Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/11/02
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カテゴリ: BAR
 仕事で京都に行く機会を持った。その際、どうしても訪れたいBARがあった。やるべき事は夕方までに片付けて、僕は足早に祇園までタクシーを走らせた。

 観光シーズンの秋本番だったが、京都の夜の人混みは穏やかだった。僕は、前もって聞いていた住所を頼りに、そのBARを目指した。以前、訪れた時の場所から、すぐ近くへ移転したという話を聞いていた。だが、夜の祇園の地理は分かりにくい。The Door of

 客引きのお兄さんに目的のビルの場所を聞きつつ、ようやく、あるビルの4階にある、目指すBARへたどり着いた。「Fellow & Fellow」。おそらく、モルトへのこだわりという点では京都では一番のBAR( 写真左 =シンプルな扉を開けると…)。僕は、BAR好きの友人から、10年ほど前に教えられて以来の付き合い。

 なぜ移転したのかは理由がある。04年8月、近所のビルから出火。類焼はしなかったものの、煙と消火の水攻めで店内のボトルはもちろん、内装も予想外の大きな被害を受けた。3ヶ月ほどの休業を余儀なくさせられた。

 貴重な、数多くの、愛するモルトが台無しになり、落ち込んだマスターのSさんだったが、しばらくして、近くのビルに新たな再出発の場所を見つけて、再スタートを切った。生き残ったボトルたちそして、僕は本当に久々に、再生した「Fellow…」に足を踏み入れた( 写真右 =火事からかろうじて生き残ったボトルたち。ラベルに被災の跡が…)。

 僕はせっかくだからと、途中、BAR好きの友人と待ち合わせて、一緒にお邪魔した。以前よりも広く、立派になって、カウンターも素敵になった店内。マスターのSさんはこの日、残念ながら用事で上京していて、店は弟子のT君が仕切っていた。

この夜味わった銘酒たち嬉しいことにT君は、数年前も一緒に訪れた僕らを覚えていてくれた。

 「棚のマニアックなモルトばかり見つけて、頼んで飲んでましたよねー」と。うん、確かに、それは僕たちに間違いない。そして、この日も僕らは、ちょっと変わった飲み方をした。

 目の前の新しいモルトには目もくれず、あの火事の中、幸運にも生き残ったウイスキーたちの棚があると聞いて、もっぱら、そちらの棚からボトルを選んで、次々と味わった。生き残ったウイスキーたちに、「よく頑張ったなぁ」と心の内で誉めてあげながら…( 写真左上 =この夜味わった素晴らしい銘酒たち。「Cadenhead」のオールド・ボトル=右の3本=も、今では稀少!)。Ne Plus Ultra

 「Fellow…」にはもう一つ、僕が大好きな魅力がある。それは、店内にグランドピアノがあり、現在でも月に1回、第3土曜日にはジャズ・ライブを開催する。「音にもこだわる店」という、モルト・バーとは違った、もう一つの魅力的な「顔」がある( 写真右 =こんな凄いお酒も頂きました。「Ne Plus Ultra」)。

 久々に出会う「Fellow…」のグランドピアノ(実際は、火事でやられて買い換えたのだという)。早い時間で、他にお客さんもいなかったので、お店の方の許可を得て、僕はそのピアノで数曲弾かせてもらった。とても、とても心地よい気分。演奏に夢中になっているうちに、酒を飲むピッチで、友人に先を越されてしまったけれど…。

 新たなお客さんがドアを開けるまで、2時間近く、僕らは久しぶりに「Fellow…」でのゆったりとした、静かな時間を堪能した。Sさんに再会したかったけれど、それは次回の楽しみにとっておこう。

 帰って数日後、Sさんから葉書が来た。「第二の幕開けから、11月4日で早一年が経ちます。こうして1周年の報告をさせて頂けるのも、ひとえに…」云々という文面。律儀なSさんに感謝、感激。京都のBARはいつ来ても、ほんとに、あったかい。

【Fellow & Fellow】 京都市東山区祇園町北側347 マルトー13ビル4F 075-525-0770 午後7時~午3時 日祝休(なお、お値段は少々高めです。モルトを飲む時はきちんと値段を確認しましょう)。

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Last updated  2005/11/03 11:54:17 AM
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うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

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