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2022年01月28日
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カテゴリ: 病院
​​​​​​​​​​​​​​​おはようございます。



今日はMSWの仕事の一つ、 社会復帰援助」 について解説していこうと思います


公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会
(↑↑MSWの仕事が載っているので、興味のある方はクリックしてみてください)

1.療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
2.退院援助
3.社会復帰援助
4.受診・受療援助
5.経済的問題の解決、調整援助





1.社会とは

そもそも社会とは何でしょうか?


改めて考えたことも無いかもしれませんが、社会復帰を考えるうえでこの「社会」という概念を理解しておかなくてはいけません


「社会」とは複数名の人間が存在し、ある共通のルールや生活様式に則って生活をする集団 のことを指します(社会学でもまだはっきりとした結論はなく諸説あるようです)



「日本」も一つの社会ですし、私の住んでいる「北海道」も一つの社会と捉えられます


共通項は言語でもあるし、住所地と言う事も言えます



もう少し狭い範囲で言うとあなたが通っている学校やクラス、勤めている会社や部署も一つの社会ですし、働いている人を総称して「社会人」という呼び方もします



また趣味でやっているサークルや部活動等も全て社会です



他にも共通のユーチューバーのファン、SNS上の繋がり等直接会う事の無い人たちであっても今の時代なら社会は成立します




つまり複数の人たちが何かしらの目的や共通の何かを持っていればそこに社会は存在し、 「社会」と「人間」は切っても切れない関係にある と言えるでしょう



2.MSW業務としての社会復帰援助とは



ここからはMSW業務としての社会復帰援助を考えていきます







ここで言う 社会復帰援助とは復学や復職 を指します



長期間の入院や治療で長らく学校や仕事へ通えていなかったり、病気や障害の影響で復帰するにしても何かしらの配慮が必要になったり、学校や職場との打ち合わせや調整が必要になることがあります



例えば、復学であれば

・体力が低下しており授業の30分おきに5分程度の休憩が必要



・体調面での観察ポイントや注意点を伝える 等



復職であれば

・病気で重たい荷物を持てなくなったので、仕事の内容をデスクワークに変えてもらう

・抗がん剤等で定期的な通院や急な体調不良で休みが取れるように休みが取れやすい環境を整えられないか相談する

・業務での制限や配慮(屋外での仕事は15分まで、車の運転はしない、5キロ以上のものは持たない等)を職場の担当者とやり取りをする 等



大事なポイントとしては病気や障害があっても働き続けられるように患者の不安を軽減させるのと伴に、受け入れてくれる職場や学校側の不安も軽減することです



つまり社会復帰援助とはMSWが患者の希望を聞きつつ職場(学校)と病院の橋渡しを行うこと です




社会復帰援助の楽しいところは、病院というフィールドを飛び出してより地域と関われること、「患者」としての本人だけではなく一人の人間として「仕事や学校」へ通っている時の本人の様子を見ることが出来ること、普段かかわることのない色々な仕事や学校のことを教えてもらえることです



ソーシャルワーク全般で言えることですが、他人の人生を追体験出来て、自分一人の限られた時間や人生の中だけでは到底体験できないような人の生き方や人間関係を知ることが出来ることは、最高に知的好奇心をくすぐられます


これがMSWとしての最大の魅力ではないかと個人的には思っています



3.治療と就労の両立支援



最近のMSWの業務トレンドとも言っていいかもしれませんが、治療と就労(仕事)の両立支援というものがあります



厚生労働省から病気になっても仕事を続けられるように、医療機関と企業がもっと連携していきましょうと通達を出して治療と仕事の両立支援という新たな取り組みを打ち出したのがH28です
(私はH30に両立支援コーディネーターの受講)

厚生労働省 治療と仕事 両立支援のためのガイドライン



最初はがんだけが対象の疾患として始まりましたが、そこからがん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などへ対象疾患も増えてきました
(私の働いている病院では疾患は定めずに、対象外の疾患は自費の診断書を作成することで対応しています)



この取り組みが始まった背景には少子高齢化による労働人口の低下や、医療技術の向上により病気になっても一定のADLを確保することが出来るようになったこと等が挙げられます



高齢化に伴って 労働者は減ってているが若い世代の人口は減っているので、高齢者を支えるためにも働いてほしいけど働ける若い人が少ない というのが日本の現状です



そこで政府が目を付けているのは 外国人労働者 まだ働きたいと思っている高齢者​ 病気になって仕事を続けたいのに辞めていた人達 です




若い人が増えないのであれば外から来てもらうか、今いる人たちの中で働ける人に働いてもらうしかないというのが国の考えで



定年退職の年齢を遅らせているのも、外国人技能実習生と言って東南アジア等から働きたい人を呼び込んでいるのも、治療と仕事の両立支援として病気になっても働けるように環境を整えようとしているのもとにかく労働者人口を増やしたいためです(働く人が増えないと経済も社会保障も弱体化してしまいます)




この両立支援では医療機関だけではなく、企業にもコーディネーターを置いて相互に情報交換をしやすくしようと言う狙いがあります



そのため医療機関は労働基準法や会社の労務規定などを理解して、企業側は病気に対する基礎知識等を学べるようなカリキュラムとなっています



MSWとしての具体的な取り組みとしては仕事をしている若い世代の方が病気で入院や通院をして、仕事へ戻ることが不安であったり会社へ上手く伝えられない度の心配があった時に患者と面談を行います



そこで業務内容や仕事復帰への不安、思いなどを聞き取って会社側から労働時間や休業規定、業務内容等の情報収集を行います



そして医師とも相談し、仕事へ復帰する際の条件や注意点を書面で会社へ情報提供します



病院からの情報提供を基に必要であればMSWと職場の担当者で連絡を取り合うなどの配慮も必要です



実際に仕事を始めてから再度面談を行い、実際に働いてみての感想や再度考慮してほしい部分などを打ち合わせて医師や職場と共有していきます



このフィードバックを行いながらMSWの介入が不要となったところで援助は終結となります



これまで病気になったことをきっかけに「働きたいけど会社の理解も得られず働けなかった」人たちを支援しようと言うのがこの両立支援の最大の目的です



「病気だろうがなんだろうが働きなさい」という労働を強いるものでは無いので、病気になっても働く意欲のある方はぜひ知っておいてもらって損は無い内容だと思います


*まとめ*

社会とは共通の思考やルールを持った複数名の集団が作るコミュニティのことを言う


国、宗教、市町村、学校、サークル、会社、SNS上などあらゆる「社会」が存在する


MSWの行う社会復帰援助とは主に復学、復職の支援を行うこと


治療終了まで長い期間を要した人、もしくは治療を続けながらの通学や就職を支援する


最近のMSWのホットワードの一つとして治療と就労(仕事)の両立支援が挙げられる


MSWは労務管理について学び、企業(職場)は治療について学び、治療をしながらでも仕事を続けていけるように相互連携を図る動きが今後ももっと加速していく



主役は患者本人ですが、支える役割としてMSWが支援の中心を担うことになるのは明らかだと思います


人生100年時代&少子化によりどうやったって労働者は減っていくので、少しでも労働力を確保できるように今後も病気になっても働きたい人を支える環境整備は重要な役割になると思います​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2022年01月29日 23時04分57秒
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