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2026年03月22日
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津軽最大の禅の霊場 禅林街。弘前城の南西にあたる高台に作られた防御用の構えで、寺を城の防御のために並べるという非道な行いは、まさに梟雄と称された津軽初代為信公に相応しいエピソードな気がします。そこまで強かでなくては、南部氏からの独立は果たせなかったでしょう。
そんな禅林街から、弘前城の方に出て坂を下ります。十数分も歩いたかという頃に茜町という住宅街に出ます。ここには 津軽熊野三山 ​に数えられる1社が鎮座しているのです。

2025.9.21
熊野宮(茜町)


林の際に建つ両部鳥居が境内の入口です。



鳥居をくぐって左手、こちらには石碑の類が幾つも置かれています。



良くある庚申塔も置かれていました。ただこの石碑の変わっている点は、青面金剛が動的に描かれている点です。青面金剛は通常、直立した姿勢で描かれるんですが、こちらのものは腰をひねらせ、力強く鬼を踏みつけていました。なかなかに見ごたえがあります。



石碑群の奥には末社の社。右の大きなものは天満宮、他2社は祭神不明です。



境内右手、社殿の側には御神木。天に向かわんという力強さが感じられました。




寄棟屋根の一般的な造りです。年月を経た木材の色合いが美しいですね



それでは御由緒です。




熊野宮(茜町)

祭神:伊弉諾大神、伊弉冉大神、速玉乃男神、事解乃男神、水波能売神

 文明の頃(1469年)如来瀬の地より湯口佐内坂桃村(現常磐坂)に転社し応仁の大乱を承け、久しく類廃し神主も煩心して上都しありしが、津軽初代為信公、津軽一統の頃、永禄12年(1569年)正月 唐内坂往来の諸人馬に乗り通るに皆落馬せるを為信公聞召して、我も行って見んとて御馬にて出で行きしに案の如く落馬し、あらぬ躰にてお帰りになりにぞ。其の夜の御夢想に我は国民を守るといえども誰が国の主とならんと、心を尽しに汝一国の主となるべし我れ末にまで守るべし、今はよき折柄ぞ思い立つべしと御神夢のお告げ有り、軍神として御神影を錦の袋へ奉納。戦場に御勧請せり、後に為信公御自身厨子御神像を奉納、袋の宮と称した。
 熊野三所権現の内飛龍大権現と申し慶長19年(1614年)津軽二代信枚公の御代紀州熊野宮三所の宮に遣わし祈願せしめ、慶長20年(1615年)6月現在の本殿を建立、大守の霊夢により​ 門外村に熊野新宮 ​、 八幡村に熊野本宮 を相殿とし那智山袋宮寺熊野三所大権現と改称した。
 新町川の西岩木川の東下町八ヶ町を以って永代氏子とせよとの御墨付を受けた当社は御霊験灼かで歴代藩主を始め氏子の崇敬厚く、御祈願所として武運長久・富貴繁栄・寿命長延・国家安全等を祈願し藩政時代の祭事は盛儀を窮めた。
 明治に至り廃藩となり、明治4年(1871年)神仏混淆廃止、明治6年神仏仕分により村社熊野宮となる。以後、敬神の念の篤い氏子により神社が護持され、終戦後は社格が廃止され宗教法人熊野宮となる。
 平成5年1月22日熊野宮本殿青森県重宝に指定される。

年間祭事
・歳旦祭:1月1日

・祈年祭:4月15日
・例大祭:旧6月14.15日
・新嘗祭:11月20日
・月次祭:毎月1.15日
渋谷明 謹書



当初境内を構えていたのは、弘前から目屋に向かう途中の如来瀬という地域みたいです。そこから一時衰微しますが、後に津軽初代為信公によって再興されます。津軽二代信枚公の頃、​ 門外熊野宮 ​・​ 熊野奥照神社
当然なんですが、元は神仏混淆の霊場だったようで、別当を務めていたのは​ 那智山 袋宮寺 ​。廃仏毀釈に際して廃寺の危機を迎えますが、津軽天台宗の元締め 一輪山 桂光院 報恩寺の境内にあった僧坊 無量院の寺格を借りる形で存続しました。
そのことからも、もともと天台宗だったものと思われます。

通りを通る人々を落馬させるという不思議な事象があったようです。こうした神託のような出来事が開創譚に現れる神社は結構あるのではないでしょうか。その後の霊夢にて”~に祀って欲しい”的な流れは本当に良く見ますよね。

扁額です。力強い筆致ですね。



拝殿裏手には、独立する形で本堂が建っております。こちらの本殿は17世紀初頭に建てられたもので、大変貴重な事から県重宝に指定されています。



説明書きです。




県重宝  熊野宮本殿

 熊野宮の創建は不明であるが、かつては「熊野三所飛龍大権現」といい、俗に「袋の宮」と称されていた。門外村(弘前市門外)の新宮と八幡村(弘前市田町4丁目)の本宮(熊野奥照神社)とともに、熊野三所権現を模したものとされ、ここは那智宮に相当するものとして造営された。
 現在の本殿は、棟札から慶長20年(1615年)の建立と思われる。三間社流造で、向拝は一間、象鼻や懸魚の彫刻に優れた手法を示しており、繋虹梁などにも古い形式が残されている。
 簡素な造りのなかに、古い形式をよくとどめた熊野奥照神社本殿と一対となる貴重な遺構である。
弘前市教育委員会



本殿は瑞垣に囲われているため、近づかなくては良く見ることは出来ません。気になる方は是非現地へ!一応弘前市のサイトにて、瑞垣内をご覧になることができます。​ こちら からどうぞ!

斜めから。
津軽の熊野神社の中でも特に歴史の長い古社でした。津軽は江戸時代中頃から急に熊野信仰が盛んになっており、各地の神社が飛龍権現と称し篤く祀られていました。​ 津軽三十三観音霊場 ​の札所の中にも、もともと飛龍権現を祀る飛龍宮だった所が数ヶ所あります。
今回見てきた熊野宮も、そうした飛龍宮の1つとして、地域住民のみならず、藩主からも篤く祀られるなど、愛が感じられる所です。林の中に静かにたたずむ古熊野を是非ご参拝ください



以上です。

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最終更新日  2026年03月22日 11時52分49秒
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