旧譜「Down The Hillside」も新譜「Paper Crown」も、Nine Black Alpsのときとは全く違うSamの歌い方に、驚かされました。バンドのときはあのとおりかなり激しいし、グランジっぽいので怖いほどですが(でも好きです)、ソロのSamの声は本当にやわらかで、寂しげで、いい味を出しています。
こんなに悲しくていいのかというほど、悲しい音です。Elliott Smithが持っていたあの寂しさがそこにあるような。彼の命を奪ったほどの狂気はないけれど、何か通じる悲しさがあると思いました。 「Down The Hillside」のモノクロのジャケットは、冬の寒さを感じさせる雰囲気。Samが描いたのかな?晩秋から冬にかけての風景が浮かんできます。葉がほぼ落ちてしまった木々。灰色に曇った空。そういう風景をそのまま音にしたような感じです。女性コーラスとのハモリ具合は、時折、まるでKOCを聴いているような気分にもさせられます。 「Down The Hillside」の方が、より暗いような気もします。新作「Paper Crown」はもっと聴きやすい静けさ、かな。少し長いアルバムですが、Samの声はより穏やかで、あたたかみが増しているように思いました。