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2025年06月04日
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カテゴリ: 御朱印:茨城県
二度目の福島出張の時、一度目で行けなかった神社仏閣を周ろうと意気込んでおりました。特に行き残したのが茨城県の神社たち。両の手では足りない位に歴史の有る神社で溢れています。今回の出張中にどうしてもこの磯前神社2社は周りたかったんですが、ついにその願いが叶いました・・・!
宿泊している白河の街を早朝に出発。国道349号をひたすらに南下し、途中で海側に折れ、虚空蔵堂・神明宮の前を走り抜けます(できればここにも参拝したかった・・・)。いつしか太陽に照らされた太平洋に辿りつき、海岸線を進んでいくと大洗の浜に到着です。




大洗磯前神社


先ほどの浜辺から徒歩数分。海に向かって建つ大鳥居が参拝者を迎えます。この他にも鳥居前の道路にも、跨ぐかたちで鳥居が建っており、そちらが一之鳥居でしょう。



鳥居脇には石碑が建っています。何故か小石が積み上げられており、何かしらの願掛けかとも思われますが詳細は不明です。




鳥居建設の碑

 萬里の波頭巌を咬み、老松朝陽に映ゆ*処、大已貴命・少彦名命の両神東國の鎮護として神蹟を垂れ給ふ。時に、文徳天皇斉衡3年12月、爾来星霜茲に1129年、神威赫々として東國に光被し、延喜の制名神大社に列し、大洗磯前薬師菩薩名神の称号を賜う。明治の聖代國幣中社に列せられ、大洗磯前神社と称し國家の宗祀たり。
 社頭正面に聳立する大鳥居は昭和12年深作貞治氏の奉献する処。年を経て損傷甚しく、依って其の再建を諮り建設委員会を結成し、資を氏子崇敬者に募り、工を大成建設株式会社に嘱し、茲に工成りて竣工の典を擧ぐ。依って資を献じ工を扶けし芳名を勒して後世に伝え、國運の隆昌と家門の繁栄を祈念する。
昭和60年7月31日



石碑と同じく、狛犬にも小石が積まれていました。
狛犬:阿!




海岸の小石を持ってきて積んでるんでしょうか、不思議です。



参道を上がる前に、右手に折れて摂社を拝みます。
こちらは”清良神社”といい、江戸氏によって謀殺された小幡義清の祟りを鎮めるために建立されました。小幡宥円命として祀られ、その姿は龍神だとも言われます。おそらくこれは近くに神池が有るためと思いますが、戦国時代の血なまぐさい争いの痕跡として、歴史を今に伝えます。



祠はこんな感じです。



清良神社の右脇には神池が広がっています。なんとなく鹿島神宮の御手洗池に似ていますね。
もしかして磯前神社の閼伽井なんでしょうか。ここから採った水が祭神に捧げられていたりして・・・。詳細は不明です。



参道を登り切ると右の方に手水が置かれています。



そんで正面には随神門です。中には右大臣・左大臣が収められています。こちらの門もなかなかに美しい社殿です。町指定文化財に指定されています。



木鼻の所には波頭の装飾がされているんですが、その造りの精密なこと・・・。なんともすばらしい職人技です!



拝殿です。ギラギラとした装飾ではなく、落ち着いた厳かな装飾がなされています。平安の昔に創建された古社に相応しい風格を備えていました。



御由緒です。
大洗磯前神社

祭神:​大己貴神、少彦名神

 平安時代の歴史書である『日本文徳天皇実録』によると、文徳天皇の斉衡3年(856年)12月29日、現在の神磯に御祭神の大己貴命・少彦名命が御降臨になり、「我は大奈母知、少比古奈命なり。昔此の国を造りおへて、去りて東海に往きけり。今民を済すくわんが為、亦帰またかえり来たれり」と仰ったことから、当社が創建されたと伝わっています。
 その後、国からお供え物をいただける数少ない神社の一社となり、更には「大洗磯前薬師菩薩明神」の神号を賜りました。延喜式神名帳(平安時代の神社名鑑)では霊験あらたかな神社を表す「大社」とされ、明治時代には国幣中社という社格を賜りました。

 御社殿等は戦国時代の兵乱によって焼失してしまいましたが、江戸時代になり水戸藩二代藩主徳川光圀公の命で元禄3年(1690年)社殿等の造営が始まり、享保15年(1730年)に完成したのが今の本殿・拝殿・随神門です。 本殿・拝殿は彫刻や建築様式が江戸初期の数少ない建造物として県の文化財に指定されています。

 当社の創建について記されている「日本文徳天皇実録」には御祭神が降臨された時代は、天然痘が流行り、飢饉が起こるなど大変な時代だったことが記されています。特に御祭神御降臨の3年前には流行り病が猛威を振い多くの死者が出たとあります。薬も医者もいない時代に常世の国(不老不死の国)とも言われた常陸国に医薬の神が「今、民を救わんがために、また帰り来たれり」と仰り降臨されたのは、もう2度と同じような災難が繰り返されないよう、人々の願いを受けて二神が降臨されたと考えられています。

 御祭神は平安の書物に「大洗磯前薬師菩薩明神」とも書かれた文字通りの医薬の神様です。
 境内から涌く水は眼病に効くといわれ明治時代まで「目さらしの井」があり、神社前の海岸は潮湯治(病気治療のため、海水につかること)で江戸時代から御祭神の御利益をいただこうと賑わっていたようです。



拝殿の外壁にはカラフルな彫り物が施されていました。それぞれに鳥が刻まれており、芸術的です。合計14面ありますが、外から見えるのは10面のみ。内側の4面は御祈祷などに呼ばれた方しか見ることが出来ません。
拝殿は本殿と共に県指定文化財になっています。



斜めから。
海から来訪したとされる当神社の祭神たち。大洗・酒列ともに海岸にその降臨の跡があるんです。海からもたらされた物は受け入れる風土が日本には有りますが、それは大昔からのものだったようです。那珂川の河口を挟むようにして鎮座する2社は、今も変わらず当地の発展を見守っています。



もう少しだけ続きます。ここからは摂社などを見ていきたいと思います。




拝殿の左右奥には、末社がまとめられた合祭殿(正式には末社併合奉斎殿)が置かれています。それぞれ3つの神社が合祀されているようです。
こちらは拝殿左奥の合祭殿。



ここには右から・・・
八幡宮:応神天皇・神功皇后・玉依比売命
水神社:水波能売神
大杉神社 ​:大物主大神
が祀られています。



この合祭殿からは磯前神社の本殿が見えるんですが、なんと屋根は茅葺です!古くからの姿を遺しているんですねぇ



反対側から見ても素晴らしい!茅は芸術的な整い具合です。



右側の合祭殿です。こちらには右から・・・
水天宮:天御中主神・安徳天皇・建礼門院二位尼
静神社:建葉槌命・手力雄命・高皇産霊尊・思兼神
大神宮:天照皇大神
が祀られているようです。



合祭殿から拝殿へ戻る途中にも摂社があります。
こちらは御嶽神社、山岳信仰の社です。



社はこんな感じ。



扁額もこの通り豪華です。



内部には金色の幣が置かれていました。祭神は国常立命・大己貴命・少彦名命の3柱です。



他にも烏帽子厳社・茶釜稲荷神社・與利幾神社などの摂末社が有るようですが、今回は撮り忘れ・・・。次回参拝出来たらこちらも紹介したいと思います。

帰りしなに神磯と呼ばれる、当神社の祭神が降臨したとされる場所を見に行きたいと思います。参道を登り切ったところの鳥居からは、大洗の海が良く見えます。



参道の鳥居から徒歩2.3分。大洗の浜にある神磯に着きました。磐座を思わせる岩塊に鳥居が1基建っています。ここは神磯、大国主神降臨の地です。
製塩労働者に神懸りしたとの言い伝えもありますが、大国主神を奉斎する部族が移り住んだ、とかならもっと面白いですよね。様々な説がありますが、いずれにしてもここが伝説の地と言うのは変わりありません。



近くに歌碑が建っています。しかもこの詩は水戸光圀の詠んだもの・・・。
磯月

荒磯の 岩にくだけてちる月を ひとつになして 帰る浪かな
徳川光圀
​大洗の浜は日の出の名所としても知られていますが、夜に見てもきっと美しいことでしょう。波に照りかえる月明かりを見ながら、ゆっくりとお酒を楽しんでみたいもんです
隣には解説も!




「磯月」について

現代訳
海に映る月が 荒磯の岩に砕けて散る その月を一つに戻して 帰る波なのだな

 徳川光圀の歌集「常山詠草」の秋歌で、治世中の作に収められています。
 光圀は元禄年間初頭に大洗磯前神社の再興に着手し、隠居後は水戸藩別荘の湊御殿(い賓閣)を基点に願入寺に通い祝町を振興し、大洗や磯浜・広浦で四季の行楽に興じました。
令和6年立春 宮下町内会・大洗磯前神社・大洗観光協会



鳥居から日輪が登る様子は撮影できませんでしたが、晴れ渡る空の下、どこまでも続く太平洋を背にして建つ鳥居は、何とも幻想的に映ります。大波に 洗われ続けた磐座は 神現われて 人や祝うや ということで、非常に見ごたえがありました。当に聖地巡礼、かねてより参拝したかった古社には、なんとも面白い由緒や伝説が残され、今でも参拝者を楽しませています



今回貰った御朱印です。



公式サイトへのリンクです。
・大洗磯前神社

以上です。



調子に乗って撮った写真ギャラリー

随神門と樹叢



美社殿



大洗の浜








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最終更新日  2025年10月06日 19時17分21秒
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