否定する投資家は多いですが、僕は一度に多額の売買をすることの方が余程リスクが高い非効率な投資だと思っています。今の時代、手数料にかかるコストはとても小さくなっています。頻繁にリバランスをする為の手数料は、積極的に支払うべきだと考えています。 投資を始めてからずっと分散投資一筋ですが、かなり資産変動率が大きいです。恐らく、本格的な分散投資家の中では最も資産変動率の変化が激しい部類の投資家だと思います。どれだけ分散したかではなく、何を買っているかがパフォーマンスに直結すると考えています。その為、分散投資が集中投資にパフォーマンスで負けると言う意見には与しません。集中投資はリバランスがし難い。僕の投資手法にとって、これは致命的です。僕にとってリスクコントロールはポートフォリオのリバランスを常にし続けることです。 まだまだ続きます。
2014.08.05
コメント(0)
全4件 (4件中 1-4件目)
1


