南風一の世界

偶然にきみに会えたとして
きみの顔にはそばかすやしみがある
昔でも少しお尻が大きかった体形は
中年太りも加わっておばさんそのもの

俺が恋したきみは
そんな姿じゃなかった
そう叫んだところで
３５年後のきみの姿は
紛れもなくきみ以外の誰でもない

そのときようやく若かった俺が罹った恋というものの正体を
悟る
ありふれた少女の姿に地球と取り替えてでも構わないという思い入れ

そんな風に思う一時期というものが
確かにある

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