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初めて飛行機に乗ってから20年ほど経つ。もう何べんくらい飛行機に乗ったのかしら・・・???でも、何度乗っても、搭乗手続きとか、セキュリティチェックとかって、慣れないもんなのよね~。一昨年の里帰りは、夏休みどっぷりと田舎で過ごして、で、パンダが1週間くらい実家に遊びに来て、わたしと子パンダを韓国に連れて帰ってくれたのよ。だから、よく考えたら、わたしが一人で子パンダ連れて出国手続きというのは、初めてのことなのだったわ。あら~、わたしったら、おんぶに抱っこの箱入り奥さんだったのね。。。実家から最寄の空港は、国際線はソウルと上海とを行き来してるだけの、小さな空港。それなのに、奥さんたら、いったいどこで何をどうしたらいいのか、わからない。ちらりと小耳にはさんだ韓国語。どうやら、韓国人団体らしい。で、その団体についていって、荷物のチェック。「え~っと、なんか容器みたいのが見えますが、出してもらえますか?」「え?容器?容器?これ?これですかね?!」取り出したのは、毎日泡シャカシャカ立ててカフェラテ楽しんでた、これ。 そんで、中から白い粉。「あっ、あっ、これ、これはっ、ただの粉っ、さ、砂糖です!!!」「・・・・え~っと・・・まだ、なんか容器が見えるんだけどね。」「え~っと、え~っと、ちょっと待ってくださいね・・・」ああ・・・片付けられない女の本領発揮・・・X線の検査の機械の横にある長机に、どかんとかばんを置き、「すんません、すんません、ちょっと待ってくださいね・・・」と、次から次から物を出す。さながら、素人マジシャン。「あああああ~~~~~っ!!!これですかね?!!!」奥さんが取り出したのは、瓶。それも、空瓶。ひとつは、ジャムの瓶。ひとつは、イクラの瓶。すんません、姐さん。実家にあったのいただきました。「・・・・・じゃ、もう一度、荷物を。」「はい。」「・・・・まだ、なんか液体がありますね~。」きゃ~~~~っ、液体~~~???それからまたマジシャン、出す出す、出る出る・・・「あの~~~・・・これ・・・ですね、きっと。。。」出てきたのは、馬油。奥さんのお肌つるぴかの素。眉毛も濃くなります。伸びるの早くなります。あ、ヒゲも ソンバーユ 液状 55ml「じゃあ、これをこのビニール袋に入れて、 預ける荷物の中に入れてください。」ああ~・・・預ける荷物って、ふた開けたらもう二度と閉まらないくらいパンパンなんだけど。。。「はい・・・」家に着くまで、開けることはないと思っていたトランクを開け、馬油をすべり込ませ、あふれ出ようとするモノたちを押し込めた。やれやれ。。。兄貴が「お前は何べん空港使ってるんじゃ?」とあきれていた。ふ~っ。手間はかかったけど、もう後は飛行機乗るだけだわ。ところが、最終のセキュリティチェックで、どでかい手提げかばんが、再びビ~~~~~ッ!!!!え?え?さっき検査して液体も瓶も預けましたけど???またしても、長机にどかんと荷物を載せて、「これでしょうかね?」と、さっきのシャカシャカクリームメーカーを取り出す。それを除いた状態で、もう一度X線検査。ビ~~~~~ッ!!!!「なんかね、金属の刃みたいなの、入ってませんか?」「え~っと、え~っと・・・」心当たりがあるのは、子パンダの鉛筆けずりだ。え?あんな小っちゃな刃もダメなの??がさごそと、またあれこれ取り出して、鉛筆けずりを提出。ビ~~~~~ッ!!!!「なんかね~、三角定規みたいなの入ってないですか?」え~?子パンダのペンケースの中には入ってないよ。んぎゃ~、全部出しちゃえ~~~っ。かばんの中身出しまくって、長机の上ったら、もう、しっちゃかめっちゃか。なんなの?なんなの?一体何がひっかかってるわけ???ほとんど空っぽになったかばんを係員さんがカゴに載せた。ビ~~~~~ッ!!!!ちょっと、ちょっと、かばん、空だよね?!「え~?もう~!なんなんですかね?!!!」と、わたしもだんだん腹が立ってきて、かばんの底を持って、ひっくり返してみた。すると・・・カラカラカラ~~~~~ン1枚の三角の板が。金属。ステンレス。でも、定規じゃない。げっ!!三辺すべてギザギザ・・・・これ、探してたんだよ、クリスマスケーキ作るとき。。。いくら探しても無いから、船便で送っちゃったのかと思ってたら・・・なんだよ、今頃、こんなところで・・・・・ 「これですね?!!!」若い係員は、ステンレスの三角コームを持って、上司のとこに歩み寄った。上司は首を振っている。「あのですね~・・・これは、ちょっと・・・武器になる可能性が・・・」「没収なんですか?」「はい・・・」というわけで、空しい気分で、散々出し尽くした荷物を、かばんに詰め、心配そうな実家の家族たちに手を振り、搭乗を急いだ。途中で、何度も、ぴょんぴょん飛びながら、こちらをうかがっている母の姿が見え隠れしたのが、後になって、可笑しくなってきた。それに、なんだい、あの三角コームが武器って・・・飛行機の中で、思い出し笑い。ああいう、没収品ってのは、どうなるんだろうね~?電話で母が「母ちゃんが持って帰ってやったのに!!!」と興奮していたけど。。。
2008年01月27日
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実家に着いた翌朝、パンダには「もう韓国には帰りたくない!!!」と宣言し、せっかくの里帰りだというのに、何日間かは悶々としていた。パンダもさすがに今回はまずいと思ったのか、今回わたしが日本に滞在している間に、なんと4回もあれこれ小包を送って寄越した。子パンダへのクリスマスプレゼント、食材やお菓子、海苔・・・どかんと届くたびに、兄が切なそうに「可哀相にパンダさん・・・早く帰ってやれよ~。」しかし実際のところ、パンダと電話していても、早く帰りたいとも、家が恋しいとも思わず、わたしはのんびりとクリスマスを過ごし、お正月を楽しんだ。パンダからは「1月に帰ってきても寒いだけだから、2月になってから戻ればいいよ。」とまで言ってもらった。いくら実家とはいえ、もう兄たちの代になって何年も経つのに、わたしや子パンダがずうずうしく長居するのも申し訳ない。けれど、実家の兄嫁さんはほんとにいつも嫌な顔せずに迎えてくれて、帰ったら子パンダの可愛いお箸とか歯ブラシもちゃんと用意しててくれる。あ~~~、兄嫁さんの爪の垢もらうの忘れちゃったわ・・・そうそう、何年かぶりに大晦日に紅白を見たんだけど、兄嫁さんと盛り上がったのが、 ●すぎもとまさと“吾亦紅”CD(2007/2/21)話題になっていたけど、聞くのは初めてで、兄嫁さんとふんふんと聞いていたのよ。「あ~、亡くなったお母さんを歌った歌なんやね~。」「忙しくて田舎にもなかなか帰れなかったんだね~。」「そりゃ働き盛りの中高年にはうける歌かもね~。」そして歌は2番。 テロップももちろん2番の歌詞。♪親のことなど 気遣う暇に 後で恥じない 自分を生きろ あなたの あなたの 形見の言葉 守れた 試しさえ ないけど あなたに あなたに 威張ってみたい ♪♪♪ 来月で 俺 離婚するんだよ え?!今、何とおっしゃいましたか?!「・・・・今、オレ離婚するんだよ、って言ったよね?!」「言った、言った!!」「ちょっと、あんまりじゃない?お墓に報告?」「来月、娘が嫁にいくんだ、とか。。」「来月、定年退職するんだ、とか。。。」「なんかそういうのだと思ったよね~~~!」「離婚するんだよ、か~~~~・・・」と、わたしが帰国するまで、事あるたびに思い出され、姐さんと爆笑するのだった。。。さて、わたしの実家は、特になにもない小さな町なので、車がないとずっとお留守番ということになる。週に一度バスが出て、町の温泉に行って、お年寄りと一緒にのんびりお湯につかって、ちらちら降る雪を眺めながら、ぼーっとしたり、お弁当食べながら、お昼のドラマの最終回に涙したりしていた。お隣のおばあちゃんはもう90になるというのに、お肌にはハリがあって、まつげは長くカールしていて、ものすごい美人だ。子パンダが生まれたときも、しょっちゅう顔を見に来てくれて、「子パンダさん。子パンダさん。。。 名前忘れないように、紙に書いたのを貼ってあるのよ。」とにっこり。そのおばあちゃんが、編んでくれた草履。草履はいて、ちゃんちゃんこ着てってのが、子パンダにほんとに似合ってた。内心、いいなあ、あんな草履~とうらやましがっていたら、帰国する何日か前になって、またおばあちゃんが「編んでみたわ~~~」と、わたしの分も編んでくれて、何よりのお土産になった。 子パンダはずっと従兄弟のテカちゃんたちに遊んでもらってて、よく可愛がってもらってた。母は「あ~~~子パンダがいると、ず~っと3ばっかり!!!」とチャンネル争いを端から放棄していた。のんびりと一緒に飲むコーヒーは毎日美味しかった。今回、兄も優しかった。帰国前日にはお寿司も買ってきてくれた。が、車から降りると同時にお皿をひっくり返し、冷静な兄には珍しく、めっちゃうろたえていた。 毎日、のんびりと、散歩したり、ケーキ焼いたり、雪遊びしたり、友達とお茶したり、長かったけど、あっという間だったな。帰る日を日曜日に決めていたので、空港までは兄が送ってくれた。模試で登校した姪っ子以外、みんな見送りに来てくれた。空港に着いて、足りないお土産を買ったり、足のマッサージ体験したり、って、とこまではいいんだけど、だんだん時間が迫ってきて、まだ時間もあるのに、心配する母に「もうそろそろ行ったら?」とせかされて、最後にセキュリティチェックのとこくぐって、バイバイ~~~と手を振るときに、ぶわ~っと寂しくなってくる。そして、とどめが、機内に座ってから見える、小さな空港の展望台にずらっと並んでいる家族の姿だ。「わ~、子パンダ、みんな見えるね。手振ってるね、きっと。」「バイバイ~~~また来るね~~~。」現金なもので、離陸してしまえば、なんともないのだけどね。最後の最後の場面で、泣く。いつも浮かぶのは、エルトン・ジョンの『ダニエル』♪ダニエルは今夜、飛行機で旅立ちます スペインに向かう飛行機のテールライトと さよならと手を振るダニエルが見えます ああ、でも、ダニエルのように見えるのは 私の目が涙で曇っているからかもしれません ソウルの空港の出口を出ると、久しぶりに会うパンダが迎えに来てくれていた。髪型が変わったわたしと子パンダに、すぐには気づかず、きょとんとしていた。実家に電話をすると、テカちゃんが出た。「色々とありがとうね、ほんとに。 展望台にみんながいたの見えたよ。 こっちから手を振ったけど、わからんかったよね。ははは。」するとテカちゃん。「え~~~~? ぼくら、今日は上らんかったよ~。」え?!今、何とおっしゃいましたか?!♪さよならと手を振るダニエルが見えます ああ、でも、ダニエルのように見えるのは 私の目が涙で曇っているからかもしれませんダニエルじゃないんだって~~っ!!!!!
2008年01月26日
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1年半ぶりの日本。いつ帰ろう、いつ帰れるかな?と思いつつ、なかなか言い出すことができずにいたら、11月の終わりに、パンダの義姉の旦那さんが、職場の研修で名古屋に行くことになったんだけど・・・と切り出した。なんでも、大きな会議があって、それに顔出して、現場で証拠写真さえ撮ったら、後は自由に観光していればいいのだと言う。義姉の旦那さんは何度か日本に旅行したこともあるし、その他のメンバーは初めてなので、頼りにされているらしい。ところが、その、その他のメンバーが、若い女性3人だと知った義姉が、「そんなとこにあなた一人をやれないわ! 奥!あんたもついてって!」と、わたしが監視係券ガイド役に抜擢されたのであった。義姉の旦那さんは、旅行会社に現地ガイドを頼む手間も省け、わたしはわたしで、これならパンダ母にも気兼ねなく里帰りできるとあって、双方都合よく、しゃんしゃんと日本行きが決まった。が、ただより高いものはないというが、本当に苦労したよ。チケット代浮くから、二つ返事で引き受けたけど、まあ、お客さんらのわがままなこと、わがままなこと。何を食べても、文句たれまくりだし、面白いとことかショッピングも楽しみたいと思ってるわたしや若いお嬢さんと、神社仏閣だけでいいという義姉旦那とは全く合わないし。せっかくだから、神戸の美味しいケーキを食べ歩き~~~と思っていたら、それもかなわなかった。毎日2万歩以上歩く、小学生の秋の遠足のような旅行だった。。。「あの~、これ、職場でみなさんで食べてください。 神戸でお茶する時間とれなかったから。」と、わたしが(ここのは、すんごい美味しいのよ! お願いだから、ぎゃふんと言ってくれ!!)と、焼き菓子の詰め合わせをお土産に渡すと、ホテルで同室だった女性は、すごく感激していた。この時点では、どっちかっていうと神戸でお茶できなかった、申し訳ない < ぎゃふんと言わせたい一心だったのよ。そうして翌朝、最後に余った時間くらい、アメリカ村かそれかデパートでも・・・と思っていたのに、義姉旦那(※この人、大の歴史好き)が「大阪に来たからには、大阪城に行かなくては!!」と、結局雨の中、大阪城に向かい、だらだら~と見学して、そんで終了。関空について、まだ時間があるので、軽く食事をとって、女の子ばっかでぶらぶらしてると、最年長の女性が「奥さん、こういうトランクどうかな?」と、黒いかばんを指差した。「ああ、いいんじゃないですか~?」と、適当に返事をすると、「メーカーは?どう?」「あ?ああ、大丈夫だと思いますよ、ここのなら。」「大きさとかどうかな~?」「3,4泊くらいまで大丈夫じゃないですか?カートでもいいし、リュックにもなるし、いいと思いますよ~。」答えているうちに、だんだんわたしまでほしくなってきたよ。ははは。すると、彼女が「じゃ、これにしますね。」とレジに持っていく。え?今お買い上げなんですか??そんなに気に入ったの??とびっくりしていたら、もっと驚いたことに、女の子3人から「はい。これ。奥さんの旅行かばん、だいぶくたびれてたから。 あれ、捨てて、これ使ってください。」と、その買ったばかりのかばんをプレゼントしてくれたんだよね。もう、嬉しくて嬉しくて。ま、「あれ、捨てて」ってはっきり言い切るとこが韓国ちっくだけどさ~。あれこれ、わがまま放題だったけど、けど、これだから、韓国の人も付き合ってみないとわからないんだよね。。。。。この時点でちゃんとガイドできなくてごめんなさい > ぎゃふんと言わせたいと気持ちが逆転し、人の好い、反省好きな大和なでしこは涙ぐみさえするのであった。あ・・・けど、これはあくまでも女の子たち3人からのプレゼントなんだよね?ガイド料、これでチャラ、ってことじゃないんだよね?ね?そして、この後、特急はるかのチケットを求めて窓口に並んだわたしに、義姉旦那が、「これ・・・」と、なにやら折りたたんだ紙を渡してきた。一応、「いえ、いいんです。あの、たいしたガイドもできなかったし。。。」と、お返ししたら、「いや、ちょっとだけだから。。。」と、渡されたので、もう断らずに(笑)さっといただいたんだけど、みんなと別れた後に、こっそり見てみたら、おいおい、これじゃ、特急に乗れないんだよ!お客さん~!!!ってな金額だった。出発前にパンダと予想した計算が1日のガイド料 1万円× 6日間= 6万円だったんだけど、やっぱりこれはパンダの皮算用に終わった。そして、この皮算用を大きく下回るバイト代が、わたしの脳を沸騰させた。忘れかけていた観光旅行中に言われたあれこれ。それどころか、韓国暮らしで、この2年半言われたあれやこれやが、どば~~~~~っと吹き出てきてしまった。なんともさもしい話。自分でも、人としてどうかと思うけど(笑)でも、なんかなあ~。この夜、わたしは久々の実家とあり、怒りと興奮でなかなか寝付けず、翌日やっと連絡がとれたパンダに、「もう韓国には帰りたくないっ!!!」と、朝っぱらから遠距離喧嘩を売るのだった。。。
2008年01月20日
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