埼玉県本庄市(旧児玉町)の鷺山古墳を訪問した。
繁みと畑と標識があるだけで墳形を直接イメージするのは無理がある。見た目では良く分からないが関東の前期古墳らしく前方後方墳であり墳丘長は60メートルあるそうだ。私有地らしいので立ち入りは遠慮しておいた。古墳は緩やかな丘の上に立地している。付近はやや平地がちで時折小さな起伏がある。本古墳から出土した二重口縁壷と小型坩は本庄市歴史民俗資料館に収蔵されている。
案内柱では「埼玉県内最古の古墳」となっているが、最近は下の図のように更に古いとされる古墳がいくつかある。
埼玉県埋蔵文化財調査事業団『見えてきた!!古墳時代の幕開け 東松山市反町遺跡を中心に』
p.20 より
本庄市教育委員会刊行の「 本庄市の遺跡と出土文化財
」には本庄市最古の古墳として北堀新田前遺跡が紹介されている。上図には示されていないが同遺跡の2号墓が鷺山古墳直前に造営され3号墓が鷺山と同時代とされている。
上図では前方後方墳と前方後方形周溝墓を区別してシンボルを分けている。南志渡川4号墓は前方後方形周溝墓となっているが、北堀新田前遺跡の報告書では南志渡川4号墓は北堀新田前遺跡の2・3号墓に地域・時期・規模に於いて近い前方後方墳とされている。
古墳と周溝墓を区別する決定的要素があるとすれば墳丘の土盛りの有無ぐらいだと思うのだが、土盛りがあったかどうか不明な場合は古墳かどうか曖昧になってしまうということだろう。同遺跡の報告書では周溝を埋める土が墳丘から流れ込んだことをうかがわせる記述はあったが、墳丘の盛り土を確認したとは書いていないようだ。報告書中の写真や図を見る限り北堀新田前2・3号墓を古墳と断定するのは疑問だと感じる。
そうすると児玉地域で明らかに古墳と言えるような墳墓は鷺山古墳が最初となるのかもしれない。県内の他の地域に先行する明確な古墳があったのか気になるところだ。
埼玉県内の鷺山古墳以前の古墳?分布図
参考:
本庄市の遺跡と出土文化財
(本庄市教育委員会)
本庄市の古墳
(本庄市)
見えてきた!!古墳時代の幕開け 東松山市反町遺跡を中心に
(埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
北堀新田前遺跡2(A2・A3地点)・北堀新田遺跡4(A2・B地点)・久下東遺跡8(G3地点)
(PDF:93.7MB)
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