全29件 (29件中 1-29件目)
1
先週の仕事で、けっこうダメージを受けていたようで、昨日も今日も、さほど体調がよくない。疲れているくせに、眠れない。この状態は、疲労を引きずるから、大変よくない。明日から仕事だし、今日はとっとと早く寝ることにする。 引っ越しの準備に取りかかっているのも、気疲れしている一因かも知れない。引っ越しまでのスケジュールを組んで、今週後半に家探しに行くための切符を手配したり、メールで上司と相談したり、引っ越しの諸手続をリストアップして、書き出して一覧表にして。そういった手際は、引っ越し慣れしているものだから、慌てることもない。簡単にささっとできてしまうものである。 でも、スケジュールが一部確定していないところが、若干の不安を呼ぶ。肝心の引っ越しの日程は、会社からまだ指示がないし、それが決まらないことには、なんだか宙ぶらりんで、目標地点が定まらないもどかしさがある。さっさと決めてくれればいいものを。 不安だから、いろいろ考えてしまう。だから、頭が休まらない。そういうわけで、ぐっすり眠ることができなくて、なんとなくぼーっとした、寝不足の中途半端な気分で、今のうちにできることや、各種問い合わせなどを、ごそごそやっている。 引っ越しが済むまで、こんな中途半端な状態、続くのだろうな。引っ越しして得をした、という経験もなくて、会社から引っ越し手当は出るけど、それでまかなえないくらい出費が多くなるのが実情だ。・・・あれ? 転勤手当、出るのかな? 今回のは、ただの転勤ではなくて、子会社に出向している状態から、その子会社に移籍し、別の事業所が新任地になる。あ、だから、移籍先の子会社が、現住所から新任地までの旅費や引っ越し費用などを出すんだな、きっと。 ま、どーせ足りないけどね。移籍だから、退職金が出るし、貧乏になることはないけど。引っ越し費用、足は出るよな、きっと。
2004年02月29日
コメント(0)
今さら、などと言わないこと。昨今のコミック完全版出版戦略にまんまとハマってしまったのだ。ただし、完全版はこれしか買ってない。オリジナルの単行本を買った方が、たいてい安いから。 『こどちゃ』は、最初にDVDを勧められて、見た。明るいノリの、軽快なギャグで、けっこう気に入ったのだが、なんせ本数多い。24巻ある。48話、丸1年の放送だったのだろう。とてもじゃないが、全部見るのは時間的に厳しい。そこで、途中で挫折したとき、コミックで完全版の発売が始まった。続きは気になっていたから、つい、買ってしまったのだ。 連載は、10年近く前になる。その頃は『パタリロ!』以外の少女コミックなど見向きもしなかったから、存在すら知らなかった。アニメの放送も知らなかった。で、最近になってDVDを見、コミックを読んで、なかなかユニークで面白い作品だと認識した。 小学校6年生、少女タレント倉田紗南が主人公。この子が、底抜けに明るい。母は小説家。このキャラも濃い。頭でリスを飼う(絵を見なきゃわからんだろうな)人。マネージャーも同居。学校の友達など、キャラの配分は完璧にギャグマンガなのだが、それぞれが背負っている人生が重い。紗南本人、捨て子。引き取った母は、それを本人に告げ、劇団に入れる。有名になって、捨てた親を名乗り出させるために。 他にも、学級崩壊、いじめ、羽山秋人(後の紗南のBF)の問題行動、家庭崩壊。倉田家の破産と復活。精神的な病。中3になるまでの、重い人生を、あくまで明るくギャグを交えて語っていく。なんなんだ、このマンガは。これが、読んだ実感である。読んで笑って、後で考えると、重い。作者がひねくれてるんだな。きっと。 でも、面白いですよ。
2004年02月28日
コメント(0)
三月に、引っ越しをしなければならない。まだ内示の段階だが、北関東から大阪に転勤することになっている。だから、いま住んでいるアパートを引き払って、出ていかねばならない。 入社して、丸十六年になる。その間、今度で六度目の転勤で、そのうち一度は近所の事業所だから引っ越しなしで、結局、入社以来の引っ越しは、五回を数える。平均すると、三年と少しのうちに一回、引っ越しをしている勘定になる。我が事ながら、多いと思う。所帯を持っていたなら、さぞかし大変だったろう。幸か不幸か独り身で、泣く泣く別れる彼女もいない。一人の男としては威張れたものじゃないが、こうやって転勤命令が出たときには、後くされがなくて動きやすい。 こちらに友人もできて、別れるのは淋しい。しかし、京都育ちだから、大阪は地元みたいなもので、学生時代からの友達も住んでいて、引っ越し先への不安などは一切ない。あるとすれば、健康上の問題と仕事上の問題で、仕事のストレスで体を壊したのだから、仕事と健康はリンクしている。転勤先で新しい仕事に就いて、無事にこなせるかどうか、それが不安ではある。 とは言っても、もう転勤と引っ越しは決定事項なのだから、感傷や先の不安は棚に上げて、現実に目を向けなければならない。独り身で動きやすい、ということは、引っ越し作業もすべて自分でやらなければならない。 まず、一番大きな問題は、荷造りだろう。一人で荷造りをするというのは、なかなかに面倒である。しかし、今まで引っ越しを繰り返してきたから、それなりに知恵がついていて、ここに引っ越してきたときに、すべての荷ほどきをしていない。使うときに、使うものだけを段ボール箱から出して使う。それで結局、ここに住んだ四年間、一度も使わなかった物があって、それらはもう、段ボール箱にふたをすれば、そのまま発送できる。また、電気機器類の梱包はそのまま取ってあるから、これもそこに詰めるだけで済む。 しかし、買って増えている物もある。衣類と本、ビデオにDVDなどのソフト類である。これらが、無造作に積み上げてある。これを荷造りするのは、ちょっと大変だと思う。だから、荷造りをする前に、今のうちから、荷物を減らすことを考えよう。 まず、衣類。トレーナーにシャツやパンツ、靴下など、着古してよれよれになっていたり色があせている物は、思い切って処分しよう。新品を先頭に、新しく見える順番に並べて、必要枚数以下のものはばっさり処分する。タオルやハンカチ類も同様。特に靴下やタオル、ハンカチなんかは、お祝い返しでたくさん新品がある。新しい生活を、新しい下着やタオルでスタートするのもいいだろう。スーツにワイシャツは、変色や傷みがあれば処分。こればっかりは、通勤に使うから、いくらあっても足りることはない。 ついでに、使い古しのクッションも処分しよう。どう頑張っても弾力が戻らないものは、お役御免。中綿がはみ出しているこたつ敷きも、引退させよう。 次に、本。表紙を見て、もう一度読みたい、と思わないものは、勢いで一気に売ってしまおう。こんな機会でないと、蔵書全部をふるいにかけて処分することなどできない。思い切って、読まない本はばっさり売ろう。それに、CD、ビデオ、DVDもそうである。思い切って、処分、処分。 それでも、かなりの量の荷物が残る。引っ越し先が、広い部屋だといいが、会社の借り上げ社宅になるので、家賃の上限額が決められている。そこがつらいところである。 引っ越し荷物が片づいたら、今度は手続き関係が待っている。まず、病院。大阪の医者に移るのに、紹介状を書いてもらわねばならない。そして、公費負担の打ち切りの手続きも要る。それに、こっちでの仕事は、出張が多かったから、JR東日本のカードを作っている。これの退会手続きをしなければならない。電気、ガス、水道、NHK、新聞。すべて断って、精算する。 それで、引っ越したら引っ越したで、電気、ガス、水道、NHK、新聞の手配、生命保険、銀行やカード類、ユーザー登録やネットで会員になっているサイトなど、住所登録をしている機関などへの住所変更手続きなど、荷ほどきをする間もなく、諸手続が必要になる。もちろん、役所への届けは必須。 掃除もしなきゃいけないなあ。あーあ。考えると、ちっとも身軽じゃない。やっぱり誰か、手伝ってもらえませんか。 (了)
2004年02月27日
コメント(2)
本当に、もう。気忙しいことおびただしい。 転勤の内示があって、できるだけ早めに引っ越し・移動するよう準備せよ、というお達しが、会社のトップから言われている。このことは、当然部長以上の上層部は知っており、直属の部長と、事務部が引っ越し先の借り上げ社宅の契約やスケジュール管理、引っ越し業者の手配などを取り仕切るから、事務部の部長とも相談しながら、準備を進めている。 しかし、まだ公表はされていない。私が転勤することは、もう公然の秘密みたいなものだから、知らない人の方が多いのだが、しかし、公表前に、おおっぴらに準備をすることはできない。皆に隠れてこっそりと、もしくは自宅に帰ってから、転勤先の引っ越し業者と連絡を取り、住宅物件の情報を検討している。そして、下見のスケジュールなどの調整をしなければならない。自宅にいるなら、それも楽なものだが、就業時間中は何もできない、となると、ツライ。 5時に仕事が終わる。帰るのに20分、スーパーへ買い物に寄り道するから、自宅に戻るのは6時くらいになる。それから、買ってきたものを片付けて、不動産業者と連絡を取る。下見に行く日取りの打ち合わせをして、それから風呂に入って、ご飯を食べつつ、メールチェックとサイトの巡回をする。ここでようやく、日記を書き始めることができる。 そして、仕事の前日は、病気の都合で夜更かしができないから、10時には寝なければならない。ああ、自分の時間がほとんど無いぞ。 転勤したら、もっと楽になるかなあ。いや、厳しくなるだろうなあ。たぶん。
2004年02月26日
コメント(2)
今日は給料日。給料明細を、事務の人からもらった。給料明細を手にするのは、正確には、2年前の7月までもらっていたが、3月から有給、使い切った時点で欠勤に切り替わっており、その間は出勤0日で、規定の給料をもらっていた。出勤して、給料をもらったのは、ほぼ2年ぶりである。 明細を手に取ると、思わず「2年ぶりの給料~」と声に出していて、まわりの人に笑われた。「感激の一瞬ですね」などとちゃかされて、それでもやっぱり嬉しかった。まだ試験出勤で、フル稼働してなくて、上司の「のんびりやれ。体を仕事に慣らすのが優先」という暖かいお言葉に甘えて、実務はほんの少ししかしていないけど、働いて稼いだ金に違いはない。復帰して1ヶ月と少し、ここまで来るのが長かった。 まだ、本調子ではない。電話の応対など、まだまごつく。瞬時の判断というか、とっさの機転が、まだまわらない。 ただ、日々、仕事していたときの感覚が、少しずつ戻ってきているような気がする。与えられた仕事をゆっくりこなす、それだけでなく、ユーザートラブル報告のメールが回覧されたとき、アドバイスのメールを送って、それが役に立ったらしい。自分は、やはりトラブルシュートをしているときが楽しい。そういう感覚も、徐々に思い出してきた。 復職への道、まだ遠し。完全復帰の道は、まだ見えない。それでも、上層部の好意に感謝しつつ、できることをこつこつやっていこう。
2004年02月25日
コメント(1)
また四コマ。基本的に、四コママンガの、起承転結のテンポが好きなのだ。最後の一コマで意表をつかれる快感。四コマのオチは、やはり意外性がないと面白くない。 本作は、月刊誌に連載中。主人公・夏乃陽子は営業職。ただし、何を売っているのか分からない。とにかく、セールスウーマンである。背が低く小柄な女性で、声も小さい。フキダシを使わず、小さな文字で喋っている。当然、そのままでは目立たない。しかし、態度がでかい。心臓も強い。バイタリティの塊で、フットワークも軽く、未訪問の会社への飛び込みセールスにもどんどん出かけ、課内トップの営業成績を誇る。根性はすごい。 夏乃の営業スタイルは「強引」。ま、ありがちなネーミング(強引とゴーイングをかけてある)であるが、この人の「強引」は、一般人の規格から外れている。声をかけても、声が小さくて聞こえないから、相手に肩からドンッ、とぶつかっていく。文字通り「体当たり」の営業なのだ。反面、デスクワークが嫌い。体を動かしていないといらいらする。当然処理する書類を溜め、課長に怒鳴られているが、負けず嫌いで、丁々発止の攻防を見せる。こっちでも、一般人の規格から外れている。 作者・たかの宗美の描く四コマには、規格外の女性を主人公にした作品が多い。超巨乳ナースとか。超完璧な派遣社員とか。手が早すぎて家事がさっさと終わってしまい、暇をもてあます専業主婦とか。何もかもが、規格外なのだ。 こういう人物を動かすと、こちらは意表をつかれ、笑いにつながる。いねーよ、こんな奴、と言いながら笑ってしまうのだ。 むかつく上司の下で働くOLには、オススメである。たぶん、溜飲が下がるだろう。
2004年02月24日
コメント(0)
石田衣良。人気作家の一人、だろうか。『池袋ウエストゲートパーク』シリーズでお馴染みの、といえば、本屋によく行く人なら、ああ、あの、と思い浮かぶであろう。 ところが、実は私、『池袋……』シリーズは読んだこと無いのである。どちらかというと、苦手なジャンルだな、と思ったもので。だから、石田衣良の作品で読んだのは、『14-フォーティーン-』だけである。買って積んでおいたら、直木賞を取ってしまった。で、あわてて読んだものだ。 本作は、装丁からして、今までどちらかというと黄色とか、明るい色を使っていたのに、真っ黒。赤で、表題と作者名、心臓をかたどったイラストが描いてある。見事に、おどろおどろしい。 内容は、短編連作だが、すべての表題が英語、「LAST ~」という単語をかぶせてある。最後。人生の、落伍して堕ちて、最後の最後まで追いつめられた人生を、7編集めてある。借金地獄に足を突っ込んで、闇金に沈んで二進も三進も行かなくなった男。車いす生活の男性相手に体を売る、カード地獄にはまったセレブな若奥さん。その他、その他。あんまり言うと、読む楽しみが無くなるから、これくらいで。 一貫して言えることは、とにかくブラック、後味の悪い短編ばかりである、ということだ。それでも最後まで読ませる作者の力はすごいと思う。 で、同様の本が出たら? 買わないね、たぶん。後味の悪い、奥歯で砂を噛むような読後感を、金を払ってまで味わいたくないよ。
2004年02月23日
コメント(0)
今日は、日曜日。関東は、間違って桜が咲くんじゃないか、というくらいに暖かかった。昼間はこたつのスイッチを切って、綿入れ半纏を脱いで、すっかり冬の装いを横に置いて、暖かさを楽しんだ。 やることはたくさんある。来月には引っ越し。引っ越し先も決めねばならず、何度か現地に行かねばならない。落ち着いてここにいられるのも、あと一週間くらいである。その間に、本も読みたい、小説も書きたい、エッセイも書きたい。片づけや、処分をそろそろ始めたいし、家探しの情報も集めたい。見たいDVDも溜まっている。 でも、この春の陽気に優しく包まれて、落ち着いて考えてみると、自分が今、一番先にやらなければならないことが分かった。それを、昼から夕方まで、たっぷり時間を取ってやった。 4時間近く、何も気にせず、昼寝をした。熟睡とは行かず、眠りは浅かったが、陽気に守られるように、心地よくうとうとと眠った。そう、ここまでの疲れ、職場復帰約1ヶ月の疲れを癒して、明日からまた働いたり用事をこなしたりする鋭気、気力を養うことが、今日の時点の私に一番大切なことだった。 最初、分からなかった。引っ越しが決まって、変にテンションが上がっているせいで、やりたいことに目が向いて、時間を活用することだけを考えていた。ところが、心地よい陽気に包まれて、気分がリラックスすると、自分が思っていた以上に、体が疲れていた。迷わず、昼寝。夕方に起きたとき、体が軽かった。一見、何の進展もないようで、でも、充実した一日になった。休息、自分で思っている以上に、大事なことらしい。
2004年02月22日
コメント(0)
処分し損ねて、そのままずるずる押し入れに眠っていたのがある。気にはなっていたのだが、捨てるのはもったいない。かと言って、自分で持っていても使い道に困る物である。せめて買ってくれるところがあればいくらかになるだろうから、町を歩くときに気をつけて、質屋の看板があれば覚えておこうと思っていた。しかし、どこをどう歩いても、質屋の看板どころか、電柱の広告ですら見かけない。どうなっているのかなあ、どこに隠れているのかなあ、と思いつつ、時間だけが過ぎていった。 今日、とうとう思い切って、電話帳で探そうと思った。ある、質屋の項目がある。しかし、近所にないなーと思いつつ一軒ずつ見ていくと、質屋の欄が終わった。 そうだ、質屋じゃない、リサイクルショップであるだろう、と考えて、電話帳の後ろの方を開いた。そうしたら、欄はあった。あったが、リサイクルブティックや、産廃業者がずらりと並んでいて、処分したい物を扱ってくれる店がない。 信じられなかった。確かに都心じゃないけど、人口数万人の「市」で、古くからの街道筋にある町で、中心部を歩くと、現役らしい倉や、明治期の建物なんかもあるような、いにしえの残り香が漂っている町なのだ。古いガラスがはまった向こうに、雑然といろいろ並んでいて、その隣に大きなのれんに「質」と染め抜いている店が、どこにあっても似合いそうなものなのに。 業を煮やして、NTTのハローダイヤルに聞いてみた。「この市で、質屋さんを教えて下さい」「はい・・・あの、質屋さんでご登録いただいているお店はないんですけど・・・」絶句。市に、一軒も質屋がない! 仕方なく、電車に乗って、質屋がある街まで行ってきた。往復800円。それを質屋に行って、買い取り価格に500円上乗せしてもらった。もったいないなー。
2004年02月21日
コメント(0)
近所に、大きな書店がない。 小さな書店なら、何軒かある。個人経営の書店があれば、郊外型の、本の横で文具も売っているようなチェーン店もあるし、レンタルCDの横で雑誌やコミックを並べている店もある。しかし、だいたい、そういう書店は、回転のいい雑誌やコミックが中心か、売り場の半分がエロ本だったりして、品揃えが非常に偏っている。 私が買いたい本は、小説やエッセイといった文芸書の、単行本や文庫本、書き物の資料や解説書、それにコミックの単行本あたりである。それも、売れ行きの悪い本の中に、好みの本が多い。私も偏っているが、近くの書店の偏り具合とは、たいてい一致しない。 私が本を買うときは、新聞広告や書評などで目についた本、お気に入りの作家の新刊といった、お目当ての本を探しに書店に行く場合もあるが、本当は、ずらりと並ぶ書棚の間を、じっくり時間をかけて見て回り、そこで出会った本を買い込むのが好きなのだ。ところが、近所の書店では、文芸書や文庫本の棚は、五分もあれば見終わってしまう。ずらりと並ぶ書棚の中をうろうろして、本を手にとり、買おうかどうしようか悩む、そういったことができないのが悲しい。 病気で休職中だった私は、大きな書店のある大都会にも行けず、欲求不満が溜まっていた。そこへ、インターネットで本を販売しているサイトを知った。いわゆるネット書店である。ここには、実に多くの在庫があり、出版社のアオリ文を読んで、良さそうだなと思うと、購入する。何度か買うと、書店側でこちらの好みを分析して、お薦め本を並べてくれる。好きな本が探しやすいし、検索も楽。発刊予定の本も、予約注文できる。実に便利で、大きな書店で本棚の間を歩くのと同じくらいの快感を得た。 休職中だから、時間はたっぷりある。だから、読書に勤しむべく、面白そうなのは片っ端から注文して、読みふけった。他に道楽がないから、本の買いすぎで金に困ることもない。気になった本は、どんどん買った。そのうち、部屋の中に、本の山ができた。 読んだ本は古本屋に売るから、本の山が高くなる一方というわけではない。ある程度読んで、売ったころに、新しい本が届く。そうして回転していた。 しかし最近、困ったことになった。病気が、治ってはいないけれども、安定した状態になったと診断され、復職することになった。今は試験出勤の扱いだが、出勤はしなければならない。出勤して、デスクに座ったら、小説など読んでいいわけがない。本を読む時間が、相当減ってしまった。 本を読む時間が少ないから、未読の本が溜まる。読まないうちに、新しい本が届いてしまう。本の山は高くなって、そこへまた、予約していた本が届く。未読の本の山が、高くなる一方である。 本は平積みにしているのだが、本は真っ平らなものではない。積んでいくと背表紙の側に傾いてくる。同時に、帯がある本が多いから、本の天の側にも傾いていく。平積みにした本は、実に不安定なものなのである。 そこを、重心のバランスを取って積んでいく。場所に限りがあるから、いろいろ工夫をして積んで、さてこれでいいかと思ったら、また新しい本が届く。先入れ先出しで読んでいるが、いくら読んでも追いつかない。ついに、どさどさ、と音がして、本の雪崩が起きた。本が傷んでいないか様子を見ながら、また、今度はもっと安定するように積む。だが、山を支えていた手を離すと、微妙に左右に揺れる。雪崩を起こさぬよう、祈りながら、別の山を積んでいく。 今、地震が起きたら、この部屋の中は相当な惨状になるだろう。歩くのも抜き足差し足で、本の雪崩が起こらないように、静かに暮らす毎日である。 早く読まなきゃ。いや、買うのを控えるのが先か。そう思いつつ、また今夜も、ネット書店にアクセスしている。私の部屋の雪崩注意報は、当分解除できそうにないようだ。 (了)
2004年02月20日
コメント(0)
仕事を終えて、帰ってきた。晩飯を食った。メールチェックをして、すべて広告メールだったのにがっかりして、さて、日記を書こうとして、今、キーボードを叩いている。 いつもなら、あれを日記に書こうか、これを書こうか、帰る間に考えたりするのだが、今日は、なあんにも考えてない。こういうことも珍しい。 そりゃあ、一日過ごしたのだから、何か起こっているし、書くネタもあるはずなのだが、頭が何にも働いていない。なんだか、ぐったり疲れているのだ。 昨日のことをまだ引きずっている。というか、昨日、ゆっくり休息を取れなかったのが痛い。疲れを引きずって、その上に、また今日一日分の疲れが乗っかった。帰り道の車の運転は、わりとスムーズだったので、無事に帰ってきたが、なんだか体が重い感じがする。寝たい、けど、目が冴えて、頭がしゃっきりして眠くない。こういう状態が、一番タチが悪い。熟睡できないのだ。 熟睡は大事だ。今の私の病気には、寝不足は大敵で、体調を悪くする、下手をすれば発作を起こす原因になる。リラックスできていない今の状態は、実にマズイのだ。 さて、寝るまで数時間、リラックスできるか。やらねばならないこと、雑用が結構あるのだ。 あ、はーい。今行きますー。宅配便が届いたので、取ってきます。たぶん、ネット書店に注文した本が届いたんだろう。
2004年02月19日
コメント(0)
転勤について、具体的な動きをしなさい、という指示が出た。つまり、引っ越し準備をしなさい、ということであり、転居先探しを始めなさい、ということである。 実は今日は、休息日にあててあった。まだ、週5日フル稼働するには不安があるので、週四日で、中日の水曜日を、体と神経を休めて体調を整える日、という予定にしていた。 それが、朝一番にメールが入ってきて、そこで、転勤の具体的準備を始めなさい、という指示が出た。 まずは、引っ越し先の情報収集である。姉が、大阪近郊の職場に勤めているので、賃貸住宅の情報誌を送るようにメールして、私は私で、ネット検索で大阪の不動産業者を探し、十軒くらいに電話した。何と言っても、今の時期は卒業・入学・転勤の季節。情報は早めに仕入れて、物件はぐるぐる動くから、こまめに情報更新をして、片一方で、出張の名目を作って、現地を検分する日程を設定しなければならない。電話とメール、電話回線は大忙しだ。 そして業者に資料を請求して、枚数が多いとFAXは使えないから(メモリーが10枚分くらいしかないのだ)郵送してくれ、と言ったにもかかわらず、17枚のメールを送ってくる。とりあえずプリントアウトをしている最中に、携帯の方に電話が入るは、プリントアウト中にピーッと警告音が鳴って、見たらインクリボンが切れているは、携帯もピーッと鳴って、見るとバッテリー切れで通話が切れてしまうは、インクリボンを替えているときにまた電話が鳴って、受話器を取ったらFAX音。ええい、どうせえ、ちゅうんじゃあ! 腹が立ってきて、すんでのところでFAXを蹴飛ばしてしまうところだった。 枚数が多いと郵送にしろ、と言っただろうが。ええかげんにせえ!
2004年02月18日
コメント(0)
たまには、本を読んでいるところを見せるのだ。 主人公・江戸翠は、高校生。母はイラストレーター、祖母と三人暮らし。父は、入籍していないが、家には時々遊びに来る。平山水絵という彼女もいる。なのに、落ち着いている、というよりも、無関心、無感動。いつも、普通。すべて世はこともなし、という、なんだか変なやつだ。 花田という友達も、絡んでくる。翠は友達が少ない。その中でも、花田とは腹を割ってつきあえる友達だ。そいつが、女装に興味を持った、というか、本気で思いこんでしまい、実行したりする。翠のまわりには、普通から少し外れている人が多い。 そして、その花田と、夏休みに旅行に出かけることになる。しかも、五島列島。ずいぶん西にまで行った。いろいろあって、離島に渡り、ちょっとした、いや、本人には大した冒険になった。 翠は、生きることに、小さな疑問を持っているようだ。普通ではない家庭で、なんとなく普通に育ち、ひねくれもしないけど、なんだかもやもやしたものを胸の中に持つ。そして、西への旅で、翠の中の何かが、変わった。一言で言えば、成長、なのだろうが。 川上弘美は、すでに評価の定まった実力の持ち主だ。最初から読者を引き込み、最後まで引っ張ってしまう。心地よい読書であった。私はオススメだけどなあ。売れてるのかなあ。
2004年02月17日
コメント(0)
月曜日は、朝起きるのがつらい。しかも月曜日は、朝一番にミーティングがあるから、遅刻できない。時間ばかり気にして、バタバタと朝の支度をして、飛び出していく。 一応時間に間に合って、眠いながらも仕事にかかる。いや、実際、本当に眠い。夕べ寝たのは早くて、10時半になってなかったから、時間はたっぷりあったはずだが、眠りが浅く、未明から明け方にかけて、何度も目が覚める。熟睡して、スカッと目覚めるなんてことは、ここ何年もない。久し振りに、充分寝たなあと思いつつ起きる、そういう経験をしてみたい。 会社内は暖房も入って、でも居眠りはやはりできない。紅茶を飲んで(コーヒーは医者に止められている)目をこすりつつ、パソコンに向かって仕事をする。 で、ようやく終業のチャイムが鳴って、帰ってきた。すると、部屋がほのかに暖かい。ああ、今日は暖かかったんだなあ、と思いきや、こたつのスイッチが入りっぱなし。何かの拍子に火事でも起こしたら、えらいことだった。 そんで、洗面台を見ると、小さなライトがちかちかしている。ありゃ。ひげそりも充電したまま、コンセントに差しっぱなしで出ていってたのか。なんだか、自分に自信が無くなってきた。 夕飯は食ったし、風呂に入って、早く寝ようか。明日も仕事だ、これ以上レベルの高いうっかりは、健康を損ねる怖れがある。もしくは、何かを壊すかも知れない。自分が大事、とっとと寝よう。
2004年02月16日
コメント(0)
ちなみに。土曜日のアクセス数は、金曜日の倍以上だった。時間も違うし、解析するのは止める。 で、今日は日曜日。昨日の春一番の暖かさとは違う、北よりの春の嵐が昼から強くなって、ごうごう唸っていた。何だか気分が落ち着かず、読書をしたくても文章が目に入らない。眠いのに、横になると眠れない。何か食べたい気がするのに、いざ何を食べようと考えると、何も要らない。マンガも面白くない。テレビはなおのこと面白くない。こうして日記を書いているのも、書くと決めてるから書くんであって、できればサボりたい。風呂にはいるのも面倒だ。なんだか、低気圧のせいか、頭がぼうっとしてしまっている。こういうときは、時間の浪費を気にせずに、ぼけらーっとするのが一番である。気力が失せているときは、何をやってもつまらないし、ろくな事にはならない。 誰からも連絡がない。郵便すら来ない。来たのは、NHKの集金だけ。起きても寝ても、なんとなくだるい。やっぱり、ぼけらーっとするしかないようだ。 ひょっとしたら、鬱サイクルに入っているのかも知れない。明日は仕事だし、それはちょっとまずい。試験出勤中は、元気そうな顔をしていないと、治ってないと思われたら、試験出勤を取りやめにしてまた休職、そのまま退職させられる。それはちょっと困る。 気力が落ちているときは、頑張ってテンションを上げようとしない方がいいから、一生懸命ぼけらーっとした。今日は早く寝よう。 念のために言うと、この気分の落ち込みは、昨日、一個もチョコがもらえなかったからではない。人間関係を絶って回復に勤しんだのだから、バレンタインデーなどは、今の私に無縁なイベントであることは、心の底から悟りきっている。 やっぱ、仕事のストレス、かなあ。
2004年02月15日
コメント(0)
同じくここでサイトを持っておられる方はご存じのことだが、ご親切にも、一日のアクセス数を棒グラフにして、二週間分くらい表示される。そして、ようやく、現実に目を向けることにした。金曜日はアクセスが少ない。金曜日は、長めのエッセイをアップする日であって、日記タイトルにもエッセイと断っている。その日のアクセスが減る。その現実、しかりと受け止めよう。でも、止めない。 さて、本題。本作は4コママンガで、月5ページの連載が、単行本になった。本文125ページ。25ヶ月分である。長期連載の人気マンガなのだ。作者の丹沢恵は、四コマ誌では引っ張りだこの人気作家。その面白さ、保証付きである。 主人公・杏樹は、ナース。だが、幾度も勤務先を勢いで辞めて、個人病院、矢部医院の面接を受ける。が、杏樹、金髪にピアス、細眉に大きなバスト。ナース服を着たらイメクラ嬢か、というほどの今どきの女の子。でも、矢部医院も、たった一人のナースが止めて困っていたから、すぐ採用。そこから、話がスタートする。 矢部先生(女医)一人の病院。小児科、内科、その他。杏樹、子どもが嫌いなわりに、先生と気があったのか、溶け込んでいく。キャラの数が少ないけど、それぞれが個性的で楽しくて、一冊読んでも、まだ足りない。次を早く読みたいが、2年に1冊のペースでしか出ないのだ。 個人開業の医師に、ナース。その背景はきちっと調べてネタにしてあるから、リアリティがある。作者はナース経験などないから、ブレーンがしっかりしているのだろう。 何にしても、確実に楽しめる。オススメ。
2004年02月14日
コメント(0)
関西の実家から、北関東の私のところに、必要になった私物を送ってもらった。その日が日曜日で、お届け時間が指定できるけど、何時ごろが良いか、電話で確認してきた。月曜日は祝日だけど、出かける用事があったから、一番遅い、七時から九時に指定してもらった。 明くる日、用事を済ませて帰ってくると、ちょうど七時。間に合ったと思いつつ、上着を脱いでハンガーに掛けたところで、チャイムが鳴った。哀しいかな、他に来訪者が思いつかない。ハンコを持って、インターホンの受話器を取った。「こんばんはー。郵便局ですー。小包ですので、ハンコをお願いします」 ほう、と思った。日曜日出荷、関西から北関東へ翌日配達、時間指定可能。てっきり、宅配便で送ってきたと思ったのに、小包で出したとは、意表をつかれた。ちょっと大きい荷物で、引っ越し用の段ボール箱に、ゆうパックの伝票が貼ってある。宅配便に互して事業を展開するには、これくらいきめ細かなサービスは不可欠なのだろう。 その小包を開けようと見直して、気がついた。段ボールの上面に、私の住所氏名がでかでかと書いてある。その上から、ゆうパックの伝票シールがぺたりと貼り付けてあるのだ。そうそう。昔、小包というと、箱に、誰が見てもはっきり分かるように、住所氏名を書いて出したものである。今でもそうだと思って、きっちり書いて、日曜でも窓口が開いている郵便局へ持っていき、そこで伝票を渡されて、その場で書いて貼ったのだろう。実家の誰が窓口に行ったか知らないが、でかでかと宛先の住所氏名を書いた箱を窓口に出したときの、局員の対応と、出した方のわずかな気まずさが想像できて、面白かった。 また、別の日。ちょっと外出して、帰ってきたら、郵便局のお知らせが入っていた。お届けのお知らせで、書留が届いていたらしい。電話すれば、また持ってきてくれるし、郵便局に取りに行ってもいい。また、このお知らせ用紙の裏面に、会社の住所などを書いてポストに入れれば、勤務先に配達してもらうこともできる。便利になったものだ。確か、電話して再度配達してくれるようになったのは、去年だったか、一昨年だったか。それまでは、本局の時間外窓口に、ハンコと免許証を持って取りに行かなければならなかった。 持ってきてもらう方が助かるので、さっそく電話した。「はい、郵便局です」「あのー、お届けのお知らせが入っていたのですが」「はい、申し訳ございません」 いや、出かけていたこっちが申し訳ないのだが。「配達お願いできますでしょうか」「はい、申し訳ございません。今日の夕方、五時から七時の配達を予定していますが、よろしいでしょうか」「はい、結構です」「申し訳ございません、では、確認させていただきます。お名前をもう一度お願いします」「用紙の、お名前の横に、お知らせ番号がございますでしょうか。何番になっておりますでしょうか」「申し訳ございません、裏面を見ていただきまして、お荷物の種類は、どこにチェックが着いているでしょうか」「はい、申し訳ございません。私、但東がお伺いしました。ありがとうございました。失礼いたします」 ここまで申し訳なくされると、こちらとしては恐縮を通り越して、ばかにされているような気になるが、何にせよ、郵政公社になって、態度がごろっと変わったのは、確かである。 そして、六時頃に、書留がちゃんと届いた。ありがたいことである。 郵便事業は、今が過渡期で、公社内では少なからず動揺があることだろうと思う。しかし、請け負ったものを約束どおりに届ける、これが最大にして最重要なサービスであることを念頭に置いて、より便利に、より利用しやすく変わっていくのなら、サービスを受ける側としても歓迎する。 さて、さっきプリントアウトした書類、ポストに入れに行くとしようか。 (了)
2004年02月13日
コメント(0)
病気中の状態を知っているから、実家の親も、試験出勤が心配で仕方がないらしい。毎日とは言わないが、二日に一回、いや、それ以上の頻度で、夕方に電話をかけたり、メールを送ったりしてくる。 両親は、今、仕事をしていない。だから、毎日時間をもてあましているらしい。本人に言わせると、それでもなんだかんだと雑用があるというが、パートなんかを探すでも無し、年金をもらっているが、掛け金が少なかったため、ごくわずかしか出ない。生活費は貯金を取り崩し、すっかり隠居生活に入ってしまっている。 そこで、ヒマなものだから、私の心配するだけでなく、様子を探ろうとして、電話やメールでも、という気になるのだろう。 そのこと自体は、子として文句を言えないが、ちょうど帰ってくる時間、6時半ころを狙って連絡してくるのが、厄介なのである。 そもそも、試験出勤といえど、定時きっかりで帰れるとは限らない。作業の都合で、若干遅くなるときもある。そして、一人暮らしだから、夕食を仕入れるために、スーパーかコンビニに寄る。買い物を済ませてから、帰ってきて、仕事用のカバンとスーパーのビニール袋を腕に下げて、カギをポケットから出そうとごそごそしているときに、携帯が鳴った。何事かと思ってあわてて出したら、メール着信で、それも親から、「お疲れさん」の一言だけ。バタバタしているときに、用事ではないメールでさらに追い打ちをかけられると、イライラがつのって、その場に携帯をたたきつけたくなる。 帰ったら、まず灯りをつけて、暖房のスイッチを入れて、持っているものを片付けて、郵便が来ているかどうかを確認して、テレビをつけてニュースを見、手を洗ってうがいをし、パソコンを立ち上げて、仕事関係のメールボックスにアクセスしてメールチェック、その間に夕飯を食べて、薬を飲む。一時間くらいは落ち着かないのだ。そこへご機嫌伺いの電話をかけてこられると、手順が邪魔されて、忙しなくていけない。何も帰ってくる時間でなくても、7時でも8時でもいいじゃないか。こっちの都合も考えてくれ、頼む。
2004年02月12日
コメント(0)
朝、ほぼいつもの時間に目が覚めた。もっとゆっくり寝てもいいけど、ここでゆっくり寝るか、たっぷり昼寝するか、どっちを取るかを布団の中で考えるのも、休日の醍醐味である。 結局起きることにして、サッシを開けると、朝の空気が肌に冷たい。普段どおりの朝の支度をして、午前中は書き物をしたり、読み物をしたり。こたつに入って、まだ多少疲れが残っているのを感じつつ、済ませておきたいことを片付けて、気がついたらもうお昼。 パンで昼食を済ませ、何軒か友達に電話した。近況報告と、大阪に引っ越しする予定なので、引っ越し先の病院情報を仕入れてもらうよう頼んでいたので、候補の病院をほぼ絞ったと言うことでお礼の電話を入れていた。その最中に、携帯電話が鳴る。実家からの電話だった。一通りお礼電話を終えてから実家にかけてみたら、用事はない、と。 心配して様子を聞きたいと電話をくれるのはありがたいのだが、タイミングがいつも悪い。今日のような場合は、予期せぬ事だからいいが、普段、仕事が終わったころあいを見計らって電話してくる。これ、困る。帰ってきたら、まずメールチェックをして、緊急の連絡が来ていないかどうか確認したい。それで電話回線を使っているときに、携帯に電話をかけてくる。電話中ということは、私の手がふさがっている証拠なのだから、それが済むまでの10分の我慢ができない。歳のせいかなあ。 親に電話したら、ぐったり疲れた。こたつに入ったままごろんと後ろに寝ころんだら、すうっと眠りに入った。 気がついたら、夕暮れの、子どもの帰宅を促す音楽(ユーモレスク)が鳴っている。5時。ニュースを見ながらご飯を食べ、風呂に入って、これを書いている。 一息ついて、メールの返信が終わったら、本でも読もう。明日から、また仕事だ。
2004年02月11日
コメント(0)
今日は、定期の通院日で、予約が入っている。予約制度が導入されて、確かに病院内の滞在時間は減った。調べてみると、大きな総合病院はどこも予約制で、さらに言えば、新患として行く場合には紹介状がいる。先の、院外処方化といい、お役所が通達を出しているようだ。 それで、予約時間に病院に行った。総合病院だから、受付の手続きは面倒だったのが、今はコンピュータで受付である。自動受け付け機に診察カードを通して、予約の確認をして、受け付け番号をもらう。それでもう、直接、各科の受け付けに行けばいい。確認をして、待合室に入る。 で。今日は二人しか待っておらず、すぐに順番が回ってきたが、時として診察が長引くと、1時間以上待つこともある。予約は予約だが、ことに心療内科だけに、患者の訴えを聞き、時間をかけて話をしなければならない。そこで怒ってはいけない。逆の立場になれば、自分が時間をかけて聞いて欲しいときだってある。お互い様だ。 診察が終わって、会計も、コンピュータ処理するから、作業は早い。混んでいたら、順番待ちで時間がかかるか、という程度。で、待ってたら、会計を済ませたお嬢さんが、突然倒れた。思わず駆け寄ろうかと思ったが、先に、案内係として受付にいた看護師が駆け寄っている。意識有り、脈はどうの、呼吸はこうの。手早く必要なところを確認している間に、ストレッチャーが運ばれてきて、処置室に連れていかれた。 倒れて、10分も経たない間の処置である。確かに、倒れるには一番安心な場所であろう。そう言う私も、病気がひどかったころは、病院の玄関先でパニック発作を起こして倒れ、診察を受ける前に安定剤の点滴をされる、というようなことになったことがある。 皆さん、倒れるときは総合病院で。何かと安心ですよ。常日頃から、病院に行きつけていると、安心はさらに倍。最善の処置が約束されています。いかがでしょう?
2004年02月10日
コメント(0)
私は、パニック障害であって、不安神経症であって、対人恐怖症だと、医者に言われている。まあ、ひっくるめて神経症なのだが、その病気のせいか、元々の体質なのか、苦手な、というかその場にいるとつらいシチュエーションがある。・狭いところ ・人で混雑したところ ・出入りを禁じられたところ ・人との会話や対話が必要なところ といったシチュエーションは、非常につらく、苦しい。体力の消耗が激しい。 で。会社で、普通にデスクでパソコンに向かっているのには、そろそろ慣れてきた。しかし、今日は、会議があった。会議とは、・人が大勢会議室に籠もる ・会議に参加している以上、人の話を聞き、発言をすることを求められる ・会議中はちょいちょい中座できない ということで、会社の業務の中でも、会議というのは、かなり苦手な部類に入る。 しかし、3時間程度の会議であり、重要な会議で、内容は私の仕事にも関わってくることであることだから、おろそかにできない。まあ、早い話が、強制参加なのである。 腹をくくって、会議室に入った。人がずらりと並んでいて、それだけでも息苦しい。病気がひどかったときは、(ここで気分が悪くなったらどうしよう)という不安が心中に起きて、それが気になり出すと、不安がどんどん大きくなって、ついには本当に気分が悪くなり、我慢しすぎるとパニック発作を起こしていた。 さて、今日は。結果を言えば、どうにか、乗り切った。終わったときは疲れがひどく、いっぱいいっぱいだったのだが、表面上は何事もなく乗り切った。 ああ、疲れた。でも、明日は通院日だし。疲れが残っていたら、点滴でも一発打ってもらおうかな。
2004年02月09日
コメント(2)
今朝は、普段より30分だけ寝坊した。まあ、たっぷり時間はあったわけで、出かける用事もないし、天気も良くて、めちゃくちゃ寒いわけじゃない。今日はのんびり、英気を養うことにした。本をゆっくり読むか、のんびり昼寝をするか、じっくりエッセイを書くか。とにかく、仕事で疲れた頭を切り換えようと思った。 で。とりあえず、メールチェックをすると、やはり仕事関係のメールが入ってきている。時間をおいてチェックしていくと、作った資料に関して、追加の内容があれば連絡せよとか、今なら会社にいるので、電話は会社にしてくれとか、ついさっき資料ができあがったから送る、とか。日曜日なんだから、休もうよ、みんな。確かに、明日が会議だから、忙しいのは分かるけどさー。 私は、今日はのんびりするんだと決めたとおりに、仕事のメールを無視して、本を読み始めると、チャイムがピ~ンポ~ン。宅急便で~す。?はてな。今日、荷物が届くような心当たりはない。おまけに宅急便。実家からならゆうパック、ネット書店ならペリカン便。ほら、最近、勝手に金を振り込んで、利子を取り立てるような悪い連中がいるでしょ。だから、心当たりのない荷物も、何かの詐欺だったら、受け取り拒否だな、と思いつつ戸を開けて、送り主を見た。すると。……ネット販売で申し込んだ、ワープロソフトのバージョンアップ版じゃないか。そうそう、それなら頼んだ。受け取って、さっそくインストール。ついでに、オンラインのユーザー登録までしたら、もう昼ご飯の時間。 目が疲れて、昼寝したら三時。なんだかんだと雑事を片付けたら、もう日が暮れた。 こんな感じで、休職中は平日に済ませていた雑事が、休日に固まるから、まとまった時間が取れない。ああ、ゆっくり、じっくり、一日かけて本と向き合うくらいの時間的余裕が欲しいなあ……。
2004年02月08日
コメント(2)
昨日は忙しかった。 試験出勤期間中は、実務は無いはず、だった。が、昨日の金曜日は、上司から急遽、月曜日の重要な会議にいる資料を作らなきゃならないけど、部署で手が空いている奴がいない。だからお前、手伝ってくれ。そういう電話が来て、まあいいか、と思って引き受けた。データをまとめるだけで、一年前にも同じような資料を作っている。エクセルのファイルで残っているので、数字とコメントを書き換えればそれでOK、のはずだった。 しかし、肝心のデータが来ない。メールで入ってくるはずなのだが、来ない。催促して、来たのと同時くらいに「追加のデータがあるから、これも送る」とTELが入るし、さあデータの集計だ、とパソコンに向かったら、また電話。「もう一件データが届くはずなんで、来たらすぐに送る」だと。 仕方がないから、あるデータを先に整理し始めた。結局、最後のデータが届いたのが、3時。そこから本格的にデータ集計をして、まとめて、表にして、コメントをつけて、終わったら10時を過ぎていた。もちろん、途中で昼飯を食べたけどね。 その休憩時間に、昨日の日記を書き込んだ、つもりだった。送ったと思って、ファイルを格納した(いつもこの日記、メモ帳か一太郎とかのワープロソフトで書いて、txtファイルに落としておくのだ)のに、今朝、自分のサイトをチェックすると、日記が更新されていない。あわてて、その場でファイルを引っ張り出して、コピペで書き込んだのだった。 久々の実務で疲れて、うっかりしてたんだろうなあ。書き込み送信ボタンを押し忘れたとか。早くこの疲れ、取らなきゃ。もう、土曜日も夕方ではないか。 さて、送ろうか。今日の日記は、きちんと書き込めますように。
2004年02月07日
コメント(0)
なんだか新撰組がブームになっているようで、そのせいか、関東に住んでいても、京都弁を聞く機会が増えたような気がする。京都育ちの私に、懐かしかろうと声をかけられたりするのだが、実は心境複雑である。 地元の人が話すのを聞くのはいいのだが、京都人を演じる人たちが言うセリフには、引っかかることが多い。京都弁を真似てはいるが、完全に京都弁を使いこなせていないと、つい気持ちがそちらの方に向く。少しアクセントが違うくらいなら、個人差もあることだし、さほど気にならないのだが、言葉自体が京都弁でないときがあると、脚本家は何をしているのだろうと思う。 例えば、『どす』の使い方。語尾に、標準語の『です』と同じような感覚で『どす』を使うと、間違う場合がある。「今日は雨どす」 これは正しい。「今日は寒いどす」 これは間違い。京都弁では、「今日は寒おす」 と言う。標準語と同じ文法が当てはまるとは限らないのである。 さらに、京都弁特有の単語もあるし、言い回しもある。ありがちなのが、「目が疲れた」「胃が重たい」「蚊が飛んでる」 といった、一文字の単語が主語になった場合である。京都に限らず、関西圏では、「目ぇ疲れた」「胃ぃ重たい」「蚊ぁ飛んでる」 このように、単語の母音をのばして、助詞を省略するのである。もちろん、アクセントも違う。 こんな細かいことまで気がつくのは、京都弁を使う人たちぐらいだろう。他の地方の人が分かるわけがない。しかし、京都に住まなくても、芝居や舞台で聞く機会があるから、なんとなく、京都弁はこういうイメージ、というのが頭の中にできあがっている場合がある。そうなると、知っていれば使いたくなるのが人情だから、本や脚本に、京都弁を喋る人物を出してくる。それでおおかたの人が満足しているのなら、口をはさむのは野暮かも知れないが、どうせ使うなら、きれいな京都弁を使って欲しいと思う。 これは、京都弁に限らないだろう。北は北海道から、南は沖縄まで、その地その地の方言がある。東京でも、下町は下町の言葉がある。山の手や郊外の新興地では、標準語が使われているようだが、普段の生活で、標準語を使っていない地域の方が圧倒的に多い。地元の方言を使って作られたドラマなんかを見て、違うなあ、間違った言葉の使い方をしているなあと思っている人は、全国各地にいると思う。 ところで。私はエッセイを中心に活動しているが、たまには小説も書く。たいていは、登場人物には標準語を喋らせているが、ときおり大阪弁を使う人物を出したりする。それについては、あまり気を遣わない。書き手である自分自身が、ネイティブの関西弁を使いこなせるから、読み手にも違和感なく伝えることができると思っている。 ところが、その他の言葉というと、実際はちょっと困る。住んだことがある地域なら、ある程度の見当をつけることができる。また、その地方の出身者がいれば、教えを乞うこともできる。しかし、そういう経験や、つてがない、さっぱり分からない地域の方が圧倒的に多いから、そこの方言を使うのは、かなり気が重い。そういう場合は、登場人物には標準語で喋ってもらうことにしている。 最近書いている小説には、舞台設定の説明は一切していないが、北海道を念頭において舞台を作ったものがある。それに出てくる人物には、標準語よりも地に足がついている感じがしたので、北海道の言葉を使わせている。もちろん私には北海道に住んだことはないが、北海道弁というのはこういうもの、というイメージでもって、エセ北海道弁を喋らせている。これで合ってるかな、と重いながら。 今まで、下手な京都弁を使っていた人たちを、ある種軽蔑に似た感じで見ていたが、実際自分がやってみると、批判を承知で使ってみたい魅力が理解できた。それならばせめて、方言を使いこなす努力をして、安易に使わぬよう、敬意を持って方言を使いこなしたい。作品世界に、幅ができるから。 そういうわけで、私の作品を読んでくださっている皆さん。方言が出てきたら、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いします。 (了)
2004年02月06日
コメント(0)
電話を取るのが怖い。 これ、どこかにお勤めをした人は、思い当たることがあるだろう。初めて配属され、机に座っていると、電話がかかってくる。受け答えに自信がなくて、どうしよう、と困った経験がある人、必ず居ると思う。 今の私が、そういう状態である。ブランクがあって、付き合う会社が変われば、電話をかけてくる人も違う。声で判別できなくて、相手の見当が付かず、思わずあわてふためいてしまう。しかも、私が居ない間に、私の職場の交換機が老朽化で更新されていて、電話機も新しい。そしたら、保留や転送、館内放送での呼び出しのやり方など、一から教わらなければならない。そうしたら、実際に電話がかかってきたとき、丁寧にきちんとこなせるかどうか、心許ない。新入社員並みである。 お前は営業職だったんじゃないか、とお叱りの向きもあるかと思うが、ところがどっこい、である。子どものころからそうなのだが、電話はかけるのも受けるのも苦手である。だって、怖くないですか? 電話の向こう、どこの誰だか分からないんですよ? 対人恐怖症の私には、受話器の向こうは深い闇が広がっていて、魑魅魍魎がうろうろしているような気がする。だから、電話に出るのは、そうとうに勇気が要る。 それで、実際に取ってみると、電話の受け答えは、休職前はさすがに慣れていて、怖いながらも事務的に応対することができた。しかし、ブランクが空いた今、めちゃくちゃ怖い。なるべくなら電話に出たくない。 でも、これもお給料の一部なのだから、逃げてばかりはいられない。早く、昔の感覚を思い出さないといけない。 でも、嫌だな~。電話、出たくないよ~。
2004年02月05日
コメント(0)
試験出勤が始まって、少し困っているというか、よくよく気をつけなければならないことがある。通勤である。 試験的とはいえ、出勤を再開した。しかし、治ったわけではない。薬で落ち着いた状態にしているだけである。抗鬱剤とか、抗不安剤、寝るときは導眠剤が欠かせない。 最近は、薬は院外処方が中心になっていて、薬局さんに処方箋を持って買いに行くのだが、薬局も親切で、顧客管理をパソコンでやっていて、新しい薬が出たとき、薬の情報、つまり薬の働きや、注意事項、副作用もきっちり書いた紙を渡してくれる。そういう決まりなのかどうか知らないが、私が行く薬局は、そうだ。 で。もらっている薬の注意事項のところを見ると、「車の運転や、機械を操作する際には充分注意して下さい」と、書いてある。一種類だけでない。軒並み書いてある。まあ、心を穏やかに安定させる薬だから、早く言えば頭をぼんやりさせる薬で、だからとっさの判断が、一瞬遅れる。 じゃあ車は運転しなければ良かろうと言われても、職場まで、公共交通機関で行くことはできない。工業団地のど真ん中で、バスも通っていないのだ。だから、やむを得ず車で、十二分に注意して、安全運転で走る。 行きはいい。朝、明るい中を走れるから。問題は帰りである。 会社を出る時間が、だいたい5時半。ちょうど暮れかかってきて、ヘッドライトをつけようかどうしようか悩むころあいである。そして、一日の仕事の疲れが加わって、さらに反応が鈍っている。そんなときに、ひょい、っと横から飛び出された日には、大変困る。 今日も帰り、犬の散歩をしていろご婦人が、道路を渡ろうと、私の車が通りすぎるのを待っていた。それを充分に確かめて、車を走らせていたら、いきなり犬が道路に飛び出してきた。反対側からは無灯火の自転車が! どうしろって言うんだ~! ・・・止まればいいんですね。はい。こんな感じで、一瞬、判断が遅れる例、でした。
2004年02月04日
コメント(0)
誰かがどこかで、それも複数の人があちこちで書いていると思うが、今日は節分である。 節分に豆まきをする家も減った。子どもがいる家庭で、一種のリクリエーションとして、鬼の面をかぶったお父さんめがけて豆を投げるとか、そういったところぐらいしか、豆まきなんてやってないだろう。そう言う私も、今晩豆まきをする気はない。でも、炒り豆は買ってある。年齢の数だけ食べるためである。スーパーで一袋買ってきた。年の数にしては多いが、大丈夫。パック裏面のシールに、賞味期限は04.7.14と書いてある。明日以降、ぽりぽり囓ればいい。 子どものころ、節分は、ちょっとした行事だった。まず、壬生寺(今、新撰組で名が通っている、壬生屯所があったところである)に行き、節分会で厄よけ祈祷済みの炒り豆をもらってくる。もちろん、祈祷料は納めるが。それだけでは足りないので、店で買ってきた豆と一緒に升に入れ、神棚に供える。そして夕食は、毎年決まっている。巻きずしと、鰯の丸焼きである。それぞれ、一人に一本と一尾割り当てがある。あと、汁物は何でもいい。そんで、巻きずし(太巻きである)は、その年の恵方を向いて、丸かぶりする。切るというのは縁起が悪いので、太巻きを一本、一気に食べる。家族四人で、同じ方向を向いて食べる図は、やや滑稽ではある。 鰯は、頭を門口に刺すというのが一般的らしいが、我が家では、身を食べる。これ、大人も子どもも同じものを食べる。はっきり言って、子どもには多い。お腹が苦しくなるけど、吉例だから残せない。 とにかく食べて、お腹が少しこなれた夜、豆をまいて、年の数だけ食べる。夜のおやつまで、準備のいいことである。 今年は、数え年の分+1だけ食べるから、41個。結構な量だし、ずいぶん年を食ったなあ、と実感させられる行事である。 あ、どうでもいいけど、関東でも太巻きを大々的に売るようになったけど、普通の太巻きを作るのは止めようね。関西では、丸かぶり用に、かんぴょうなんかの具をあらかじめ細かくしたものを売っている。関東の太巻き、丸かじりしづらいのよ。
2004年02月03日
コメント(2)
久し振りに、本の感想である。 著者のことは、一切知らない。初めてお目にかかる名前である。本書についても、事前情報は一切なし。本屋で、新刊のコーナーの隅っこにあったのを見つけて、買ってきたのである。面白いかつまらないか、読んでみてのお楽しみ、というやつである。 本書は、「草にすわる」「砂の城」の二編が入っている。表題作「草にすわる」は、主人公の洪治と、高校の時の二年先輩だった曜子との交流が語られる。 洪治は、大学卒業後、バブル崩壊後の大手不動産業に就職し、営業に配属されるが、冷え切った市況で売れるわけがない。それでも売れ、と言われ、業績が上がらなければ転勤させられ、早い話が嫌気がさして、会社を辞めた。そして5年間、蓄えだけで、「待ち設ける」事にしたのだった。その間、入院・手術があって、体調も回復せず、鬱々とした生活になる。 曜子の持っていた八木重吉の詩集に、このようなフレーズがあった。「わたしのまちがいだった/わたしの まちがいだった/こうして 草にすわれば それがわかる」このフレーズに引っかかるものを感じる洪治。そして、曜子との付き合い。紆余曲折を経て、勤めていたスーパーを辞めることになり、発作的に、あるいはこういう時のためにいつでも自暴自棄になれるように、心が傾いていたのだろう。洪治と二人で、睡眠薬心中を図る。酒の勢いもあって、睡眠薬をより多くむさぼり食った洪治は……、という話。 「砂の城」は、小説家・矢田が、妻や息子の問題を抱え、再婚してもなお金をせびりに来る息子が覚醒剤事件を起こしたり……文学者という仮面を付けた内面は、非常に鬱屈した状態になっている。現実の鬱屈を思うに、己が築いてきた文学者、小説家という社会的名声は、砂の城のごとくもろいもの。こちらも、人の心の弱さを描いている。 どちらも、キーワードは『覚醒』である。作品の最後に、主人公は覚醒する。覚醒して、精神の安寧を得る。 作風が、持って回ったような筆致なので、作品世界に入るのに時間がかかるが、後味の悪い作品ではない。でも、この作者を好きになれるかどうかは、別の話。
2004年02月02日
コメント(0)
自宅に、電話がかかってきた。「◎○コーポレーションと申します」 若い女性の声である。「はい、お世話になっております」 聞き覚えのないところだけど、ついこう言ってしまうのは、サラリーマンの哀しい性である。「本日はですね、都内のワンルームマンションについてのお話をさせていただこうと思います。どちら様も、定年後の収入ですとか、これから先々のお子様の教育費ですとかそう言った関係で、貯蓄とか、されてると思うんです」「あ、金融商品でしたら関心ありませんから」「いえ、金融商品がどうこうというわけではございません。ちょうどお宅様のお歳でしたら、子どもさんにお金がかかりますでしょう」(やかましい、ほっとけ)「独身ですけど」「あ……失礼しました。でも、定年後の蓄えなんか、ご心配なんじゃないですか」「今、時間がないんです」「では、明日、お仕事先の方へお電話させていただいてよろしいでしょうか」「ですから、電話してもらっても、金融とか投資の関係は興味ないですから」「いえ、投資ではないんです、そういったものではなくてですね、都内のワンルームマンションが手頃な価格帯で出てきていますので、ご紹介させていただきたく……」 あーっ、書いてて面倒くさくなってきた。要するに、都内のワンルームマンションを私が借りる、それを又貸しして、家賃の差額で毎月こつこつ貯めませんか、という話である。だいたいのことは知ってるから、話など聞く耳持たぬ。これ、リスクがある。又貸しで入居者がいればいいが、空き室のままだと、こちらが、空気しか入ってない部屋の家賃を払わなきゃならない。「こっちはねえ、最近まで休職していて、ようやく復帰して試験出勤中なの。老後より、今の生活に保障がないの!」「あ、そうですか。失礼しました」 一発で撃退である。それにしても、私の自宅の電話番号と年齢、勤務先の電話番号まで知っていやがる。どこからそんな個人情報が漏れたんだか。まったく。儲かるんなら、他人に勧めずに自分でやれよ。リスクがあるから勧誘するんだろう。その手には、乗らないよーだ。
2004年02月01日
コメント(4)
全29件 (29件中 1-29件目)
1