バリュー投資に騙されるな！

地に足のついた投資をするためには

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社会全体の利益が最大になるところは、健全な資本主義社会であれば、社会全体のROEを長期的に最も効率的に上昇させることができるところとなる。

この部分を理解していないと、資本の意思や資本の流れが分からず、全体を見渡す広い視野を持てない。全体としての状況が分からずその時々の個別の情報に振り回されてしまうので、地に足が着いた投資が出来ない、ということになる。

投資家が行う投資行動で誤謬を発生させる場合、個々の材料はそれなりに効果はある。しかし、個々の材料それ自体では短時間で効果が消滅する。個々の材料より、個々の材料が複雑に組み合わさった経済に対する見通しの変化そのものが、中期的には影響する。
相場の本質は、ある意味においては、個々の材料が複雑に組み合わさった経済の先行きの見通しの変化を、投資家が全体としてどのように受け止めるかに尽きる。

この視点から見てみると、個別の材料は、それが全体としての投資家に強い示唆を与える事ができる材料であるかどうかかが最も重要となる。

これは投機でもあり、投資でもある。

（もちろん投機でもある）

ただし、投資家全体の見通しはその時点では合理的な判断をしているので、その見通しが今後どのように変化するかは誰にも分からない。長期的な社会全体のROEの上昇を維持するためには、短期的には社会全体のROEが低下するかもしれない。産業によって長期的にROEが低下するものもあるだろう。個々の企業のROE推移を予測するのは不可能に近い。

あくまで、社会全体の利益が長期的に最大に近くなるところが、行き過ぎた誤謬が落ち着くところの目安となる、というだけ。基礎の基礎。それ以上でもそれ以下でもない。

最後まで理解しないのであればそれはそれで良いのだが、後から理解するのだから軸がぶれる事になる。

株価が下がったこと自体を売却理由にする損切りラインの設定や、株価が勢いづいてきたから株を買うという飛び乗りは、軸がぶれていなければ決してバリュー投資家が行わない行動なので注意されたい。

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