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2009.10.01
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テーマ: 鉄道雑談(1639)
カテゴリ: 東武電車の話

皆様、こんばんは。今日から10月ですが、いかがお過ごしでしょうか。
それでは本日も 「東武特急歴史の旅」 へ出かける事にしましょう。

さて、お待たせ致しました!東武鉄道が誇る 「私鉄特急の女王」 とも言うべき 「DRC(デラックス・ロマンスカー)」 へご案内致します。ボンネット部分は、当時の流行車・セドリックを意識したのだと一説には言われています。 




シートは特殊な組合せバネと高級ホームラバーを使用した詰物と、コロラドオレンジ色の段織モケットを使用した、座り心地よいリクライニングシートです。肘掛の先にあるボタンを引き上げる事によって、背ずりを17度、24.5度、32度の3段階に変えることができます。これは当時の国鉄の特ロ (特別2等車、現在のグリーン車に相当) も顔負けの豪華なシートです。フットレスト (足置き) は、後年になって付けられたものです。

(水飲み器) がありました。また 「DRC(デラックス・ロマンスカー)」 はシートサービスが基本でしたので、立食のスペースは基本的にありませんでした。

4号車の3分の1を占めているのが 「DRC(デラックス・ロマンスカー)」 自慢の 「サロンルーム」 です。200曲分のレコードが収納されたジューク・ボックスがあり、回転椅子が8脚あります。回転椅子は割合簡素に作られていますが、それには理由があります。それは 「単独のお客様の長居」 を避けるためです。あまり座り心地よく作ってしまいますと、特定のお客様だけがそのサロンに居座り、他のお客様が使えなくなるのでは、という配慮からだそうです。

「音楽の自動販売機」 ジュークボックスです。

また初期車の1720型と1730型には、列車電話を設ける予定で電話室も設置されましたが、法的な規制や技術的な問題から実用化されず、結局は撤去されました。

その他にも、客室扉はフットスイッチによる 「マジック・ドア(自動ドア)」 で、これも当時としてはたいへん画期的なものでした。もちろん、国鉄にもこのような設備はありませんでした。洗面室には、足踏み式のエアータオル (手の乾燥機) が設置され、これも私鉄特急としては画期的なものでした。

その後、スピードアップのための試運転が何度も繰り返され、昭和37年9月22日には待望の時速110km運転を実現し、浅草~東武日光間を1時間46分で結ぶようになりました。これもターミナルの立地条件と列車種別の違い、という2つのネックを何とかカバーし、国鉄の157形準急 「日光」

1964年 (昭和39年) 、東京五輪が開催されました。すると多くの外国人観光客が、国際的観光地である日光・鬼怒川を訪れる事は確実である、と予想されました。かねてから外国人利用客へのサービス向上を考えていた東武鉄道では、その年の3月19日から特急列車に英語が堪能なスチュワーデスを乗務させる事を決定しました。業務は旅行部門の全日本観光 (現在の東武トラベル) に委託され、上下各4本ずつの列車に乗務しました。

このスチュワーデス乗務の目的は 「英会話を身につけたスチュワーデスによる細やかな接客サービスを提供する」 ことでした。彼女らの業務は主に外国人観光客のための車内放送、各種案内で、女性ならではのソフトな接客を行い、車掌をサポートする役割を果たす事にありました。このスチュワーデスは後に 「アテンダント」 「スペーシア」 になってからも引き継がれましたが、惜しくも平成15年3月28日をもって彼女らの乗務は廃止されました。

また全日本観光では、外国人ツアー 「ジャパノラマ」 を実施しており、スチュワーデスはそのガイド役でもありました。都内のホテルからのバスに乗務して案内し、そのまま特急列車で日光へ。更に日光での観光バスに乗務して再び帰京、というそれはもう結構大変な業務でした。昭和44年3月からは、他に浅草駅と東武日光駅の駅放送業務の一部も担当しました。

ちなみにスチュワーデス乗務前の、外国人向け英語アナウンスは、乗務員室のプレーヤーからソノシートで流していたそうです。このツアー客は当初 「サロンルーム」 のある4号車を利用していましたが、後に日光寄り1号車が 「禁煙車」 になったこともあって、そちらを利用するようになりました。

昭和36年には第2次車・1730型、昭和38年には第3次車・1740型が登場しました。1730形が登場した時、DRC特急の愛称に 「さち」 号(下り・上りとも)と 「たかはら」 号(上り便のみ)が加わりました。

このような強敵が登場し、国鉄日光線はどんな状況だったのでしょうか。1961年 (昭和36年) のダイヤ改正で多少の時刻変更はありましたが、この時点ではまだ 「国鉄優位」 でありました。

しかし1963年 (昭和38年) 4月20日のダイヤ改正は、157形電車の運用に大きな動きを起こしました。それは東海道新幹線開通前の東海道本線の輸送需要の改善のため、東京~大阪間の不定期特急 「ひびき」 号を、定期特急に格上げしたのです。この列車は1959年 (昭和34年) 11月21日に当時、指定席がなかなか確保できなかった東海道特急 「こだま」 号、 「つばめ」 号を補完するため、予備の157形を使って運転されたものです。但し冷房設備が無かったため、夏のシーズンに限り100円引きの 「割引特急料金」 が設定されていました。今考えてみたら、何とも羨ましい話ですね。また、長距離を走るという事もあって食堂車の無い分、モハ156の売店はフル回転状態でした。

この特急 「ひびき」 号に転用のため、157形の7両編成2本には後に冷房装置を設置しました。また 「なすの」 号、 「中禅寺」 号、 「湘南日光」 号は急行型の165形電車に車種が変更されました。しかし、いくら新車とはいえ固定式のボックスシート、しかも1等車 (グリーン車) なしのモノクラス化ですから、サービスダウンは否めないところでした。

それでも東京五輪の期間中である10月3日~28日の間、横浜~日光間に臨時準急「特別日光」号が運転されました。これが事実上、 「日光線優等列車黄金時代」 の最後でした。その4日後の11月1日から157系13両1編成は、東京~伊豆急下田・修善寺間の急行 「伊豆」 号2往復に転用されました。それでも準急 「日光」 だけはしぶとく、田町電車区の157形で生き残りました。

1966年 (昭和41年) 、国鉄の運賃・料金の改定が行われました。この時、100km以上の区間を運転する準急列車は急行列車へ格上げとなりました。すなわち 「準急列車」 の全廃でした。その後、1968年 (昭和43年) 10月1日のダイヤ改正で日光線系統の急行列車は 「日光」 号に統一されました。これで 「日光」 号は4往復となったのですが、157形が使用されるのは下り3号と上り2号のみで、後は165形電車での運転となりました。

1969年 (昭和44年) 4月25日、東海道新幹線に三島駅が開業しました。これに伴って急行 「伊豆」 号の特急格上げが実現し、157型特急 「あまぎ」 号が誕生しました。
しかしながらその反面、急行 「日光」 号から157型は完全撤退となったのです。157形が颯爽と登場してから10年で “日光型電車” は、日光線から消え去りました。同時にこれは、 「日光線優等列車黄金時代」 の終わりを告げるものでした。

長かった 「日光誘客戦争」 は、 「DRC(デラックス・ロマンスカー)」 を導入した東武鉄道側の大勝利で終わったのです。

その後の東武特急 「DRC(デラックス・ロマンスカー)」 の話は、また次回をお楽しみに。


東武デラックスロマンスカー


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最終更新日  2009.10.01 20:46:31
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