そんなになるのか、と、遠くを見る。
メディアは、凄い勢いで取り上げているが、
不思議と、自身と、身の回りでそれに付いて触れる事が、皆目ない。
前にも書いたとおり、私は、あったことを忘れたい、と思う人間なので、
忘れる事を罪であるとする現在の風潮は、とても迎合しない。
だから、
テレビなどで、「心の復興」が取り上げられていると、
チリチリと罪の意識に苛まれる事が、ある。
忘れられない人は、
忘れたくても忘れられないのだと。
大切な人やもの、存在を喪った喪失感を抱えた心は、
時間ではリカバリ出来ないのだと。
そして、長ずるにつれて、癒されない心は違う問題にシフトしてしまうのだと、
震災から20年経って、
街が綺麗になった分、地中深くに沈み込み、
見えないけれども、根が深くなり、
問題は顔形を変えて、深層意識に潜り、
今尚、鋭い爪を立てている。
それでも、何であれ、懸命に生きていかなければならないのが、
今を生きている人間である訳なのだけれど
隣を歩くおばちゃんも、
足を引き摺るお爺ちゃんも、
だんなの悪口に余念の無い奥様も、
くたびれたコートのサラリーマンも、
心に辛い何かを抱えて生きているのだと
今更のように、街を歩きながら考えた。
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