2024年11月29日
カテゴリ： 俳句ちら読み 逍遥遊
『プレバト』（大阪ＭＢＳ制作、ＴＢＳ系全国ネット）２８日放送。
今回の兼題は、（ドラマ、映画、バラエティ番組などの）「撮影現場」。
出演者の芸能人たちにとっては、身近でありつつ真剣な仕事の場である。おのずと、そこはかとなく実感がにじんでいて面白かった。
千原ジュニア
冬の暮子役がくれるガム硬し
分かりやすくて、ちょっとした諧謔味と詩情がある、名人による手慣れた佳句。季語「冬の暮」を「硬し」の描写が補強している、達者な技巧。
的場浩司
冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師
時代劇の撮影の、まもなく 殺陣 （擬斗）の場面を撮る野外の寒い夜のロケ現場で、年配の殺陣師が、役者たちが怪我をしないようにと、石ころを拾って投げ捨ててくれていた。
千原ジュニア評「俳句のゾーンに入ってる」、「五七五が止まって見えている」に同感。調べも美しい、見事な客観写生の一句。
ちょっと一杯 飲 って読んでいたら、俺泣いた
野村麻澄
缶コーヒー 壺装束 の日向ぼこ
今年の大河ドラマ『光る君へ』に出演した女優の自画像スケッチ。
「壺装束」は、平安期から中世ごろまでの公家や武家の婦人の外出姿。
ここまで３句は、添削なし文句なしの秀句。
松下由樹
ジャーにみそ汁足袋重ね履くロケ現場
やはり時代劇なのか、着物姿でいて、ロケ現場が寒いので「足袋を重ねて履く」という、普通ありえないような実体験の着眼が面白い。
私も若い頃は「祭り男」だったので足袋を履く機会はたびたびあったが、二枚重ねにするなどとはちょっと考えられない。そこにおかしみがある。
作者の原作「足袋重ね自製みそ汁暖をとる」を、評者で俳人の夏井いつき氏が添削。「暖をとる」が散文的・陳腐で不要な文言との指摘はもっともだと思うが、夏井氏の字余り破調の添削は、ややいじりすぎて今ひとつではないかと思ってしまった。
ここは、割と素直に「足袋重ねジャーにみそ汁ロケ現場」ぐらいでいいのではないか。
今回の兼題は、（ドラマ、映画、バラエティ番組などの）「撮影現場」。
出演者の芸能人たちにとっては、身近でありつつ真剣な仕事の場である。おのずと、そこはかとなく実感がにじんでいて面白かった。
千原ジュニア
冬の暮子役がくれるガム硬し
分かりやすくて、ちょっとした諧謔味と詩情がある、名人による手慣れた佳句。季語「冬の暮」を「硬し」の描写が補強している、達者な技巧。
的場浩司
冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師
時代劇の撮影の、まもなく 殺陣 （擬斗）の場面を撮る野外の寒い夜のロケ現場で、年配の殺陣師が、役者たちが怪我をしないようにと、石ころを拾って投げ捨ててくれていた。
千原ジュニア評「俳句のゾーンに入ってる」、「五七五が止まって見えている」に同感。調べも美しい、見事な客観写生の一句。
ちょっと一杯 飲 って読んでいたら、俺泣いた
野村麻澄
缶コーヒー 壺装束 の日向ぼこ
今年の大河ドラマ『光る君へ』に出演した女優の自画像スケッチ。
「壺装束」は、平安期から中世ごろまでの公家や武家の婦人の外出姿。
ここまで３句は、添削なし文句なしの秀句。
松下由樹
ジャーにみそ汁足袋重ね履くロケ現場
やはり時代劇なのか、着物姿でいて、ロケ現場が寒いので「足袋を重ねて履く」という、普通ありえないような実体験の着眼が面白い。
私も若い頃は「祭り男」だったので足袋を履く機会はたびたびあったが、二枚重ねにするなどとはちょっと考えられない。そこにおかしみがある。
作者の原作「足袋重ね自製みそ汁暖をとる」を、評者で俳人の夏井いつき氏が添削。「暖をとる」が散文的・陳腐で不要な文言との指摘はもっともだと思うが、夏井氏の字余り破調の添削は、ややいじりすぎて今ひとつではないかと思ってしまった。
ここは、割と素直に「足袋重ねジャーにみそ汁ロケ現場」ぐらいでいいのではないか。
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中島美嘉 桜色舞うころ ―― 青春、朱夏なし、白秋、玄冬
的場浩司 冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師 ほか 『プレバト』より
五輪真弓 恋人よ
伝･藤原義孝／賀縁 時雨とは千種の花ぞ散りまがふなにふるさとの袖濡らすらむ
安立スハル 見たかりし山葵の花に見入りけりわが波羅葦僧もここらあたりか
後鳥羽上皇 さびしさはみ山の秋の朝ぐもり霧にしをるる槇のした水
藤原兼宗 ゆく秋の形見なるべきもみぢ葉はあすは時雨とふりやまがはむ
西行 津の国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風わたるなり
西行 をぐら山ふもとの里に木の葉散ればこずゑに晴るる月を見るかな
北原白秋 もみじ葉を月の光にながめゐてはららきしからに我はおどろく
的場浩司 冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師 ほか 『プレバト』より
五輪真弓 恋人よ
伝･藤原義孝／賀縁 時雨とは千種の花ぞ散りまがふなにふるさとの袖濡らすらむ
安立スハル 見たかりし山葵の花に見入りけりわが波羅葦僧もここらあたりか
後鳥羽上皇 さびしさはみ山の秋の朝ぐもり霧にしをるる槇のした水
藤原兼宗 ゆく秋の形見なるべきもみぢ葉はあすは時雨とふりやまがはむ
西行 津の国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風わたるなり
西行 をぐら山ふもとの里に木の葉散ればこずゑに晴るる月を見るかな
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くまんパパ
たまに寝ぐせでサリーちゃんパパ 坂本野原 のはら 和歌･短歌＆音楽大好き 栃木県宇都宮市生まれ､在住
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