
昨日の続き
平慊杖と妻浜夕は環の宮のいなくなった御所を守っているが、今日が探索の期限であり、責任をとる覚悟はしている。
そこへ、次女敷妙が夫義家の使者として現れ「この件についての詮議は義家がすることになるが、舅だからといって手加減はしない。」と口上する。これは敷妙は離縁することなく舅として取り扱うという真意である。慊杖は感激する。
義家本人が登場して、なにか手がかりはと慊杖に尋ねたら、一緒に姿を消した匳の内侍あてに「約束通り、環の宮を連れ出せ」という文が落ちていたと見せる。義家はこれは、貞任たちが環の宮を誘拐し傀儡として反乱の旗印とするつもりだろうから、環の宮の命は大丈夫だろうと推測する。しかし、皇位の印の宝剣も盗み出されておりそれも探さねばならない状況である。
その時桂中納言が慊杖の見舞いとして梅の花をもって訪問する。義家はかねてより、只者ではないと思っている、罪人南兵衛をこの場に引き出し、おまえは安部宗任であろうと責めるが口を割らない。
桂中納言が、持参の梅の花を持ち出し、お前のような下郎には此の花の名前などわかるまいと嘲笑すると。
「我が国梅の花とは身つれども大宮人はいかが言うらん」と返す。
下郎が和歌など読めるわけはない、やはりお前は宗任とはっきりしたと義家。
さらに詮議をするために義家と自称南兵衛が退場したあと、桂中納言は慊杖に花も散り時が肝心と切腹を迫る。
袖萩が娘お君に連れられて、やっと御所へ辿り着く、慊杖はそれに気がつくが、あくまで冷たく物乞いがくるところでないと追い返そうとしている。妻浜夕が気がついて見てみると、変わり果てた娘と孫の姿。夫の手前かけよるわけにもいかず、なんとかとりなそうと、祭文語りであるならば、その場で祭文を語ってみよと言う。
袖萩は今までの不孝をわび、お君と言う娘がいることを語ってみせる。(悲しさつらさをこらえながら、とつとつと語るところがまた泣かせる場面である)
建前人間の慊杖は許してやりたい気持ちはあるが、それをすることはできない。お前は素性もしれぬ浪人者とかけおち、妹は義家の妻として立派にやっているのにとののしる。
袖萩は、私の夫も実は由緒正しい家柄で、その本姓などはこの書付に書いてあると(袖萩は眼がみえないために中身を知らない)父親に差し出す。しかし、その中身を見ると安部貞任と姓名が書いてある。慊杖には驚きこれは朝敵、ますますもって許し難い。お前とは二度と会わんと去っていってしまう。
浜夕も、心を残しながらとぼとぼ夫のあとをついていく。
雪降る庭に取り残された母娘。寒さのあまり苦しむ袖萩、見かねた娘が自分の着物を脱いでかけてやる。気になって戻ってきた浜夕がその有様を見て思わず、自分のうちかけを脱いで投げてやる。夫の立場もあり許すことのできないのが辛いと浜夕は泣くのだった(ここがクライマックス)
再び二人となった母と娘のところに、牢を逃げた宗任が現れ、兄からそなたの事は聞いている。夫の為にこの懐剣で慊杖を殺せと迫る。しかし袖萩にとっては父、はいそうですかというわけにもいかないが、夫に対しての愛情はまだ残っている、どうしていいか分からなく困惑する袖萩。
そこえ、再び義家登場し、宗任は覚悟をきめるが義家は逃がしてやる(環の宮と宝剣を探すのには泳がせる方が得策)
ここで、ついに慊杖は切腹し、袖萩は袖萩で夫と父が敵味方であること(あるいは夫は自分を利用していたのかもしれない)に絶望して自害する。
桂中納言はそれを見て、敵方にかかわりあったのだから死ぬしかないなと言い捨てて去って行こうとする。
義家それを見とがめ、お前は実は貞任であろう。自分が昔戦った安部時頼に瓜二つだと言う。
桂中納言は正体を現し、朝廷に入りこむ隙を窺っていたが、一度流罪になった桂中納言が配流先で死んだのを幸いそれにすり替わっていたところが、都から呼び戻され朝廷に紛れ込んだが、ばれたのならしかたがないと。ここで虫の息の袖萩にせめて言葉をかけてやれと義家にいわれ、袖萩貞任お君が対面する。袖萩は夫にすがりつきながら亡くなってしまう。
義家は御所での流血沙汰は恐れ多い。お前たちとはいずれ正々堂々と勝負しようということで、敵味方は一旦別れていく。
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