通信事業各社は成長鈍化に伴い、収益源の多角化を図っている昨今ですが、各社それぞれに違いが見られます。KDDI、ソフトバンクグループ、NTTグループ/NTTドコモについて詳しく見てみると通信政策上の規制が影を落としていることが見てとれます。
まず、KDDIでは、携帯通信事業が営業利益全体に占める割合は88%に達していてコア事業となっています。但し、売上高自体は減少傾向にありますが、最近ではマス向けの3M戦略の一環である「auスマートパス」が売上を下支えしています。さらに、料金回収代行やアプリケーションベンダーとの協業による事業拡大を目指していて、モバイルを中核に固定回線やコンテンツ等関連分野への拡大が進められています。他方、法人向けにデータセンター事業を推進し、海外でのエリア拡大やデータセンター事業とSI事業の連携を続けています。
ソフトバンクグループは、営業利益ベースでみて携帯通信事業が全体の64%、インターネット・カルチャー事業(主にヤフー)が23%と、この2事業がコアになっています。特に、後者の売上高営業利益率が53%(2011年度)と非常に高いのが特徴です。多角化戦略の中心は内外へのモバイル事業の拡大であり、日本国内の競争力拡充と米国への進出とを同時に展開しています。マス向け、法人向けともスマートフォン事業が多角化戦略の基軸となっていて、特にヤフーではPC向けからスマートフォン向けに事業をシフトし、iPhoneを中心に据えてスマートフォン関連事業を多角的に展開しています。
ここで、NTTグループ/NTTドコモの事業多角化を経営戦略から見てみると、固定系ではグローバル・クラウド、セキュリティ、Wi-Fiといった主として海外と法人への取り組みとなっているのに対し、NTTドコモの多角化戦略はコマース、金融・決済、メディカル・ヘルスケアなど8分野で売上げ1兆円を目指しています。NTTグループ全体の営業利益のうち72%を占めるNTTドコモでは、他の競合2社と比べて、マス向けで既存事業との関連性が比較的低い事業に進出することで新たな成長を狙っています。
出典: http://www.icr.co.jp/newsletter/report_tands/2013/s2013TS289_2.html
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