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2010.03.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「私は創業家の孫だ。すべてのトヨタの車には私の名前が入っている。私にとっては車が傷つくということは、私自身の体が傷つくことに等しい」


米議会の公聴会と云えば、上下両院の各委員会が情報収集のため、閣僚、企業経営者、専門家などを呼んで開催し、証人が意見陳述後、質疑を行うのが一般的である。
選挙を控え議員が存在感をアピールする政治ショーの側面もあるので、今回の豊田社長は格好の餌食になった感がなくもない。
それにしても四面楚歌のなか、日本を代表する経営者が独りバッシングを受けるのを見るのは、なんともやり切れない思いだった。

オリンピック観戦ではないが、豊田社長の答弁に、「頑張れトヨタ!」「頑張れニッポン!」と私同様エールを送りながら視聴していた日本人もかなりいたに違いない。
この公聴会で米議会や世界各国のトヨタ追及が峠を越したとは思えないが、遅ればせながら矢面に立ち、深甚の謝罪とそれなりに毅然とした対応で、その矜恃を保ったことは良しとしたい。

この公聴会では安全性の問題が最初に追及されたが、もう一つには対応の遅さにも言及された。豊田社長は、
「これまでトヨタではリコールを実施するかどうかの判断は、主管部署である品質保証部が、技術問題の有無を確認し、法令に照らし合わせて必要かどうかを根拠に決めておりました。しかしながら、今回の問題を振り返ると、私たちにはお客様の視点で品質問題を考えるという視点が足りなかったと考えます」



これは意外であった。当然トヨタは「お客の安全が最優先」と考えて経営していると信じていたら、そうではなかったのだ。
真摯に反省したのは評価できるとしても、トヨタ車の安全基準は自社の品質保証部の見解が絶対的なもので、お客様が起こした事故は偶発的な運転者のミスだと判断していたのだ。
おまけに、お客様の声がタイムリーに経営陣に届いていなかったこと、しかも決定権は本社に集中していたから、決断が遅くなったことを図らずも告白することになってしまった。

図体が大きくなりすぎて総身に知恵が回らなくなったのか、動脈硬化を起こしていたのか、経営陣が裸の王様になってしまっていたのか。
責任の所在は曖昧になり,意思の疎通は不足気味,そして意思決定の遅さ,加えて現場軽視,そしてこれらの兆候に対する危機感の欠如、まさにトヨタは大企業病への道をひたすら突き進んでいたのかも知れない。
その意味では、今回のリコール問題は、経費的にも販売戦略上からも、大きな痛手には違いないが、本物の世界企業に脱皮するための苦い苦い良薬だったかも知れない。

トヨタの再生は「made in Japan」の復権にも直結すると言える。
私はトヨタ車のユーザーではないが、「TOYOTA」のブランドは、日本製の品質の優秀さを世界に誇る一つの象徴であると思っていた。
従って今回の豊田社長のアメリカ議会の公聴会への招致は、まさに「ニッポン」というブランドが糾弾される場でもあったし、日本の誇りを守るための出陣だとも認識していた。
会場でこの問題を追及する急先鋒のダレル・アイサ筆頭理事の嫌らしいまでの厳しい表情と質問の嵐は、日本にいる私にもビンビン響いて来て、胸の痛む思いであった。

ところで豊田社長は公聴会を終えた24日夜、ワシントン市内で米国トヨタの販売店や工場従業員と会合をもった。

この涙は創業以来営々として築き上げてきたトヨタの信用や誇りを、徹底的に傷つけられた悔しさが一気に爆発したものと思われる。
しかし彼と一緒だったのは、なにもトヨタ関係者のみではない。「トヨタ」そして「日本」を心から愛する日本国民も固唾を呑んで見守っていたのだ。
もう一度言おう「頑張れトヨタ!」「頑張れ日本!」





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Last updated  2010.03.02 10:32:45
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