(ブルームバーグ): 東京都は新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、緊急事態宣言の発出を政府に要請することも視野に検討すると、NHKが1日報じた。情報源は明示していない。
東京都では、前日の昨年12月31日に新たに1337人の新型コロナウイルス感染者が確認された。一日当たりの新規感染者数が1000人を超えるのは初めてで、過去最多だった26日の949人を大きく上回った。
小池百合子知事は、新規感染者数が過去最多を大幅に上回ったことを受けて、「コロナに年末年始はない。静かなお正月をご家族とステイホームで送っていただきたい」と、年末年始は外出自粛などの対策を徹底するよう都民に訴えた。
西村康稔経済再生担当相は30日夜、自らのツイッターへの投稿で、新型コロナウイルスの感染拡大がこのまま続けば「国民の命を守るために緊急事態宣言も視野に入ってくる」との危機感を示していた。
菅義偉首相は31日夕、急きょ関係閣僚を官邸に呼び対応を協議、その後記者団に、最近の感染状況について「明らかに増加傾向にあり、大変厳しい認識をしている」と表明。緊急事態宣言を発出するかどうかについては、「まず今の医療体制をしっかり確保して感染拡大回避に全力を挙げることが大事だ」と述べた。
(c)2021 Bloomberg L.P.
駆け巡った再発令情報
1日4回の“ハシゴ会食” 批判されても菅総理が「会食」を止めなかった理由
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https://www.dailyshincho.jp/article/2020/12290810/?photo=1
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「菅さんが尾身さんと一緒に会見するという話が前日昼過ぎに固まり、“緊急事態宣言がまた出るんじゃないか?”という話が一気に広まりました」
と、政治部デスク。
「菅さんが宣言の発令を検討しているとか、尾身さんが一緒にいるのは細かいことを説明する必要があるからだとか、そんな情報が出回って、各社確認に追われていたようです」
実際、「どこかのタイミングでカードを切って冬場でも感染者が減ることを日本として経験しておくのも一つの選択肢だと考えています」(和田耕治・国際医療福祉大学国際医療協力部長、医学部公衆衛生学教授)など、年内の宣言発令に触れる専門家の声もあった。
しかし蓋を開けてみると、菅首相は「静かな年末年始」を呼びかけると同時に、新型コロナに関する特別措置法改正には積極的ではあったが、緊急事態宣言の再発令には慎重な姿勢を見せたのだった。
再発令に慎重な姿勢について、官邸関係者によると、
「安倍さん(晋三前首相)が出した時に比べると、感染者が増える理由は割と見えています。生活を普段から共にしていない人たちと少なくない人数で集まって、長時間に亘って会食をするというのは感染者を間違いなく増やす要因です。それを家庭に持ち帰って家族に感染が急拡大しています。ですから、そういった会食の席を我慢してほしいとお願いすることにフォーカスすることにしたのでしょう。安倍さんの頃はそこに絞っていいのかハッキリとはしなかったので、宣言を発令せざるを得ませんでした」
そして
「こちらの方がもっと大事なポイントなのですが、一度宣言を出してしまうと、いつ解除するのかという問題が必ず付きまといます。その“終わらせ方”が悩ましくて、宣言を出しづらいというのが官邸内の一致した考え方です。安倍さんの時に1度延長したことを菅さんは隣で見ていますからね」
受験シーズン到来
自民党のある閣僚関係者にも聞いてみると、
「似たようなお願いは1カ月前から続けてやっているんですよね。夜間の飲食店への出入りを自粛してほしいとか、東京都が『5つの小』をアピールしたりとか。まあ小池さん(百合子都知事)がやると、パフォーマンスじみているから、国民にメッセージがちゃんと伝わらないという痛しかゆしな面があるんですが……。そういうメッセージが出ている一方で、『Go To』事業に菅さんはこだわって継続しましたよね。あれが原因で感染者数が増えたという言い方は軽々にはできませんが、危機感を伝えたいなら的確なやり方ではなかったのかもしれません、今となっては後の祭りだけどね。例えば、Go Toを利用し、高齢者の方々が5人とか6人の団体で新幹線に乗ってワイワイガヤガヤおしゃべりしながら、それでもコロナって怖いわね~みたいな会話をしているわけですよね、有効な手を打てないままここに至ってしまった感じがしています」
先の官邸関係者はこう明かす。
「1月11日まで『Go To トラベル』は停止されていて、色んなアンケートでも、“今年は帰省を控える”という回答をした人がかなりの数にのぼっています。おのずと接触機会は減り、緊急事態宣言に近い状態の年末年始を迎えられるのではないかという希望的観測も正直ありますね。なにしろ宣言は何度も出せるものではない大事なカードですから、できれば温存しておきたいということです。新規感染者数が1日に1000人を超えることは想定内ですし、年が明けると、大学入学共通テストを皮切りに受験シーズンに突入します。その時期が緊急事態宣言と重なってもいいものなのかという議論も、当然あるんですよね」
国民にお願いをし、祈るほかないということのようだ。
週刊新潮WEB取材班
2020年12月30日 掲載
新潮社
立憲民主党の枝野幸男代表が31日、自身のツイッターを更新。この日の東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が1300人を超える見通しになったことに見解を示した。
枝野氏は「東京での新規感染者の確認が、一気に1300人を超えました。さきほど年末のご挨拶を申し上げましたが、緊急のコメント動画をアップします」と緊急の声明を投稿。続けて「政府に緊急事態宣言などをさらに強く求めます。皆さんも自分と大切な人の命を守るための行動をお願いします」とツイートした。
報知新聞社
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月29日放送)に週刊文春記者の和田泰明が出演。立憲民主党の羽田雄一郎参院幹事長が新型コロナの感染により亡くなったことの政界への影響について解説した。
「自分が、自分が」という人が多い立憲民主党のなかで羽田氏は「紛れもなく人格者」
12月27日(日)に亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎参院幹事長の死因が、新型コロナの感染によるものだったことがわかった。現職の国会議員が新型コロナの感染症で亡くなったのは初めてだ。
飯田)旧民主党政権では国土交通大臣を務めていた方でもあります。羽田孜さんの息子さん。どういう方だったのですか。
和田)僕は1度も取材したことがないので、28日に立憲民主党の方に取材したのですが、親分肌ですね。古き良き政治家ということで、まさに若い人に飯を食わせていると。高級中華が行きつけだったようで、そこに若手を集めて、当然ご馳走するのだということですが、あまりお酒を飲まれないと。取材した方は、下戸なのではないかと言っていましたが、高級中華なので美味しい時間帯にその人たちに出してもらうように気を使ったり、お酒を飲まないので自分で車を運転してきて、後輩を宿舎に送り届けたりしていたと。そのくらい悪く言う人がいないような。立憲は「自分が、自分が」という人が多いのですが、そのなかで紛れもなく人格者だったということを言っていましたね。
飯田)なるほど。持病がおありだったということも言われていて、糖尿病、高脂血症、高血圧だったと。基礎疾患があるとどうしてもリスクが高まるという話もありますが。
多くの政治家が「パーティ」「会食」を悪気なくやっている
和田)政治家って過信があって、まさに菅総理と二階幹事長が会食していたと批判されましたが、自分たちは大丈夫だと、丈夫であることが政治生命を伸ばすことにもなるので、過信はあったのですが、今回の件で、流石にこれはいけないという風になっていると思いますね。
飯田)やはりこれで空気は変わりますか。
和田)間違いなく変わりました。
飯田)コロナが流行っているなかでも、感染防止対策をしていますよ、という形で政治資金パーティーをやったり、会合が行われたり、けっこういつもと変わらないことをやっているという感じで。
和田)やっていますね。それは私たちが(文春で)書いたのですが、厚生労働委員会の委員長だった渡嘉敷奈緒美さんという方が、コロナにかかったので不在のまま政治資金パーティーをやっていたということを書いたら、けっこうヤフー(ニュース)のトピックスに上がったりしたのです。僕の感覚からしたら「やるのかな」くらいだったのですが、一般の方からしたら「許さない」ということになっていて。田村厚労大臣も朝パーティーをやっていたり、加藤官房長官も昼食会をやったり、報じられないだけでけっこうやっているのです。
飯田)そうなのですね。
和田)はい。だから、感染防止をやっていると言っても、こういうときにお金集めかと。田村さんも当然医師会とかも呼んでいるのですよ。私の知り合いがたまたま参加していたのですが、やはり断れないと。そういう会を悪気なくやっているのですよ。
飯田)ルーティーンとして、という感じですか。
和田)はい。けっこうホテルのキャンセルも大変ですし、みんなに中止になったと連絡をするのも大変なわけで、そう考えたらやってしまおうということになるのでしょうね。しかし、それは普通の人の感覚からしたらおかしいというのは当然ですよね。
飯田)確かに、この冬も忘年会はもうやれないという感じで、みんな粛々と家で1人でお酒を飲むというような人が多いなかで。
和田)そうですね。渡嘉敷さんなどは、ホテルニューオータニの鶴の間という、いちばん大きい会食をやっているのですね。私も取材に行ったのですが、マスコミの人は入ってはいけないという張り紙があって、おそらくやましいと思ってやっているのだと思うのですけれども。
飯田)表向きは感染対策など理由をつけていても。
和田)その辺りナーバスになりながらも無理やりやっているというあたりですよね。だから、流石に来年はそういうのはできなくなりますよね。
飯田)経団連など、経済三団体の祝賀会も来年の頭は中止だということも報じられております。
毎年、カウントダウンを楽しむ人でにぎわう東京・渋谷。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため鉄道各社が終夜の運転を取りやめ、区長が渋谷に集まらないよう呼びかけるなどしていたが、31日も若者を中心に多くの人の姿があった。
【写真】多くの人でにぎわう東京・渋谷のスクランブル交差点=2020年12月31日午後5時、林敏行撮影
あたりが暗くなってきた午後5時。この日、東京都では、1日あたりで確認された感染者数が1300人を超え、過去最多を更新したことが判明。ただ、渋谷駅前のハチ公前広場は、待ち合わせをする人たちでにぎわっていた。
都内に住む会社員の男性(24)は、大学時代の友人と2人で居酒屋に向かうという。社会人になって初めて年末年始に休みがとれたが、東京で感染者が増えている状況をみて山形の実家への帰省はやめた。「何もしないのも寂しいから」と渋谷に来たという。「人の少ない店を選んだし、2人で気をつけて会食すれば大丈夫でしょ」
渋谷区の長谷部健区長は大みそかに先立ち、区の公式HPで「ステイホームで年越しをお迎えください」というメッセージを公表。区が主催者として名を連ねていたスクランブル交差点周辺での年末カウントダウンイベントも中止を決めた。交差点を囲む大型ビジョンを管理する会社に対し、31日午後11時に広告映像を停止するよう要請していた。
神奈川県内の大学に通う女性(21)は「カウントダウンイベントがある居酒屋で朝まで過ごします」と話した。全国的な感染状況については、「怖くないことはないけど、議員さんだって大人数で飲んでるから。若者だけ制限される意味が分からない」と話す。
朝日新聞社
東京都の小池百合子知事が31日、ツイッターに投稿。前日の新型コロナウイルス感染状況を記し「若者も重症化や後遺症が生じる例があります。コロナを甘くみないでください」と警告し、「いつもと違う年末年始を」と呼びかけた。
31日午後には東京の新規感染者が一気に過去最多1300人超となったことが明らかになった。
立憲民主党の小沢一郎衆院議院が31日、ツイッターに新規投稿。東京都で新型コロナウイルス新規感染者数が1300人超と初めて1000人台となったことについて菅政権を批判した。
小沢氏は「結局は人災」とし、「多くの識者は秋冬の感染に備えよと警告していたのに、政府は『日本モデルで克服した』などと神風的な発想でGoTo利権に取り憑かれ、それが全国的な大感染を招いた。今では『国民が悪い』かのような言い訳ばかり」と指摘。
「この政権は、もはや根源的な職務を放棄しつつある」と懸念を示した。
誰もこの男を止められないのか――。
自民党の二階俊博幹事長が12月27日、BS朝日『激論!クロスファイア』に出演。今月14日に菅義偉首相ら8人と行った“ステーキ会食”について、
二階幹事長が80人の満員集会で「コロナ傲慢・仰天発言」連発!
「飯を食うために集まったんじゃない」
と、会食そのものの事実を否定した。二階氏はこの件について「ある意味では誤解ですよね」とし、
「我々は年に1回忘年会を開いておったわけですよ。で、ちょうどいい機会だから、総理もそれぞれの人、各界の代表的な人だし、出会っておいた方がいいかな」
と説明。政府が5人以上の会食を控えるよう呼び掛けている中の行動だったが、
「別に8人で会っただけで、会食ってそんなことを特にやったわけではない。飯を食うために集まったんじゃないんですよ。ただそこでその時間に出会ったということですよ」
と主張した。一般の人はコロナの感染拡大を憂慮し忘年会も控えている人も多いが、これについても
「会食を目的に出会ってるんではないですからね。そこで出会って意見交換をすること、今の事態に対してどう対応するかということを考えてやってるんですから」
と、ぶ然とした表情で言い放った。
ようは食事よりも、各界著名人との意見交換会で主という言い分のようだが、参加した面々の顔ぶれは首相や二階氏の他、ソフトバンクの王貞治球団会長、俳優の杉良太郎、タレントのみのもんたら。この面々で一国の今後を左右するような建設的な話し合いが行われたかは疑わしい。
みのもんたに至っては、「東京スポーツ」で、会の主催者が二階氏で、菅首相は急きょ呼び出されたと暴露(東スポWebで23日11時25分配信)。話の中身についても王貞治氏の野球観や今年のシーズンの総括などが中心で、あとは「特に盛り上がるような話題もないから、静かに食事してました」と証言している。
「東スポの中身はそれでもだいぶ抑えた内容だったそうです。本当は二階氏がああでもない、こうでもないと“放言”しまくっていたとか。菅首相の出席も当初は予定されておらず、参加者の目の前で自身の力を誇示するように、呼び出したというのが真相でしょう。“自分こそがキングメーカー”と言わんばかりだったようですよ。
そんな調子だから、会は全く盛り上がらず、菅首相も和やかな雰囲気は崩しませんでしたが、ほとんど会話はしていなかったと聞いています」(政界関係者)
それでいて、批判の矢面に立ったのは菅首相なのだから、とんだとばっちりだろう。
それにしても、二階氏の権力増大が止まらない。もともと、旅行代理店の全国組織・全国旅行業協会の会長を長年務める「観光業界のドン」として知られるが、「建設族のドン」だった野中広務・元自民党幹事長から「全国土地改良事業団体連合会」の会長職も引き継ぐと、今や建設業界、農業土木業界という自民党の大票田を握る党内最大の実力者となった。
「無派閥の菅さんが総理になれたのは、二階氏が『後見人』になったから。コロナの感染拡大が進行しているのに、ギリギリまでGoTo停止しなかったのは、二階氏の顔色をうかがっていたから。菅氏にとって二階氏は”恩人“ですが、同時に”目の上のタンコブ“でもあるのです」(前出・政界関係者)
冒頭のテレビ番組での二階氏の発言は、論理が破綻しており、ともすれば「ボケ疑惑」も浮上するレベルだが、永田町関係者によると
「本人は“頭はキレキレ”と思っている。以前、大臣経験のある中堅議員が二階さんの真後ろの席で『この人、ボケてるからね~』とヒソヒソ話していたら、それを聞き逃さなかった二階さんが『俺はボケてない!』と激怒したことがあったとか。その中堅議員は将来の首相候補にも一部で名前が挙がるほどの人物だが、二階氏をボケ老人扱いしたため、総理の目はなくなったとまで言われている」
という。国民から反感を買おうが、どこ吹く風。二階氏の天下は当分続きそうだ――。
FRIDAYデジタル
年の瀬が近づくにつれ、国内の感染状況は一層、深刻化している。各地で医療崩壊の危機が叫ばれるなか、帰省を諦めた人も多い。急遽、予定変更を余儀なくされた人の嘆きや、大都市部で予想される密にスポットを当てた!
年末年始に大都市の人口が急増し各スポットが密に!?
例年であればこの時期、年末年始の帰省や旅行の計画に胸を躍らせる頃だが、新型コロナ流行の第3波が猛威を振るうなか、例年通りにはいかないようだ。
アルバム作成アプリ「アルバス」が、関東地方以外に実家がある東京・神奈川在住の女性を対象に行った調査によると、年末年始に「実家に帰省予定」とした回答者は36.4%にとどまり、「帰省はしない」が51.6%に上った。
さらにJR東海によると、年末年始の東海道新幹線指定席の予約状況は、前年比66%減になり(12月9日時点)、JR東日本も東北、山形、秋田新幹線指定席の予約状況が前年同期で約6割減の約27万席にとどまったという。
師走に入り、全国の複数の知事が、帰省を控えるように呼びかけたことも一因といえよう。
「Go Toトラベル」全国一斉停止で帰省を諦めた人々
一方で、それでも帰省しようとする人々を諦めさせたのが、12月14日に発表された「Go Toトラベル」の全国一斉停止だ。
「感染リスクがほぼゼロの帰省を計画していた」という、都内在住の40代男性は嘆く。
「孫たちの顔を見せてあげたくて帰省を強行する予定でした。実家がある四国までの移動手段に選んだのは、東京・有明と徳島を結ぶカーフェリー。約20時間の船の旅は宿泊扱いになり、Go Toトラベルの対象だった。車ごと乗船し、家族4人で個室から出なければ、船内での感染は防げます。両親のいる実家には泊まらず、閑散期のキャンプ場のコテージに家族で宿泊するつもりでした。しかし、Go Toトラベルが適用されないと10万円以上高くなるので、泣く泣く断念しました」
同じく都内に住む30代の独身女性も帰省を諦めた。
「私の実家は九州の田舎なんですが、『ご近所から白い目で見られる』というので、中間地点の大阪のホテルで両親と一緒に年越しする予定でした。しかし、Go Toトラベル停止になりキャンセルすることに。ホテルと私の新幹線代は無料でキャンセルできたのですが、両親のLCCのチケットはキャンセル不可で、6万円も無駄になってしまいました」
都内にある大手旅行代理店の関係者は言う。
「今回の帰省では、Go Toトラベルを利用して、新幹線や飛行機と、実家近くのホテルをセットにしたパックプランを予約していた人が多かった。東京や大阪の方がほとんどでしたが、近隣の目を気にかけ、実家に泊まりたくない方の需要は相当数あったと思います。今は、続々とキャンセルの申し出が来ている状況ですね」
通常だと都内では6割も人口が減る
大都市では帰省を諦めた“巣ごもり正月”が大勢を占めそうだが、一方で危惧されるのが、都心の“密”だろう。東京の年末年始の人口は今回、最多になると予想されているからだ。一例までに過去のデータをひもとくと、’17年元旦の東京23区内の人口は、5日前の42%しかなかったという(ブログウォッチャー社調べ)。
県をまたぐ帰省や旅行の自粛が求められるなか、年末年始に行き場を失った「帰省難民」により、都心人口は例年の倍以上になることも予想される。
彼らがみな、自宅でおとなしくしてくれればいいのだが、そうとは限らない。NHK特設サイトで公表されたビッグデータによると、渋谷スクランブル交差点や新宿・歌舞伎町(夜)では、「勝負の3週間」の期間中、3回あった日曜日のうち、最後の日曜日(13日)の人出が最多になっていたのだ。まして、1週間以上もある年末年始の休暇となれば、ステイホームをし続けるのには相当の根気が必要になるだろう。
都内で過ごす人々は何をする?
カーフェリーでの帰省計画が絶たれた前出の男性は、都内での過ごし方についてこう明かす。
「ちょうど小学生の娘が、『鬼滅の刃』の舞台としても登場する浅草や、インスタグラマーがコスプレ写真を撮影している谷根千に行きたがっているので行こうかなと。もちろん感染対策は万全にして行きますが、楽しみにしていた帰省が中止になってずいぶん落ち込んでいたので、そのくらいは連れていってあげてもいいでしょう」
横浜に住む50代の独身男性も家にこもるつもりはないと言う。
「近所の行きつけのバーが、22時までの時短要請には応じる代わりに、年末年始は午前中から開けてくれるそうなので、入り浸って昼から飲んだくれる予定。酒飲むくらいしかすることないよ」
さらに、夫の実家への帰省を取りやめたという都内の40代女性も、ため息交じりだ。
「小学校に通う2人の息子の冬休みは13日間もあり、その間ずっと家にこもるのは不可能です。冬なので公園や河川敷も行けない。そうなると近くのショッピングモールしかないんです。みんな同じことを考えていると思うので相当、混雑するでしょうね……」
初詣はどこも大混雑!?
こうした場所では正月クラスターの発生も懸念されるが、では年末年始の都内は、どういった場所が混雑するのか。
位置情報ビッグデータ解析を手がけるクロスロケーションズからデータ提供を受け、SPA!が分析した結果、官公庁や多くの企業で仕事納めとなった’19年12月27日の人出は、その2週間前と比較すると、渋谷センター街で約56%増、アメ横で約55%増、新宿・歌舞伎町エリアで約54%増となった。また、元旦と2週間前を比較して混雑が目立ったのは浅草寺の200%増、明治神宮の48%増などだ。鎌倉の鶴岡八幡宮では899%増という混雑ぶりであった。
初詣はどこも大混雑になりそうだ。都内の主要な寺社のHPを見ても大晦日から元旦にかけては一部神社が閉鎖すると発表しているが、とくに三が日は閉鎖される予定はなさそうだ。
県をまたぐ移動が控えられる代わりに大都市で密が発生するとなれば本末転倒だ。帰省自粛の呼びかけやGo Toトラベルの停止は必要な措置だったのか。元厚労省医系技官の木村盛世氏は言う。
「コロナ禍で避けなければならないのは、高齢者や高リスク者に感染させて医療体制をひっ迫させること。健康な現役世代で感染が拡大してもさほど問題はないのです。日本はこれまでも、国民の自覚的行動によって感染拡大を最小限に抑えてきたわけで、国や行政があらゆる帰省や旅行を十把一絡げにして自粛を要請する必要はなかったと思います」
一方で、PCR検査が数千円で受けられる民間検査センターが相次ぎオープンし、「帰省前検査」がSNSで話題となった。これについて木村氏は「PCRの精度にはばらつきがあり、偽陰性も多いので、検査結果を過信することは逆に危険」と警鐘を鳴らす。
政府によるコロナ関連の政策が二転三転するなか、頼みの綱は国民一人ひとりによる主体的なリスク管理ということか。
都内危険スポット
▼デパ地下
自宅で新年を迎える家庭のなかには、帰省中止で浮いた予算をおせち料理や高価なスイーツに投入するという動きも。年末年始の百貨店の総菜売り場は、時間帯によっては例年以上の賑わいを見せる可能性もある。
▼海ほたる
例年、初日の出目当ての来場者で混雑するパーキングエリア。’21年は高尾山の山頂をはじめ、都内周辺の複数の初日の出スポットが閉鎖を決めているなか、ここでは一層の密が予想されている。走り屋も多く密に?
▼新大久保
第4次といわれる韓流ブームに乗る若者に加え、海外への渡航がほぼ不可能ななか、異国情緒を求める人々で週末はかなりのにぎわいを見せている。裏通りでは、時短要請をよそに朝まで営業する飲食店もあるという。
▼有名蕎麦店
旅行ができない代わりに、「マイクロツーリズム」の一環として「年越しそばくらい名店で食べよう」と考える人が増えそうだ。毎年、大みそかには有名蕎麦店に行列ができるが、’20年はそれ以上にできる可能性がある。
▼浅草寺
’20年の3が日には延べ62万人が訪れた、都内屈指の初詣スポット。首都圏では、例年行われる元日未明の公共交通機関の終夜運転の中止が続々と発表されているが、逆に日中に参拝客が集中する結果に!?
<取材・文/奥窪優木 アズマカン 写真/時事通信社>
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