Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/01/19
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カテゴリ: BAR
 東京から友人が来て、「どこか大阪らしいBARに連れて行って」と頼まれたら、という話題で、先日(5日)の日記に僕は、「ミナミだったら、道頓堀の『Eve』というBARに案内する」と記した。

 では、もしキタならどこに連れて案内するか。広い意味では大阪キタに入るということで、僕はたいてい、大阪駅(梅田)から電車で二駅の「十三(じゅうそう)」というところにある、「十三トリス」( 写真左 )というBARに案内する。十三トリス

 「十三トリス」は、その名の通り、1950~60年代に、洋酒メーカーの某S社が全国展開させた「トリス・バー」のうちの1軒である。1956年(昭和31年)の開店創業。おそらく、全国のトリス・バーのなかでも屈指の歴史を持つ老舗だろう。

 店は、阪急十三駅の西改札口から出て、歩いてわずか約30秒という、とても嬉しい立地にある。内装は開店当初から、ほとんど変わっていない。「『この雰囲気、壊したらあかん』というお客さんが多くて、手を入れとうても、入れられません」とマスターは言う。

 足を踏み入れると、まさしくそこは昭和レトロな世界。ウナギの寝床のように細長い店内に、長~いカウンターが伸びる。店に出入りするドアが、そのカウンターの両端それぞれの側にあるのが、とても面白い。Tハイ

 「トリス・バー」だから、客はたいていトリスのハイボールを頼む。常連はみんな、「T(ティー)ハイちょうだい!」と愛称で言う(なかには「トリハイ」って言う人も)。そして「Tハイ」( 写真右 )とともに、客が必ず頼むのが、名物メニューの「イカ焼き」( 写真左下

 見かけは、イカ入りお好み焼き。それが熱した小ぶりの鉄皿の上に乗って、ぐつぐつ、あつあつの半熟(?)状態で出てくる。上にいっぱいに盛られた削りカツオはまだ湯気で踊っている。これがまたTハイと抜群に相性がいい。小腹がすいたときなど最高だ。

 僕が十三トリスに行くのは、たいてい1軒目か、最後の仕上げの1軒。1軒目のときは、イカ焼きともう一つの名物「三田牛のカツサンド」(これが800円!という、涙ものの良心価格)をしっかりお腹に入れてから、バー巡りに出かける。十三トリス名物「イカ焼き」

 店はいま、先代マスターの奥さんと、その息子さんである2代目マスターが切り盛りする。ことし50周年ということで、記念誌を出す計画という。その記念誌上で、十三トリスやお酒にちなんだ川柳の特集をするので、「**さんも、ぜひ一句お願い」と頼まれた。

 川柳などつくったことがない僕だが、必死で考えて6句ほどFAXで送った。先日、店にお邪魔したら、「2句ほど採用させていただきました」とマスター。どの句が採用されたかは(少し気になったが)記念誌を見てのお楽しみということで、あえて聞かなかった。

 十三トリスにはいつも、昭和30~40年代の懐かしい時間が流れている。どこか我が家に帰ってきたような、居心地の良さも感じる。関東から来た友人はほぼ例外なしに感嘆し、満足して帰っていく。この雰囲気に惚れて、出張で大阪に来るたびに寄るという東京の同僚もいる。

 十三トリスは、可能な限り「十三トリスのままで」いてほしいと願うのは、僕だけでないだろう。

【十三トリス】 大阪市淀川区十三本町1-2-7 電話06-6301-4826 午後5時半~午前零時 日祝休 トリス・ハイボール(Tハイ)460円、イカ焼き780円





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Last updated  2008/10/23 12:02:13 PM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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