一般には、スマホの高機能化がこれからも続くように思われているかもしれませんが、これは端末メーカーにとって都合のいい進化、願望に過ぎません。そもそも、数100グラムもの重さがあって、すぐに電池を消耗する現在のスマホやタブレットを何台も持ち歩くのはわずらわしくはありせんか。私は理想のネット端末とは言えないと思います。
今後10年の間に、クラウド側であらゆる情報を処理する環境が整えば、端末が豊富な機能を持つ「リッチクライアント」の時代から、端末には限られた機能しか持たせない「シンクライアント」の時代へ大転換が起きると予想しています。スマホはクレジットカードのような薄さに、タブレット端末は下敷きぐらいの薄さになるのが理想的です。そうなれば、消費者は様々なサイズの端末をいくつも持ち歩き、状況に応じて使い分けるようになるはずです。今後、「ボックス(箱モノ)」よりも「ネットワーク」が力を持つことは明らかです。コンピューター産業における重要な経験則である「ムーアの法則」に従うとするならば、トランジスターのコストは毎年37%ずつしか低減しません。テレビに使うコンデンサーなどに比べればペースは早いものの、その程度です。
一方、通信規格の高速化などによって、ネットワークのコストは毎年60%ずつ低減しています。いくらスマホメーカーが努力して端末側の情報処理能力を高めたとしても、それを上回るペースでネットワークのコストが下がっていくのです。
ネットの世界で成長しようとするならば、スマホなどの端末側ではなく、クラウド側で情報を処理し、ネットワークコストの低減による恩恵を最大限に受けられるようなビジネスモデルを考えるべきだと思います。テレビやスマホ事業の不振が伝えられる日本の家電メーカーの再生のカギも、ここにあるのではないでしょうか。
出典: http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130125/242772/?P=2&nextArw
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