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65歳のティム・バートン監督が、面白ければ何でもありのドタバタホラーコメディを作りました。ビートルジュースを怪演したマイケル・キートンは70代!なのに、徹底的にバカバカしいコメディが作れるなんて、何て素敵なのでしょう。しかも、前作よりはるかに面白いのです。 前作から30年以上の時が過ぎ、高校生役だったウィノナ・ライダー演じる主人公も50代。今や霊能力者として全国的に有名となり、莫大な財産をもっています。その一方で、高校生の娘とはうまくいっていません。そこへ届いた父親の死の知らせ。母(キャサリン・オハラ)とともに第1作の舞台となった家へと戻ることになります。やがて、娘に危機が訪れて・・・。 一方、霊界の自称バイオエクソシスト、ビートルジュースの元妻バーバラ(モニカ・ベルッチが不気味に演じます。)が幽霊として復活し、次々と幽霊たちの魂を吸い取りながら、ビートルジュースと再婚しようと探し回ります。怯えるビートルジュース。なお、この設定は、第1作でビートルジュースが強引に結婚式を挙げようとした際、指のついた結婚指輪を取り出して「バーバラなんて忘れてしまえばいい」と過去に結婚していたことを話題にしていたことと、うまくつながります。 物語は、娘を助けたい主人公、主人公と結婚して蘇りたいビートルジュース、次々と幽霊たちを抹殺(!)しながらビートルジュースと再婚したい元妻、主人公と結婚して財産を横取りしようとするTVプロデューサー、主人公に反発する娘、娘が恋するツリーハウスの青年、ビートルジュースの妻を追う生前は俳優だった幽霊刑事(ウィレム・デフォー)、思わぬアクシデントに見舞われる主人公の母、死んでしまった主人公の父親、同じく死んでしまった主人公の元夫等が入り乱れ、多くの幽霊たちを巻き込みながら、ハチャメチャな大騒動へと発展していきます。しかも、死後の世界ではソウル・トレインやダニー・デビート演じる掃除人、おなじみの砂漠の魔物等、ティム・バートンのイマジネーションが冴えわたっています。また、人間界に現れてしまったビートルジュースの大勢の子分たちや幽霊刑事の部下たち等、脇役も見ていて非常に楽しいです。これらが全て入り乱れ、先の展開が全く予想がつかないクライマックスは、おもちゃ箱をひっくり返したような面白さです。 ビートルジュースを呼び出すためには3回名前を呼ぶ必要があります。予告編を観ると、反抗的な娘が3回名前を呼んでしまったかのように思えますが、実はそうではありません。では、誰が呼んだのでしょうか?実は、2人の人物がビートルジュースを召喚しています。ぜひ本編で確認してみてください。
2024年10月13日
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シリーズが始まってから45年。「エイリアン」シリーズ第9作目となる映画なので、観客はエイリアンがどのような生き物なのか、知り尽くしています。どうせフェイスハガー→チェストバスター→ゼノモーフなのだろう、とわかっています。なのに、怖い!「ドント・ブリーズ」シリーズで観客の度肝を抜いたフェデ・アルバレス監督は、シリーズのお約束ネタをたっぷりと盛り込みながら、新たな視点でシリーズのファンの若返りに成功しました。 エイリアンを生物兵器として利用しようとするユタニ社の宇宙船が、第1作で破壊されたノストロモ号の残骸から、エイリアンの死骸を回収し、宇宙ステーションロムルスへと運びます。ところが、死んでいたと思われたエイリアンは、生きていました。 それから何年かが経ち、ある辺境の惑星で過酷な労働者として搾取されている若者たちが、別の惑星へと脱出しようとします。彼らにアンドロイドとともに誘われた主人公。脱出に必要なのは、その惑星を周回軌道する打ち捨てられた宇宙ステーションにある休眠ポッドです。そこで、若者たちは宇宙へと旅立つのですが、その宇宙ステーションこそロムルスだったのです。 主人公たちに襲いかかるファイスハガーの群れ。ゼノモーフの大群。壊れて上半身だけになったアンドロイド(なんと第1作に登場した故イアン・ホルムをAI技術で再現!1作目と同型のアンドロイドという設定です。)は、ユタニ社の指令を忠実に実行しようとします。とにかく危機また危機の連続で、手に汗握りっぱなしです。 見どころは、物語の後半。主演のケイリー・スピーニーが、かつてのシガーニー・ウィーバーのエレン・リプリーを彷彿とさせる活躍で、とにかくかっこいいのです。また、主人公に弟同然に慕われているアンドロイド役のデヴィッド・ジョンソンも、イアン・ホルムにデータを書き換えられてしまい、敵か味方かわからなくなるという設定も緊張感を増してくれます。 そして、ラストに登場する「あれ」。絶大なインパクトで、エイリアン・クイーンに匹敵するシリーズ最強の敵が登場します。 シリーズの要所を押さえつつ、全く新しく生まれ変わった「エイリアン」シリーズ最新作は、大ヒットしたのも納得の出来栄えでした。
2024年09月22日
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「キングスマン」シリーズの監督であるマシュー・ボーンが監督した「キングスマン」のスピンオフです。残念ながらヒットはしなかった作品ですが、この映画は、ことのほか面白いのです。 スパイ小説の女流ベストセラー作家である主人公(ブライス・ダラス・ハワード)は、ある日、シリーズの新作のアイディアを練るため、母親(「ホーム・アローン」のキャサリン・オハラ!)の家へ向かいます。その途中、列車で本物のスパイ(ジェームズ・クロムウェル)と出会います。その途端、次々と現れる敵。スパイが言うには、主人公が書いている小説の主人公(ヘンリー・カヴィル)とその相棒(ジョン・シナ)の物語は、実際に現在進行中のスパイ合戦と酷似しており、次回作の内容を、スパイたちが、今後の展開を予測するために手に入れようと躍起になっているとのことです。凄腕のスパイに守られ、逃走を続けるへなちょこの主人公は、元CIA副長官(サミュエル・L・ジャクソン)のもとへと向かおうとしますが・・・。 予告編を観て、こんな話の内容かと思いました。この映画のキャッチコピーは「一流のスパイは全てをだます」です。だまされました。逃走劇が始まったかと思いきや、どんでん返しに次ぐどんでん返し!まさかの展開に全く先が読めず、大興奮でした。この展開の速さが面白さをさらに加速していきます。マシュー・ボーン監督は斬新なカメラワークが見どころです。今回も「アイススケート」の場面は、爽快そのものです。 この映画は、90年代に製作されたレニー・ハーリン監督によるB級スパイ映画「ロングキス・グッドナイト」へのオマージュです。主人公の髪型やサミュエル・L・ジャクソンが登場していること、そして、最大のオチまで、あの映画を観ていれば2倍楽しめる作品です。「ロングキス・グッドナイト」は、興行収入は振るいませんでしたが、個人的に大好きな作品ですので、このオマージュはうれしかったです。ぜひ、両方とも観て楽しんでもらいたいと思います。
2024年08月05日
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大ヒットホラーシリーズの第3作は、物語の始まりを描くスピンオフです。製作は、前作まで監督と出演を務めたジョン・クラジンスキーで、主演は「アス」のルピタ・ニョンゴです。ルピタ・ニョンゴが主演するホラー映画は質が高いのですが、今回も面白いです。 舞台はニューヨーク。人生に絶望した末期がんの主人公が、ホスピスのイベントでニューヨークの街中へと外出します。そこへ、大量の火の玉が空から降ってきます。第2作で描かれたように、その火の玉には目が見えず、音を頼りに人を襲うエイリアンが大量に乗っていて、地球人を襲い始めます。エイリアンたちに銃撃は効きません。第1作のラストまで、エイリアンの倒し方は不明でしたので、エイリアンは泳げないということしかわかりません。主人公はやがて、スーツ姿の男に出会い、その男は主人公と行動をともにしようとします。2人は無事に、全ての橋を軍によって破壊されたマンハッタン島から、脱出することができるのでしょうか。 今回も怖いです。音を立てたら、そこにエイリアンたちが次々と襲いかかってくるのです。ただ、このシリーズは、エイリアンが突如猛スピードで現れてびっくりというパターンが多いのですが、それでも怖いことは確かです。終末感も十分に出ており、前作までの森での戦いとは違う、大都会ならではの緊張感もあります。何となく「クローバーフィールド HAKAISHA」を想起させる映画です。ほとんど出番はないものの、脇役のディジモン・フンスーは、今回もいい味を出しています。
2024年08月03日
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アニメ映画史上最大のヒットとなった作品です。ライリーという女の子の頭の中の感情たちがぶつかりあう話です。前作もディン・ドンのシーンが感動的でしたが、今回も、物語の最初と最後に感動が待っています。 ライリーは中学校でアイスホッケーの選手として大活躍し、友人2人とともに、名門高校からセレクションを兼ねた強化合宿へと誘われます。ヨロコビやカナシミ等の感情たちは、ライリーのために最高の思い出だけを残し、ライリーが失敗した記憶は、記憶の外側へと飛ばしています。その翌朝、ライリーに思春期がやってきました。シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリイ、ナツカシという新たな感情たちが登場し、ヨロコビたちは全員、感情の本部を追い出され、遠くの保管庫の中に閉じ込められてしまいます。新たな感情たちのリーダーであるシンパイは暴走し、ライリーにとって最も大切な白い感情の木"I am a good person.(私はよい子)"も遠くに追いやってしまいます。そして代わりに"I am not good enough.(私はまだ十分じゃない)"というオレンジの木を作ってしまうのです。セレクションに合格するために自己中心的な行動を繰り返すライリーは、友人たちとの関係も危うくなってしまいます。一方、ヨロコビたちは保管庫を脱出し、遠く彼方へ飛ばされてしまった白い感情の木を本部に持ち帰ろうとするのですが・・・。 最後のヨロコビが出した驚きの決断が、物語に深みを与えます。前作に続いて大活躍のカナシミや、意外と活躍するハズカシも、いい味を出しています。ピクサーらしい、完成度の高い映画です。
2024年08月01日
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アカデミー賞2部門を受賞した作品です。ブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞を受賞し、メイクアップ賞も受賞しています。舞台劇の映画化で、場面はアパートの室内と廊下だけ。監督はダレン・アロノフスキーです。ダレン・アロノフスキー監督はナタリー・ポートマンの夫で、「π」や「ブラック・スワン」といったトリッキーな演出で知られていますが、今回の演出は、かなり抑え気味です。 極度の肥満症の男が、余命数日だと知ります。男はかつて、娘が7歳の頃に離婚し、ゲイの男のもとへ行きました。やがて、パートナーの男性が拒食症となり自殺。ショックで自暴自棄になった主人公は、過食症になり、大学のオンライン講座で作文の講師をしながら過ごしています。男は娘にもう1度会いたいと連絡を取ります。ただ、7年間会わなかった娘との間には大きなブランクがありました。 全体的に暗く物悲しいトーンで包まれています。主人公の肥満メイクは、すさまじいものがあります。肥満すぎて、アパートの2階から階段を下りるどころか、歩行も困難で、歩行器や車いすを使用しています。だから登場人物も少ないのです。主人公、娘、元妻、介護士、新興宗教の勧誘に来た若い男、ピザの配達人だけです。でも、それぞれの登場人物たちの演技力が非常に高く、個性的でインパクトある演技の応酬となっていて、とても見ごたえがあります。特に、悪態をつきまくる介護士や裏事情のある新興宗教の男の演技力は驚くほどです。 終盤、それまでずっと無表情だった娘の表情が崩れ、部屋に日光が差し込みます。あの瞬間の感動が、心地よい余韻を与えてくれる映画です。
2024年03月24日
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アニメ映画の表現を限界まで高めることに挑戦しているような作品です。「スパイダーマン:スパイダーバース」の続編です。前作は、アメコミの世界を映像化し、アカデミー賞を受賞しました。今回は、さらにレベルの高い映像技術を駆使しています。マルチバースを題材にしたこのシリーズ。今回はマルチバースごとにアニメーターを変えているそうで、キャラクターごとに描写方法が異なっている等、随所にこだわりが見られます。展開も早く、まるでジェットコースターのような話の流れです。 前作で、他のマルチバースからやって来た数名のスパイダーマンたちとともに、マルチバースの均衡を破壊しようとするキングピンを倒した高校生のスパイダーマン。ところが、前作で破壊した粒子加速器の影響で、マルチバースにいくつかの穴が開き、他のマルチバースのヴィランたちが次々と現れます。この事態に対処するため、スパイダーマンは、マルチバースを横断する旅に出ようとします。 そんな所へ現れたマヌケなヴィラン、スポット。空間に穴を開けて通り抜けるのですが、どうにかしてほしいと、スパイダーマンに助けを求めます。でもスパイダーマンはスポットをからかいながら捕まえ、警察が来るまで縄でしばって放置してしまいます。このスポットが縄から抜け出し、やがて最強のヴィランになるとは、その時のスパイダーマンは思いもしなかったのですが。 一方、何十人ものスパイダーマンたちが集まるマルチバースへとたどり着いたスパイダーマン。スパイダーマンは愛する人を失うことでヒーローとして活躍するという運命で、その運命に逆らうとマルチバースが壊れてしまうと言われます。納得のいかないスパイダーマンは、他のマルチバースのスパイダーマンたち全員から追われるはめに。 逃げるスパイダーマンは、自分の愛したおじを救うため、自分のマルチバースへと戻ろうとします。ところがそこは、似てはいるものの、別のマルチバースでした。絶体絶命の危機!どうなるスパイダーマン!というところで、映画はクリフハンガーな終わり方をします。続きが、かなり気になります。
2024年02月12日
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こんなホラー映画、今までなかった!残酷描写は一切ないのに、全編にみなぎる怖さ!最初から最後までハラハラしながら観てしまいました。大ヒットしたビデオゲームの映画化作品で、全米で驚きの大ヒットを記録しました。それもそのはず。面白さ抜群です。 職のないバツイチのさえない男が、閉鎖されたアトラクション型の食堂の警備員の仕事を得ます。その食堂はかつて、機械じかけの動物たちのショーで人気がありましたが、子どもたちの失踪事件が起こり、倒産してしまったのです。警備員の仕事は夜だけ。小さな娘がいる主人公は、娘を連れて行き、娘が眠っている間、警備員の仕事をします。と言っても、仕事中に居眠りをしてしまうのですが。 やがて、建物内で、機械じかけの人形たちが動き出します。主人公が見る不可解な夢と関係がありそうです。人形たちは娘と仲良くなり、娘を自分たちの仲間にしようとします。前任の警備員が人形たちに殺されていることを、主人公はまだ知りません。一方、主人公の別れた意地の悪い妻は、主人公の邪魔をしようと、人を雇って食堂に侵入させるのですが・・・。 ホラー映画にしては、犠牲者はかなり少なく、グロテスクな場面もありません。人形たちはある程度不気味ではありますが、なんとなく愛嬌すらある外見です。なのに、この怖さと緊迫感。まさに新感覚ホラーです。とんでもない傑作です。
2024年02月10日
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「イコライザー」シリーズは安定した面白さがあり、3作どれも外れがありません。第3作である今回もデンゼル・ワシントン演じる主人公は、とにかく強すぎです。その強さを冒頭ではあえてなかなか見せず「ワイルド・スピード:スカイ・ミッション」のような方法で見せてくれるという演出が心憎いです。そしておなじみの「9秒で全員倒す」をやってくれるのですから、観客が何を見たいか、よくわかっているなあと感心します。今回は、約20年ぶりにデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングが共演するというのも、うれしいです。シリーズ完結編は、主にイタリアを舞台にしています。 ワイナリーに隠された新種のドラッグ。それはイタリア国内でのテロ活動と結びつき、陰ではイタリアン・マフィアが取引を牛耳っています。警察は買収され、住民は悪行の数々を、なすすべもなく見守るだけ。そんな時、瀕死の重傷を負った主人公が、イタリアの田舎町で住民たちに助けられます。住民たちの温かさに触れ、ここで余生を暮らしてもよいかと主人公が思い始めた頃、マフィアの魔の手が住民たちを脅かし始めます。また、ダコタ・ファニング演じるCIA捜査官も、主人公を追ってやってきます。爆破シーンの映像には、圧倒されました。 監督は全2作に引き続きアントワン・フークワがメガホンをとっています。今回はイタリアン・マフィアが相手ということで、2作目よりも敵がパワーダウンしているのでは、と心配しましたが、杞憂でした。中盤までは、悪役たちの残虐非道な振る舞いの数々を描き、それを主人公があっさり倒す爽快感。それなのに、この全編にみなぎる緊張感。たまりません。
2023年10月29日
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殺し屋たちの世界を描き、独創的な世界観と痛快なアクションが世界中で大人気の「ジョン・ウィック」シリーズの第4作目で、物語は完結します。前回は絶体絶命のピンチで瀕死になったキアヌ・リーブスが、今回はついに世界中の殺し屋たちをまとめる「主席連合」のボスと対決します。 冒頭の砂漠での戦いの後、いきなりニューヨークのコンチネンタル・ホテルが爆破され、シリーズでなじみ深い名キャラクターの1人が殺されてしまいます。舞台は真田広之が経営する大阪コンチネンタル・ホテルへ。そこでキアヌを追ってきた敵は、ドニー・イエン演じるかつての親友で盲目の殺し屋でした。キアヌや真田広之は相変わらずかっこいいのですが、今回の見どころは、何と言ってもドニー・イエン。とぼけた味わいと盲人ならではの独特な動きで、とにかく強いのです。今までは、世界中の殺し屋が襲いかかってくる中でも、キアヌが最強でした。ところが今回は、そうはいきません。もちろんキアヌは劇中に殺し屋数百人を倒します。でも、ドニー・イエンもすごいのです。それだけでなく、人情味もあり、とにかくキアヌとの友情が熱い。それでいてお互いを殺しあわなければならないのですから、人間ドラマも盛り上がります。主席連合は世界中の殺し屋を使って、主人公を狙ってきます。一方、なぜか主人公の居場所を独自の方法ですぐにかぎつけるトラッカーという謎の殺し屋も出現します。このトラッカーもまた、味のあるキャラクターなのです。第3作はコメディ路線に変わってしまったのかと少し心配しましたが、物語の雰囲気は、最初の2作のように元に戻っています。 中盤のドイツの場面では、ジョン・ウィック、盲目の殺し屋、ギャングの大ボス、トラッカーの4つどもえの戦いとなり、大混戦です。クライマックスはパリを舞台に、凱旋門の死闘、長い階段を人が転げ落ちまくる激闘を繰り広げ、マカロニ・ウエスタンのような決闘シーンへとつながっていきます。特に、上からの俯瞰するようなロング・ショットですさまじい銃撃戦が繰り広げられるシーンは白眉です。 この映画は、あまりにもユニークな世界観のため、シリーズは完結するものの、すでにテレビドラマやスピンオフ映画が製作されており、まだまだ楽しませてくれそうです。
2023年10月27日
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久しぶりのオリジナルなSF超大作です。主演はデンゼル・ワシントンの息子で「テネット」のジョン・デイビット・ワシントン、共演は渡辺謙、製作総指揮・脚本・監督は「ローグ・ワン:スターウォーズ・ストーリー」のギャレス・エドワーズです。 AIが核爆発を起こし、AIを撲滅しようとする西側諸国とAIと共存の道を模索中のニュー・アジアが戦争中の未来。家族を核爆発で失った主人公は、妻とともにニュー・アジアで平和に暮らしています。そこへ西側諸国が奇襲をかけます。ところが、主人公が西側諸国の潜入捜査官であることがばれてしまい、妻はAIとともに逃亡をはかります。そこへ、西側諸国の空に浮かぶ要塞ノーマッドからの攻撃が。妻たちの乗ったボートは大爆発を起こしてしまいます。5年後、西側諸国の勝利の鍵であるノーマッドを破壊できる究極の兵器が完成し、しかも死んだはずの妻が生きているかもしれないという情報を受け、主人公は再びニューアジアへと向かいます。彼がそこで見つけた究極の兵器とは、少女の姿をした無邪気なAIでした。 実は、誤解を与えるような予告編でした。予告編ではAI側が次々と強力な武器で人類を圧倒しようとしているかのような印象を与えていますが、実は数々の兵器を持っているのは西側諸国です。序盤では、西側諸国の人間たちの残虐さをこれでもかと見せつけられます。前半は、「ローグ・ワン」の監督らしく、新たな登場人物が出てはすぐ死んでしまうことが繰り返され、なかなか緊迫感があります。中盤で明らかになる核爆発にまつわる衝撃の真実。ノーマッド内で繰り広げられるクライマックスシーンは手に汗握る展開です。 SF映画なので、ツッコミどころは山ほどあります。序盤で主人公が見た妻の映像は何だったのか。撃たれた少女のAIが「母親」と会った後、なぜ急に元気になるのか。ラストの渡辺謙の様子等、気になる点はたくさんあります。でも、「エリジウム」「チャッピー」「オブリビオン」等、2010年代のB級SF映画を想起させ、この映画はこれで面白いと思います。
2023年10月22日
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スティーブン・キングの初期の短編小説集『深夜勤務』は、大好きな作品です。その中での目玉作品として扱われている「子取り鬼」が、ついに映画化されました。スティーブン・キングの初期の短編集からは、数多くの作品が映画化されています。今まで映画化されなかったのが不思議なくらいの傑作小説です。 この作品は、当初はネット配信の予定でしたが、原作者のキングが映画を大変気に入り、自身が経営する映画館で上映することにしたのがきっかけとなり、全米でスマッシュヒットを記録しました。 母の死により、悲しみに包まれたある一家。父親は家でカウンセラーの仕事をしています。そこへ不意に怪しげな男が訪れ、自分の子どもたちが次々に死亡し、自分に容疑がかけられたという悩みを語ります。父親が目を離したすきに、その男は死んでしまいます。自殺ということで片付けられましたが、どうもそうではないようです。悲しむ人に近づき、その家の住人を恐怖に落として愉しみ、人々を殺すブギーマン。2人の娘たちは「ブギーマンがいる」と言い始めます。 高校生の長女が主人公として描かれるこの映画。ホラー映画ならではのツッコミどころは山ほどあるのですが、本当に怖いです。全編にみなぎる緊張感は「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のようですし、こちらのほうがブギーマンに知性を感じさせるため、余計に恐怖をあおります。姿を現さないブギーマンがクライマックスで姿を現しても、「サイン」や「スマイル」のように興ざめしてしまうこともありません。 原作は、アンハッピーエンドです。それを知っているからこそ、映画が終わるその瞬間まで、恐怖と緊張感がみなぎります。作り手の「怖ければ何でもあり」という気合いが感じられる力作です。
2023年08月25日
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まさにシリーズの集大成!シリーズの醍醐味をたっぷりと見せてくれます。このシリーズの頂点は7作目の「スカイ・ミッション」ですが、それに匹敵する面白さです。第10作目ということもあり、完結編の前半戦という位置づけです。そのため、シリーズのほぼ全作品を振り返るような物語で、ラストの2重のどんでん返しまで、全編クライマックスの連続です。気合いが入りまくりです。ルイ・レテリエ監督の映画は、予告編で期待させておいてがっかりというパターンが結構あったのですが、今回は違ったので安心しました。 今回の敵役は、「アクアマン」のジェイソン・モモア演じるダンテです。第5作「メガ・マックス」の敵役の息子で、主人公たち「ファミリー」に復讐を始めます。常に笑顔でしゃべりまくりながら、残虐非道な行いの数々をやってのけるという、まさにはまり役と言えるでしょう。このキャラクターは、いつまでも見ていたい気持ちにさせてくれます。また、第8作の悪役だった凶悪なはずの主人公の兄が、おちゃめで頼もしい味方となって登場します。さらに、シリーズのラスボスになるとずっと思っていたシャーリーズ・セロンまで味方になってしまいます。このシリーズでは、前作までの悪役が次々と味方になり、その途端、大幅にイメージチェンジしてしまうのですが、それもまた面白いものですね。もちろん、第7作の悪役だったジェイソン・ステイサムも仲間として登場し、笑わせてくれます。 前半のローマでの燃え盛る核爆弾が街中をごろごろ転がるカーチェイスに始まり、これでもかというほどのアクション・シーンが立て続けにやってきます。いったいどれだけいるのかと思えるほど山のように出てくる敵の数に圧倒されます。これは、まるで「ブルース・ブラザース」や「ロード・オブ・ザ・リング」です。敵の数、多すぎです。それも含め、裏切りあり、先の読めない展開ありの、手に汗握るシーンに満ちたこの作品、長い上映時間があっという間に過ぎてしまいました。それにしても、大ピンチで終わるクリフハンガーなラスト、いったいどうなってしまうのか、次回が楽しみです。
2023年08月18日
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ピクサーの最新作は、火・水・木・雲の4つのエレメントが生活するエレメント・シティが舞台です。主人公は、他のエレメントを避けて生活してきた火の少女。ある日、主人公一家が経営する店の地下の水道管が破裂し、大量の水とともに水のエレメントの青年が現れます。店を守るため、水の青年を追ってエレメント・シティの中心部に向かった主人公は、火と水という相容れないはずのエレメントを超えて交流を深めながら、水漏れの原因を探ります。それは、火のエレメントたちが生活している居住区の存亡にかかる出来事へと発展していくのでした。 思ったほどヒットせず、ピクサーはもはや時代遅れなどと言われていますが、この作品ではピクサーの底力を見せてくれます。エレメントたちというファンタジーに題材をとりながらも、ベースになっているのは、アメリカの韓国移民2世として働く監督自身の体験です。火のエレメントたちが生活するのは、まるでチャイナタウンですし、エレメント間の差別等も描かれます。クライマックスは、しっかりと感動させてくれます。期待以上で、意外な掘り出し物でした。
2023年08月16日
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あのマリオの世界が完璧に再現されました。製作総指揮はマリオの生みの親で完璧主義者として知られている宮本茂です。任天堂が「ミニオンズ」のイルミネーション・ピクチャーズと組み、6年の歳月をかけて完成させました。 配管工の兄弟、マリオとルイージが悪の大魔王クッパにさらわれたピーチ姫を救うため戦うというベースの話はおなじみですが、今回は、とにかくピーチ姫が強い!そこでメインはルイージを救う話になっています。ファミコン時代から慣れ親しんだあの音楽もあのキャラクターも次々と登場し、完成度の高さに驚いてしまいます。公開4週目にして全米歴代興行収入トップ20以内に入ったというのも納得です。 見どころは、中盤のマリオカートの場面です。迫力満点で、こんなにマリオカートが手に汗握るなんて、と驚くほどです。最初から最後までマリオ愛にあふれたこの作品、約30年前に製作されたカルト映画「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」とは全く違う、本物のマリオの映画化作品です。
2023年05月07日
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とんでもない映画に出会ったという満足感とともに、映画館を出ることができました。 独創的で圧倒的な面白さ!20年ぶりにやっと出てきた、アカデミー賞作品賞にふさわしい映画です。物語の題材は、今はやりのマルチバース(多元宇宙)です。夫や父親、娘との関係がうまくいっていないコインランドリーを経営する主人公(ミシェル・ヨー)が人のよい夫(キー・ホイ・クアン)とともに、税務署に申告に行きます。そこで監査官(ジェーミー・リー・カーティス)にいびられるのですが、その時、いきなり全てのマルチバースを絶対悪から守る使命を受けます。なぜなら、主人公は不憫すぎるため、バースジャンプする(他のマルチバースに行く)と、他のマルチバースで自分が身につけた能力を自分のものにできるからです。 この映画は、その後のストーリーを説明するのが困難です。誰が敵で誰が味方なのか、どのマルチバースの話なのかが複雑に絡まりあってきます。しかも、物語の中盤には、あっと驚く展開が待っています。前半は笑わせつつもサスペンスフル、後半は登場人物の1人ひとりに見せ場をつくり、感動させてくれます。たーまは、家族の絆。目まぐるしく切り替わる映像に圧倒されつつ、物語のもつエネルギーと主要な登場人物たちの演技力に感動させられます。好き嫌いはあると思いますが、ものすごい映画だという点では、意見が一致するのではないでしょうか。 製作総指揮は、「アベンジャーズ:エンドゲーム」のロッソ兄弟とミシェル・ヨー。ミシェル・ヨーはかつて、ジャッキー・チェンと共演し、「ジャッキー・チェンよりも強い」と言われた人です。その背景を知っていると、にやりと笑えるシーンもあり。特筆すべきは、数十年ぶりに映画界に復帰したキー・ホイ・クアンです。「グーニーズ」や「インディ・ジョーンズ:魔宮の伝説」で活躍した子役でしたが、とてつもない演技力です。まさに、革新的な作品です。
2023年03月04日
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驚くようなニュースが入ってきました。近年の興行収入の傾向で、コメディ映画と人間ドラマ(「フェイブルマンズ」、「バビロン」等)はヒットしないので、みんなストリーミングになってしまうのではないか、というものです。そうなると、アカデミー賞はどうなってしまうのか、と心配になってしまいます。 20年ほど前は、全米興行収入の7・8本は続編映画でした。その傾向は続くどころか拡大し、2022年はトップ10全作品が続編となりました。MCUやDCEUを壮大なシリーズとカウントしたとは言え、驚くことです。そこで、今後の続編映画情報をまとめてみました。 まず、最も高い興行収入をあげているマーベルの映画(MCU)は、フェーズ5を一気に紹介します。ただし「スパイダーマン」のアニメ作品2本を除きます。 2023年「アントマン・アンド・ワスプ:クアントマニア」では、今後の強敵となるカーンが登場します。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」は、感動の完結編になるという噂です。スパイダーマンのスピンオフ「クレイブン・ザ・ハンター」も公開予定です。 2024年「キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー」、「サンダーボルツ」、マハーシャラ・アリ主演の「ブレイド」、ウルヴァリンが登場する「デッドプール3」が公開予定。 2025年「ファンタスティック・フォー」、「アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ」 2026年「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」で大きな区切りがつくとのことです。 MCU以外の作品は、以下の通りです。 2023年1番の注目作は、やはり「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」でしょう。最近は、今までの映画のヒーローたちが死んでしまう映画が次々と作られていますが、インディ・ジョーンズは、生かしておいてほしいと願っています。幼馴染と対戦する「クリード3」、ネーヴ・キャンベルが降板した「スクリーム6」、「3」のようなコメディ路線になってしまうのかもしれない「ジョン・ウィック4」、ティモシー・シャラメが「チャーリーとチョコレート工場」の主人公の若き日を演じる「ウォンカ」、「ゴーストバスターズ」の新作、当初はシリーズの完結編と予定されていた「ワイルド・スピード10」があります。他にも、「トランスフォーマー7」、「インシディアス5」、「ザ・メグ2」、「イコライザー3」、「死霊館」のスピンオフ・シリーズ「ザ・ナン2」、「デューン:パート2」も公開予定です。シリーズの前日譚を描く「ハンガー・ゲーム」の新作、「エクスペンダブルズ4」と「ソウ10」は、もはや時代の流れに合っていないような気もしますが…。アニメ作品では「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」、「パウ・パトロール2」、「トロールズ3」も公開予定。DCEUからは、「シャザム!:神々の怒り」が公開。また、製作中に物議をかもしている2本、「ザ・フラッシュ」と「アクアマン:ロスト・キングダム」が登場。「ミッション・インポッシブル:デッド・レコニング」は2部作になり、2023年と2024年に連続公開予定。 2024年「クワイエット・プレイス:デイ・ワン」は、タイトルからして「2」の1日目をさらに丁寧に描くのでしょうか。「ゴジラ・アンド・コング」は、モンスターバースのシリーズ5作目。「ムファサ:ライオン・キング」は実写風「ライオン・キング」のスピンオフ作品。「猿の惑星」の新作が登場します。続編でしょうか、リブートでしょうか。「マッドマックス」のスピンオフ「フュリオサ」も公開します。アニメ作品では、「カンフー・パンダ4」、「スパイダーマン:ビヨンド・スパイダーバース」、「インサイド・ヘッド2」や「怪盗グルー4」が公開予定です。「ツイスターズ」は、あの「ツイスター」の続編です。「ソニック3」は、引退したジム・キャリーの代わりに誰が悪役を演じるかに注目です。ミュージカル「ウィキッド」は、2部作になる予定。出演はジェフ・ゴールドブラム、アリアナ・グランデなど。2024年と2025年に連続公開予定です。 「スター・ウォーズ」と「アバター」は、多くの続編が作られる予定です。「スター・ウォーズ」は2025年と2027年公開予定。「アバター」は2024年、2026年、2028年公開予定です。 以前はこのリストを作っていて、わくわくしたものですが、近年のアメリカ映画界の流れを見ていると、以前の勢いを失っているようで、何となく不安になってしまいます。続編映画も良いのですが、もっとオリジナル作品を観てみたいと思います。現在、映画界を取り巻く大きな転機に差しかかっているような気がします。
2022年12月24日
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とてつもない映画に出会いました。「君の名は。」の新海誠監督の最新作です。新海誠監督は、一貫して大災害を扱ってきました。今回も、開いたら災厄を招くという「みみず」が飛び出すという「後ろ戸」を閉めるために日本列島を横断する旅を続けていく主人公すずめのロードムービーの形をとっていますが、真正面から大災害に向き合っています。 主人公は、宮崎県に住む高校生。ある日、不思議な青年そうたに出会います。ひょんなことから、すずめは「後ろ戸」を開けてしまい、さらに・・・。辛うじて自分が開いてしまった「後ろ戸」を、そうたとともに閉じることに成功しますが、直後に現れた謎の猫ダイジンによって、そうたはすずめが幼い頃に使っていた椅子に姿を変えられてしまいます。逃げるダイジン、追う椅子、それを追うすずめ。ここから物語が本格的に動き出します。 テンポが速くキレのよいスペクタクルなアクション・シーンの連続です。ロードムービーとしても、実際の景色を知っている人には「あっ!ここだ!」と思える場面も次々と出てきます。すずめとそうたのラブストーリーにダイジンをめぐるミステリー要素も絡みます。アクション・シーンも次々と工夫されていて、手に汗を握ってしまいます。中盤のアクションは、本来なら映画のクライマックスとなるくらいですが、さらにそこからものすごいアクション・シーンへと展開していくのです。「君の名は。」では、壮大なシーンがあえて描かれなかったのをやや物足りなく感じましたが、今回は真正面から描いてくれます。キャラも個性的です。また、サダイジンが現れる際の恐怖演出はぞっとします。新海誠監督特有の空と水を美しく描く映像だけでなく、今回は写真とみまがうばかりの絵が随所に挿入されていて圧倒されます。特に私は、ワッフルコーン人形のリアルさに驚きました。映像全体も気合いが入りまくっていて、次々とたたみかけるように映像美が続きます。SF映画としても「ああ、そういうことだったのか」と納得の伏線回収もしてくれます。そして、クライマックス。あのセリフの連続。これは、泣けます。 これは、日本映画で、東日本大震災を正面から扱った初めての超大作映画ではないでしょうか。素晴らしい作品に出会えました。
2022年11月28日
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この衝撃のラストにやられました。ドンデン返しなど全く予想していなかったので、だまされる快感を味わいました。一風変わったゾンビ映画と言えるかもしれない作品です。 前作「ゲット・アウト」で、監督デビュー作にしていきなりアカデミー賞作品賞にノミネートされたジョーダン・ピール監督の第2作は、前作よりも怖さを増しています。「ゲット・アウト」も傑作でしたが、この監督は、医学的なSFを題材にした黒人ホラーでぐいぐいと観客をひきつけます。特に序盤のBGMなし、子供の視点で描かれたカメラワークの遊園地のシーンの不気味さ。鏡の館での恐怖シーン。ウサギとともにかかる曲の不穏さ、そして何よりも驚きの結末。傑作です。「ゲット・アウト」では白装束の集団が、今回はハサミを持った赤装束の集団が襲いかかってきます。前半は個人的な恐怖映画のノリですが、中盤からはゾンビ映画のような展開になってきます。なぜ、主人公の顔をした女だけが話せるのか、いったい何が目的なのか、なぜ主人公たち一家だけがすぐに殺されないのか、全てがつながり、スケールの大きなラストシーンへとつながっていくのです。ルピタ・ニョンゴの熱演も素晴らしいです。
2019年09月15日
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たくさんのコメントありがとうございました。
2004年03月08日
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たくさんのコメントありがとうございました。
2004年03月07日
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たくさんのコメントありがとうございました。
2004年03月06日
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