24階のミミック

24階のミミック

2002.12.31
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 大晦日。先週まで前駆陣痛のような痛みが続いていたので、年内出産もあり? などと言っていたくせに、気づいたらすでに大晦日になっていた。
体力つけなくちゃ! とか言ってお正月の準備に よいとよいと のお買い物~とばかり、家族総出で人混みを歩き回った。
 そして大晦日、この日は両親が頼んでおいてくれた おせち料理 を取りに行くだけになった。
 そのおせちは、結婚前に、両家の顔会わせ(略式結納)を行ったお庭で有名な都内某料亭のもの。お腹の大きい私が何もしなくていいように、と母が気を遣ってくれたものなのだが、新婚夫婦にはとんでもなく贅沢な逸品とあり、受取も楽しみに4人でいそいそと出かけた。

 ついてみると、いつもは結婚式で大にぎわいの広い敷地もさすがの大晦日、人もまばらで、定休日なのかと思うくらいに静か。ちょうどお昼時で天気もよく、お庭の散策はお腹によさそうなので、散歩などしつつそのまま庭園の中にちらばる小さな料亭でランチを食べて帰ろう、ということになった。
 2万坪もの広さを誇る日本庭園は本当に静かで、暖かな陽射しが気持ちよい。久々にゆっくりした年末年始を迎えられそうと両親も喜んでいたし、私も気分良く歩いていたのだが……どうも、そのころから少しずつ、 妙なだるさ
 身体がやけに重く、息があがる。最初は、いつもの前駆陣痛の一種かと思った。お腹が張る……というのもあるけれど、なんだか 力が入らない気がする。
 おかしい……??

 今まで体験してきた、陣痛系の体調変化というのは、確かにお腹が重かったり息があがったり苦しくなったりするものだけれど、なんかちょっと違うのだ。 何かが、違う。 そのときはまだわからなかった。

 そして、ランチはお庭のはずれ、雰囲気のよい小料亭で「お豆腐懐石ランチ」をいただいた。1人1人、小さな土鍋に炊かれた豆乳でまず 湯葉 を何枚か採り、その後計量済みの にがり を入れてかきまぜると、目の前でお豆腐ができる♪という趣向。それに先付け、お刺身、煮物、じゃこご飯とお新香、赤出汁。
 お豆腐を自分で作るというのも楽しいのだけれど、静かなお庭を見ながらできたての湯葉とお豆腐(かけて食べる用のそぼろ餡がまた美味かった)が最高で、食べているときは なーんていい大晦日なんだろう~ (*^-^*)と思っていたのだが、食後、立ち上がろうとしたらグラリときた。それでも、まだお腹が大きいせいかなと自分に言い聞かせていた。
 だって、その後もまだお買い物とかしたかったし、あまり苦しいとかいうと皆が心配すると思ったんだけど……

「これは陣痛系じゃない」 っていうのがわかってしまった。
 本来なら今の時期、お腹は重くて苦しいけど足が圧迫されるから、私は立っていたほうが楽なはず。しかし、そのときはどうしても全身が重くてだるくて、座りたかった。あいているソファーに、人目も構わずだらーんと座ってしまうと、肘から先の筋肉がぼうっと熱く、手指から力が抜けていくのがわかる。そのとき、はっきりと気がついた。
あー、陣痛じゃないや~、風邪だーーー(^^;

 そこから先は、もうやせ我慢できる範囲じゃなくて、帰りに無理に頼んで寄ったスーパーでも結局 自爆 。車でダーリンに護送されて家についたときには、37度7分の熱が出て、熱の上がり始めの寒気と吐き気、全身のだるさでお布団直行……。

 夕方から熱が出て、息が苦しく、吐き気と寒気、全身の 関節と筋肉の痛み に苦しむ。とにかく産院に電話をしてみると、「39週の場合はそのまま陣痛が始まる可能性も高いので、今はそのまま家で薬を飲んで寝て、もし陣痛が始まったらすぐに来てください」ということだった。薬については、もう赤ちゃんが大きいので 市販の感冒薬OK 、しかし 解熱剤はだめ 。また、風邪がインフルエンザだった場合、 インフルエンザの薬は臨月の妊婦さんには使わない ことになっているため、あまり高い熱が出るようだったら再び相談、ということだった。
 また、その時点では 病院に行っても、他の赤ちゃんや妊婦さんにうつる可能性があるので隔離 になっちゃうからなるべく家で治して……という話。
 両親はすぐに病院に行かせたがるんだけれど、私としてはすでに知り尽くしている病院生活で、なるべく家に居たかったから先生にそう言ってもらえて本当に助かった。

 その後はとにかく水飲んでトイレ、を繰り返すツライ夜。寝たんだか起きてたんだかあまり覚えていないくらい苦しい夜だったけれど、とにかく ダーリンがずっと心配そうについててくれて 、痛いところをさすったり押したりしてくれたのだけはよく覚えている(*^-^*)。
 そのときも、押してもらうとすごく楽になったりしたから「これは来るべき陣痛のときにもきっと頼りになるなー」と、後で思い、感謝で涙(T∇T)。

 夜中に熱は38度を超え、もうろうとしてよくわからないまま年が明けたらしく、外では雪もちらほらしていたとかいないとか(^^;
 しかしインフルエンザではなかったのも幸い、また水をたくさん飲んで加湿し続けた甲斐もあって、高熱はそこで止まり、夜中も1時間ごとにフラフラしながらトイレに行ってるうちに明け方5時、 急に身体に力が戻る のを感じた。
 起きたときに足元のかんじが違う。今まではフワフワしたスポンジの上を歩いている感じがしたのが、床が硬く、木の感触を感じる。

 その後は、1.5人分のパワーなのかめざましい回復で、なんと一晩明けて、朝10時にはすっかり起きあがって歩き回れるくらいに回復してしまった。

 ベビちゃんもお腹で元気に動いているし、あんなに苦しかったのが ウソみたい に身体も動くし、咳も鼻水も残らない。まるで 通り雨のような発熱 だった。

 しかし、こうして熱を出してみて、 一つわかったことがある 。本来なら、39週で熱を出すなんて大変なことなんだけど、ちょっとよかったこと。それは、 「陣痛」 「風邪」 この二つの力が全く 相反する力 であることがわかったこと。
 たしかに、陣痛は痛くて苦しくて、大変な負担を妊婦に与えることなんだってことはわかっている。私なんてちょろっと訪れる前駆陣痛でその恐怖におののいていたくらい。だけど、風邪をひいて 肘から力が抜けていくのを感じた あのとき、ものすごくわかった。「風邪」は、私から気力を奪っていった。あのとき、すごい脱力感の中でもう どうでもいい…… っていうような気持にさせられた。
風邪は、とりついた人から力を奪い、隙あらば命までうばっていこうか という、恐ろしい力を持っている。それは、 産まれてこようとする力とは正反対 の、ものすごい マイナスの力

 だけど、今まで感じていた痛い痛いの前駆陣痛はそうじゃない。痛いんだけど、子宮の力強い収縮だとか、赤ちゃんがお腹を蹴り飛ばしているすごい生命力の力をまともにぶつけられた痛みであって、まったく 質が違う
 その違いをあのとき知って、「ああ、陣痛ってやっぱり 歓迎すべき痛み なんだ……」ということがわかった。
 陣痛って痛いと思う。きっと、こんな甘いこと言ってて~って後から 苦笑い するくらいな体験になるだろうけど、でも、痛くても身体に力が入るってことは、 生きるためのプラスのエネルギー が放出されてることなんだと思う。
 手足から力が抜けて、もうどうでもいいや……っていうくらい甘やかに気力まで抜いて、身体から力と命を奪っていこうとする「病」の力、これは本当に恐ろしいと思った。
 陣痛は死ぬほど痛いらしい。けれど、その痛みで死ぬ人はいないという。
 風邪は、日常にひくことがあって、すぐ治る。けれど、こじらせたら死ぬこともある。

 うーん、勉強になった。
 そして、暮れの人混みには要注意(笑)。 妊婦のお散歩は、家の周りで行いましょう(^^;

 なんだかえらい年越しになっちゃったけど、でもパンドラの箱から希望を見つけたみたいに(大げさ(笑))、なんだか陣痛ってものを、恐怖だけでなくプラスに考えられるようになった気がした。
 転んでもタダでは起きないっていうのはこのことだね♪♪





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Last updated  2003.01.03 16:44:41


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