図書館で借りた本。
住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち 川口マーン惠美著
タイトルに「8勝2敗」とあるので、10項目について日独を比較してるのかと思うたけど、そうではなくて日本が圧勝してるということを言いたいそうや。
著者は、ドイツのシュツットガルト在住30年、現地で結婚し、3人の子供を育てた女性。
まえがきで、日本以外にはありえないすごい仕組みとして、宅配便の2時間単位の配達時間指定をあげてはる。
宅配便のことは、その通りやと思う。
バスも電車もほとんど時刻通りに来るし。
海外を旅してると、日本の交通機関の正確さがすごいと思う。
人々行動や思考の基本に思いやりが潜んでいるのが、とりわけ素晴らしいとも。
これは、どうやろなあ。
日本人の欠点は、論理性の欠如、広報活動の稚拙さと。
外交政策をみてても、これはその通りやなあ。
第1章「日本の尖閣列島、ドイツのアルザス地方」
著者は2012月6月に「漁師見習い」として尖閣諸島に行ったそう。
ウィキペディアのドイツ語版の「尖閣諸島」には、中国の主張通りのことが書いてあるという。
今はもう書き直されてるのかな。
今はフランス領になってるアルザス地方の歴史的経緯を紹介し、領土問題は実効支配とそれを裏づける軍事力が必要だと。
第2章「日本のフクシマ、ドイツの原発」
日本の反原発デモは、政治的な圧力になりえない。
ドイツの日本学と政治学の権威が言ったそうや。
「日本の反原発デモは借り物のように見えて、政治的圧力になり得ない。なぜなら、この若者の大半は選挙に行かないからだ」と。
ドイツでは脱原発政策の再生エネルギー買い取り法で助成金分が上乗せされ、一般家庭の電気代アップが激しいそう。
第3章「休暇がストレスのドイツ人、有休を取れない日本人」
ドイツ人の労働時間は短く、賃金は高い。雇用者は、負担する社会保障費なども高いので、できるだけ従業員を増やさずに、労働効率を上げようとする。
ドイツ人は自分の労働時間にシビアで、1分でも超えようものなら損をしたと思い、腹を立てる。何が何でも時間内に仕事をこなそうと常に焦って、不機嫌になる。
さらにEUからの低賃金労働者が大量に流入し、最低賃金を押し下げ、失業者が増加する。
筆者は、少しぐらいお給料が安くても、なるべくたくさんの人が働ける日本の社会のほうが良いと思うと言う。
第4章「ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは二度だけのドイツ」
ドイツでは、小学5年生で進路が決まる教育制度になっている。大学進学をめざすギムナジウム、職人になる基幹学校、その中間の子どものための実業学校と進路が3本に分かれる。
早期に落ちこぼれとされた子どもたちの通う基幹学校は、学力低下が激しく荒れ放題だという。
ギムナジウム卒業時の試験「アビトゥーア」が大学入学試験資格も兼ねていて、筆記試験のほかにプレゼンテーションや質疑応答もある難関で、2度チャレンジしてダメなら大学進学への道は閉ざされてしまうそう。
義務教育は日本の完勝やけど、それ以降の教育内容はドイツの勝ちやな。
第5章は、「 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本」
ここを読んで、ドイツの鉄道には乗りたくないと思うた。
技術大国ドイツというのは、ドイツ鉄道を除外した話で、時間通りに走らず、故障ばかりで、サービスはないそう。ドイツにおいて、便利さや快適さは付加価値であって、なければないで済むという。
終 章「 EUのドイツはアジアの日本の反面教師」
EUにおけるドイツと、TPPで日本が置かれるであろう状況は似ているという。
ドイツから搾り取れるだけ取ってやれと思っている国は少なくなく、「永遠の加害者」であるドイツは、たくさんお金を出しても、たいして感謝されない。
日本は辞めることのできない共同体に入るべきなのかどうかを、ドイツを反面教師に考えていく必要があるという。
読後感から言うと、日本の6勝4敗でかろうじて勝ちかな。
ドイツから学ぶことは、反面教師を含めていろいろありそうや。
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