第一部は近松門左衛門の最後の世話物という心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)。
八百屋半兵衛の店先にカボチャ、大根、人参、ゴボウ、青菜が並び、せりふで竹の子、独活、生姜、青山椒、白瓜、栗も登場する。
甲子の日は大黒天に二股大根を供えて祭るので、二股大根も。
半兵衛が遠州浜松みやげで持ってくるのは、曲物入りの浜納豆かな?
武家の息子で22に八百屋の養子になって16年の半兵衛は38歳、三度目の嫁入りのお千代は27歳。
義母との関係から夫婦であるにも関わらず4月5日の庚申の晩に心中する二人。
そのなりそめも知りたいな。
「古へを捨てばや義理と思ふまじ、朽ちても消えぬ名こそ惜しけれ」と辞世の歌を詠んだ通り、平成の今にまで名を残せてよかったのかな。
続けての第ニ部は、八代目竹本綱太夫五十回忌追善、並びに豊竹咲甫太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露。
歌舞伎ではよくある追善公演だけど、人形浄瑠璃文楽では初めてのことだそう。
綱太夫さんのご子息で咲甫太夫さんの師匠でもある咲太夫さんの口上も味があってよかった。
歌舞伎のように世襲制ではないのでむずかしいかもしれないけど、追善興行が今後続くといいなあ。
花競四季寿は、2月10日に急逝された豊竹始太夫さんに代わりはなくそのまま。
床の皆さん、どんなに無念やろう。
摂州合邦辻すごくよかった!
今回はしっとりとした清治さんの太棹に咲太夫さんの声がのって聞かせる。
咲甫太夫改め六代目竹本織太夫さんは顔つきまでしっかりと変わって来た。
迫力があって緩急自在で気持ちよく聴ける。
ますます大きな太夫さんになっていきはるやろ。
2月文楽公演
第一部
心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)
上田村の段 竹本文字久太夫 鶴澤藤蔵
八百屋の段 竹本千歳太夫 豊澤富助
道行思ひの短夜
お千代 竹本三輪太夫 竹澤團七
半兵衛 豊竹芳穂太夫 鶴澤清志郎 豊竹希太夫 鶴澤友之助 竹本文字栄太夫 野澤錦吾 鶴澤清允
[人形役割]下女お菊:桐竹勘介 下女お竹:吉田玉路 下女お鍋:吉田和馬 姉おかる:豊松清十郎 駕籠屋:吉田玉延 駕籠屋:吉田簑悠 女房お千代:桐竹勘十郎 百姓金蔵:吉田勘市 島田平右衛門:吉田玉也 八百屋半兵衛:吉田玉男 丁稚松:桐竹紋吉 伊右衛門女房:吉田文司 下女さん:桐竹勘次郎 甥太兵衛:吉田玉誉 西念坊:桐竹亀次 八百屋伊右衛門:吉田簑一郎 庚申参り:吉田玉翔 庚申参り:吉田簑太郎
第二部
花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)
万才・鷺娘
豊竹睦太夫 野澤喜一朗
竹本津國太夫 鶴澤清丈
豊竹始太夫(逝去) 鶴澤寛太郎
竹本小住太夫 鶴澤清公
竹本碩太夫 鶴澤燕二郎
[人形役割]
太夫:吉田玉勢 才三:桐竹紋臣
鷺娘:吉田文昇
八代目竹本綱太夫五十回忌追善
豊竹咲甫太夫改め六代目竹本織太夫
「襲名披露口上」
追善、並びに襲名披露狂言
「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」
合邦住家の段
中 竹本南都太夫 鶴澤清馗
切 豊竹咲太夫 鶴澤清治
後 咲甫太夫改め六代目竹本織太夫 鶴澤燕三
[人形役割]合邦道心:吉田和生 合邦女房:桐竹勘壽
玉手御前:桐竹勘十郎 奴入平:吉田玉佳 浅香姫:吉田簑二郎 高安俊徳丸:吉田一輔
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