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1975年9月8日(月)
記者座談会、死闘の3強、栄光はどこへ ファンをやきもきさせたセ・リーグのペナントレースもいよいよ大詰め。優勝争いは広島、阪神、中日にしぼられてきたが、果たしてどこが抜け出すか。広島が優勝すれば初。阪神は11年ぶり。中日は昨年に次いで2年連続の栄光となる。プロ野球担当記者の座談会で、ペナントの行方を占ってみた。
-- 4強のうちヤクルトが一歩後退し、セの優勝争いはわずか2ゲーム差でひしめく広島、阪神、中日の3強に絞られた感じだが、ズバリ最後に笑うのはどこだろう。
A 今のような競り合いで大きなウエイトを占めるのは投手力だ。現在トップの広島は外木場、佐伯、池谷をうまく回転させているが、軸になる外木場に前期ほどの勢いが感じられないのが気になる材料だ。プレッシャーのかかる競り合いで、若い佐伯、池谷はまだアテに出来ない、その点中日は星野仙を軸に、松本、三沢の準エースをかかえて一番安定性がある。優勝経験も大きな強みだし、本命は中日だ。
B 投手力だけを見た場合、広島絶対とは言い切れない。でも、今年の広島は最後まで諦めないしつこさがある。特に攻撃面で、安打数はともかく、効果的な集中打が出るようになったのは大きな強み。中日がこれまでのように肝心なところで取りこぼすようだと、広島に逃げ込まれるんじゃないか。
C 僕は残る対戦カードからみて、阪神有利と思う。広島と中日は今週の3連戦で、対戦カードが終わってしまう。つまり、両者は他力に頼らざらるを得ない。その点、阪神は広島、中日との試合を残しており、地力でカタをつけられる。
A 阪神が不気味といっても、打線で恐いのは田淵だけ。それに今の所は投手陣が江夏-米田ラインでうまくいっているが、そろそろ疲れが出てきそうな米田を無理に使うわけにもいくまい。
-- 優勝の行方が話題になるとき、決まって囁かれるのが、試合毎に球団から貢献のあった選手に出される報奨金だ。ある意味では報奨金の額が優勝のカギを握っているとも言われている。
A でも、阪神はシブチンだからほとんど出さないんじゃないか。出してれば、江夏なんかもっと働くはずだ。
D 一説によると、阪神のフロントの考え方は、優勝すると選手の給料をアップしないといけないので、優勝しない方がいいとか。最後まで優勝戦線に顔を出し、観客動員で儲かればいいと言うんだからね。
C その意味では広島も同じだろう。親会社の東洋工業が不景気のしわ寄せをモロにかぶっているからね。
B でも、地元では一足先に優勝パレードをやったりして、地域ぐるみの優勝ムードが盛り上がっている。ここまで来たら、初優勝へ突っ走ると思う。
D 広島優勝説に水を差すようだが、ヤクルトの荒川監督が「2年生監督の俺が、1年生監督(古葉=広島、吉田=阪神)に負けるわけにはいかん」と、大変な闘志を燃やしている点も無視出来ないよ。的を絞っての嫌がらせをやりかねないからね。
C 意外な現象だが、今年の広島と中日は首位争いを演じているくせに、地元で負け越している。熱狂的な地元ファンの声援が、選手にプレッシャーをかけているせいかな。だとすると、広島、中日にとっては、ファンの態度もペナントレースのカギを握る存在として無視出来ない。
A でも、選手にプレッシャーがかかるのは、ゴールがちらつく残り10試合前後になってからだ。その意味で、中日が昨年優勝経験していることは大きい。何しろ”初体験”には不安と動揺がつきものだからね。
B 広島もファンの荒っぽい声援で崩れるとは思えないよ。もともとホプキンス、シェーンの両外人はドライだし、衣笠も性格的に外人と似たところがある。第一、いまの広島は、初体験を前にカッカしているから、周囲を気にする余裕もないよ。
D もう一つ見逃せないのは、巨人の存在じゃないかな。無欲な相手ほど、やりにくいものはないし、この巨人に食われたところが、首位争いから脱落していきそうな気がする。
A 広島は、その巨人に調子がいいときでも相性が悪く、負け越している。しかも、残り21試合のうち、巨人とのカードが5試合も残っている。
C 広島にとっては、当面のライバル中日と巨人との各3連戦が組まれている今節が最大のヤマ場。
D 今が正念場という点では中日も同じ。特に節前半の広島戦で、最低2勝1敗と勝ち越さなければ苦しくなってくる。
--ところで、ズバリ優勝の目処がつくのはいつ頃か。
D 早くても、残り5試合ぐらいになってからだろう。下手すれば、一昨年みたいに、最終戦という可能性もある。
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