最近のゲーム産業に最も大きな影響を与えたのは、いうまでもなく米アップルのスマホ「iPhone」だ。iPhone登場の影響をもろに受けたのは任天堂である。任天堂は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と米マイクロソフトの高性能路線に背を向け、普段ゲームをしない層を取り込んでゲーム市場全体を広げる戦略をとっていた。「Wii」「ニンテンドーDS」というハードと、「Wiiフィット」「脳トレ」などユニークなソフトで、あまりゲームをしなかった層の取り込みに成功。操作が簡単で空いた時間に気軽に利用する「カジュアル・ゲーム」の世界を切り開いた。
だが、iPhoneアプリは、このカジュアル・ゲーム市場を一気に席巻し、任天堂の収益源だった携帯型ゲーム機市場に壊滅的なダメージを与えた。任天堂は「3DS」で対抗しようとしたが勢いは止められず、携帯型ゲーム機で遊ぶ子供の姿は街から消え、スーパーマリオはアングリーバードに変わっていった。
「普段ゲームをしない人向けの据え置きゲーム機」も存在感を失った。「Wii」後継機として発売した「Wii U」も惨たんたる結果に終わり、任天堂がゲーム機大手3社の中で最も不調に陥った。
動画配信の分野には、米グーグルも「クロームキャスト」と呼ぶ製品で7月に参入を表明した。コンテンツビジネスの巨人である米アマゾンも着実に準備を進めている。北米では、このようなインターネットを活用して放送革命を起こそうとする新しい勢力と、「各家庭まで引かれた同軸ケーブル」と称される分厚い参入障壁で守られていたケーブル業界との間での戦いの火ぶたがまさに切られようとしており、そこにゲーム機という枠を超えた話に発展してきている。
Xbox OneそのものをインターネットTVとして活用しようとするマイクロソフト、PS4とPSヴィータTVという2本立てで戦うSCE、そしてiPhoneをテコに据え置きゲーム機市場に侵食を試みるアップルという三つどもえの戦いに、さらにグーグルとアマゾンを加えた5社が、ゲーム業界、放送業界、そして家電業界をも巻き込んだ大きな戦いを繰り広げる時代になった。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXBZO59615230S3A910C1000000/
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