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TokyoCity

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2013年02月10日
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カテゴリ: 工作
第203話 工作キットの持ち帰り

みなさんは次のようなケースの場合、どう対処しますでしょうか。

(ケース)
今月の工作活動で「紙工作」を企画し実施していた。ある親子がその工作をやりたいと言って子ども二人分の材料をもらった(画用紙一枚分)。しかし幼児であったために、はさみなどが使えず結局のところその親がすべて作っていた。ところが、一枚目が作り終わったときに閉館時間になってしまい、二枚目は手をつけなかった。そこでその親は子どもに、作れずに全く手をつけていない画用紙を持たせて先生のところへいき、「先生これおうちに持ってかえって作ってもいいですか」と聞かせた。その職員は「家にはさみとのりがあるのならいいですよ」と答えて持ち帰らせた。
※ちなみにこのケースでは、その親子は毎日児童館を利用している常連である。

 通常、児童館での対応は「工作の材料だけを家に持って帰るのはだめ」としているところが多いのです(もちろん完成した作品は持ち帰ることが出来ますが・・・)。それはなぜでしょう。それは材料のみ渡していると、その材料だけをもらうことが目当てになってしまい、本来その工作活動で行いたかった指導や活動が出来なくなってしまうからなのです。もちろん様々なケースバイケースで対応が変わることもあります。しかし、通常はどの子にも平等に対応するという意味において、「渡さない」という原則を決めたのなら「渡さない」という対応をするのが正解です。
 ではこのケースではどうして渡してしまったのでしょう。それには次のような原因と心理が働いていたと考えられます。まずは「材料だけを持ち帰る」ということの意味を認識していなかったということです。そもそもなぜ工作活動を児童館で行うのかとか、今回のこの紙工作は何をねらいとして企画しているのかとか、そうした根本部分が確固としてあるのなら、そうしたねらいや意図を発揮できないまま、単なる「ご自由にお取りください」コーナーになってしまうという危険を感じたことでしょう。しかしそうした意図がなかったり曖昧であるのなら、軽率に「まあいいか」と判断してしまうことでしょう。次に働いた心理は「常連のお母さんと子どもだから、これを断ったら悪いなぁ」という意識が働いてしまったのです。どんな子にも平等に対応するという原則を自ら崩してしまったのです。こうした職員の行動に対して子どもたちはとても敏感に反応します。「あそこの先生は依怙贔屓がある」とすぐに思われてしまうことでしょう。そうしたら、子どもたちから施設全体が信頼されなくなってしまいます。
 こうしたことがお願いされたのなら、本当は毅然とした対応をとるのが大事です。また、そうした自信がないのなら、ベテランの先生に相談するのも一つの方法です。何かと自分で全部出来ると勘違いしてしまいがちですが、こうしたところで細かいエラーが出てしまうのです。





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Last updated  2013年02月25日 08時35分02秒
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