はかせのブログ

はかせのブログ

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

morton05

morton05

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

アスペル山ちゃん@ Re:ボクスターはもうすぐ一年(07/03) 昨年の3月より、朝の小学生の通学路の交通…
アスペル山ちゃん@ Re:バイクで知らなかった道を走る(06/08) 『海馬への刺激』のお話、興味深く拝読さ…
アスペル山ちゃん@ Re:仕事(05/09) 関西へのお仕事の往復に夜行高速バスを利…
アスペル山ちゃん@ Re:引っ越しの手続き(10/28) 千葉県への転居、順調に進んでおられるご…
通りすがり@ Re:スポーツの退屈な時間(04/04) 同感です。 第9なんて1曲で1時間以上も有…

Freepage List

2023.01.20
XML
カテゴリ: チェロ
ヴォルフの「モーツァルト最後の四年」という本を読んで以来、モーツァルトの晩年の室内楽を演奏するように務めてきた。弦楽三重奏曲は大分以前に演奏したし、弦楽四重奏曲も数年前に全部演奏している。クラリネット五重奏曲も同様だ。あとはピアノ三重奏曲と弦楽五重奏曲が残っていた。ピアノ三重奏曲は曲を決めるときにモーツァルトに誘導するようにして、すべての曲を演奏することができた。そして5年ほど前から弦楽五重奏のプロジェクトが始まった。ここではK.515から始めて、K.516, K.593と演奏してきて、昨日から最後のK.614の練習が始まった。
 モーツァルトの K つまりケッヘル番号はK.626(レクイエム)で終わりなので、K.600以後はモーツァルト最後の年である1791年だ。特別に扱われる曲が多い中で、この弦楽五重奏曲は演奏されることが少なく、CDもYouTubeも有名なK.515, K516に比べると驚くほど少ない。私も、今回モーツァルト最後の作品群に特別な関心を寄せるまではこのK.614を聴いたことがなかった。
 父のレコードやCDのコレクションを聴いて育ったので、モーツァルトの室内楽は演奏する前からしつこく聴いており、知らない曲は少ない。今回のK.614はモーツァルトの知らなかった曲を演奏するという非常に稀なケースになる。せっかくなので、最初の練習まで音源を聞かないように努力し、個人練習もあえてせず、合奏の練習で始めてパート譜を開いて初見で演奏するようにした。初めて聴く曲の衝撃を味わいたかったのだ。
 特に意識せずに聴いたらK.200番台くらいに感じるような、ハイドン的な整った感じがある。シンプルに聞こえる。だが、細部は後期独特の凝りに凝った作りだ。終楽章にはこのころのお約束でフーガが出てくるが、これはよくあるフーガっぽいというレベルではなく、かなり厳密だ。緩徐楽章では明らかに音がぶつかる箇所があり、耳障りの良いモーツァルトの音楽を逸脱している。チェロはこの頃の室内楽としては負担が軽い。古典的な支える仕事を担当する場面が多く、プロシア王の弦楽四重奏曲やK.515からK,593の弦楽五重奏曲で見られるような名人芸は要求されない。
 演奏していてとても良い曲だと思うが、聴いていると地味に感じられるのかもしれない。この曲もまた、一年ほどかけて練習し、どこかで本番ということになる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.01.20 16:51:37
コメント(0) | コメントを書く
[チェロ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: