おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2018.07.01
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カテゴリ: 歴史/考古学/毛人
前回​ 「上丹生屋敷山(丹生エリア)古墳前期土器編年―甕」 ​では、上丹生屋敷山遺跡の弥生から古墳前期までの土器を2段階(環濠内段階と環濠外段階)に大別したときの甕の変化を見た。

 上丹生屋敷山遺跡の土器分類結果
  ​ 「上丹生屋敷山」

 土器分類の類型(在来系は「おぢさん」シート、外来系は「成塚向山」シート参照)
  ​ 鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類

甕に続き壺を見てみよう。




段階ごとに見ていこう。環濠内段階ではまだ外来系の壺(上記表で先頭の文字がA・B・I以外)はない。特に多い類型はないように見えるが、口縁部の形態を示す2文字目の数字に注目すると「1.大きく開く単口縁」が多く、次いで「4.」も同じくらい多く、「2.折り返し口縁」「3.多段口縁」は少ない。大きく開く単口縁が多いのは樽式一般に言える。折り返し口縁、多段口縁が少ないことは、富岡地域の特徴として既に指摘されている [1] 。内湾口縁が多いのが時期的なものか地域的なものかは分からない。この段階では肩部羽状文の富岡型壺も6点が該当し、存在感がある。

《内湾口縁壺の例》

〔左上〕YA355号住居3 〔左下〕YA371号住居5 〔右〕YA370号住居7 [2]

《富岡型壺の例》

〔左上〕YA301号住居5 〔右上〕YA327号住居4 
〔左下〕YA355号住居2 〔右下〕YA389号住居5


環濠外段階には外来系壺も増えるが、在来系では縄文施文の折り返し口縁壺である A2Pa の壺が圧倒的となる。それに対して富岡型壺や箱清水系の壺は姿を消す。在来系とは名付けたが系統的に大きな変化があったとみるべきだろう。

《A2Paの例》

〔左上〕YA112号住居2 〔右上〕YA191号住居2

左側の2点は肩部までで切ったが、縦長の卵型をしている。


外来系土器は、太田地域編年の分類(成塚向山古墳報告書)としっくりこない面があったが、近いものに当てはめた。有段口縁壺の壺D1が3点と長頸壺の壺F1・F2を合わせて4点がやや多い類型となった。

《外来系壺の例》

〔左上〕壺D1:YA249号住居8 〔右上〕壺F2:YA126号住居3
〔左中〕壺D1:YA245号住居9 〔右下〕壺F1:YA152号住居16

YA152号住居16は壺F1の「最大径を胴部下位にもつ」という定義には合わないが、口縁内湾とミガキ調整を重視してこの分類にした。

太田地域編年の分類に含まれない「瓢壺」(東海系)があったので「壺J」の分類を追加した。

壺J:YA159号住居4

《壺の分類は変更予定》
・外来系壺の分類
・受口で折り返しの場合


[1] 大木紳一郎 1997 「第2節 弥生時代の遺構と遺物」『南蛇井増光寺遺跡Ⅴ』郡埋文
[2] 図版は全て 富岡市教育委員会 2009『丹生地区遺跡群』《図版編》から採った。

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Last updated  2018.07.16 14:19:38
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