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2009.07.09
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~講談社ノベルス、2001年~

 メフィスト賞第19回受賞作、舞城さんのデビュー作です。
 最近はいわゆるミステリからは離れた作品を発表されている舞城さんですが、講談社ノベルスの初期の作品はまだミステリの性格をもっています。もちろんミステリとしての面白さもありますが、それよりもやはり圧倒的な物語の力があるように思います。
 まずは、ミステリ風の性格をもつ部分を中心に簡単に内容紹介を書いたうえで、感想を書きたいと思います。

ーーー
 サンティエゴの名外科医、奈津川四郎に、日本の母親が倒れたという情報がはいる。急遽帰国して故郷の福井県は西暁町に帰った四郎は、西暁町で連続主婦殴打事件が起こっていること、そして母親がその犠牲になったことを知る。犯人の手口は共通しており、まずは主婦を(死なず、しかし意識を失うほどに)殴打し、その顔をビニール袋で覆い、生きたまま地中に埋めるという行動をとっていた。
 四郎は怒りにかられ、事件の犯人への復讐を誓う。同級生で警察関係者の職業についている友人たちを呼び、事件に隠されたいくつかの謎を解き明かし、事件解決に向けて奔走する。
 しかし同時に、ミステリ作家に転向をはじめた兄の三郎も、その作品の探偵ルンババ12のモデルになった名探偵とともに、事件解決に乗り出しているところだった。名探偵は、過去に密室状態の蔵から失踪した四郎たちの兄、二郎の行方も追っていた。今回の一連の事件の犯人は二郎ではないか、そういう疑いとともに。


 ミステリとしては、過去に起こった二郎の密室からの喪失事件と、現在の連続主婦殴打事件の謎を解くことがメインになります。もちろんそれはそれで面白いのですが、奈津川家の悲しい暴力の話をはじめ、物語それ自体がとても興味深いです。
 最終章では、前半の連続する場面転換にどきどきしながら読み進め、そして341頁以降は、もうぼろぼろ涙が出てきました。これはすごい、そう思いながら読みました。

 私が最初に読んだ舞城さんの作品は本作で、その後出版された作品は基本的に時系列順に読んできています。はじめて本書を読んだとき、とにかくその文体にびっくりして、圧倒されました。会話調で、一文一文が長く、たたみかけるような、そして暴力的な文体。それでいて、心が打たれることもしばしばです。
 今回久々に再読しましたが、こちらも再読して良かったです。良い読書体験でした。

(2009/07/04読了)





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Last updated  2009.07.09 07:00:58
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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