Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/12/07
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カテゴリ: BAR
 先々週末に上京した際、15年ぶりくらいで訪れたBARがあった。東京で学生時代を送った社内の同僚に、そのBARの話をしたら、「あそこは、僕の若い頃のデートの場所だったんだよー」と懐かしそうに話していた。

 単なる旅人である僕にとっては、BARは旅の途中の「止まり木」でしかないかもしれない。ただ、一期一会の出合いであっても、山の上ホテル心地良い、かけがえのない時間と安らぎを与えてくれたBARとバーテンダーは、その後も忘れることはない。

 JR中央線「御茶ノ水駅」の南側の出口を降りて、歩いて5分余。この辺りは明治大学などの大学が密集しているため、学生の姿が目立つ。ゆるい坂道の途中を右に折れ、今度は逆にゆるい坂道を登る。すると、目指す「山の上ホテル」( 写真右 )は昔と変わらぬ姿で僕を迎えてくれた。

 今回改めて調べて驚いたのだけれど、「山の上ホテル」の設計者は、大丸百貨店・心斎橋本店や同志社、青山学院など数々の名建築を残した、あのウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)。なるほど、「だから、僕は以前からこの石造りのホテルに、どこか郷愁のようなものを感じてきのか」と納得する。Bar NonNon

 ホテルの1階ロビーを入り、右側へ10mほど歩くと、懐かしいBAR「Non Non」( 写真左 )にたどり着いた。時間はまだ午後5時だが、このBARは、「飲み助」には嬉しいことに、4時からオープンしている。

 僕は一番乗りの客(最近、一番乗りが多い(笑))。「1人ですが、いいですか?」。もちろんいいに決まっているんだけれど、1人でBAR巡りをすることの多い僕は、店に入る際なぜか、いつもそう言うのが口癖になってしまった。

NonNonのコースターだが、カウンターに座ると、ちょうど籠の中に入ったような温かさと安心感が漂う( 写真右 =NonNonでもコースターを貰いました)。

 バーテンダーさんは1人だけ。「フード・メニューもたくさんあるけど、いつも1人でやってるんですか?」と聞くと、「ええ、フードはホテルの厨房で作ってくれますから、基本的には1人で飲み物だけに対応すればいいので…」とのお答え。

 「でも、年中無休で、深夜2時までやっているんでしょ? めちゃハードな勤務ですよね」とさらにたたみかける僕。「いや、9人のスタッフ(バーテンダー)でローテーション勤務してますから、大丈夫ですよ」と。なるほど9人もいれば、そりゃ出来るよね。

 僕は、スターターの定番「ジン・リッキー」を頼む。さすが老舗ホテルのバーテンダーさんとあって、所作はしっかりしている。上品な酸味が際立つ、シャープな味わい。よく見れば、彼のバー・ベストの胸のところに「ソムリエ・バッチ」( 写真左 =Bar・NonNonの店内風景)。Bar NonNon

 最近、ソムリエ資格も持つバーテンダーも増えてきたけれど、忙しい仕事の合間に勉強して合格するのは大変と聞く。「凄いですね。ソムリエでもあるんですね」と言うと、彼は、「試験のフランス語が大変で、自信はありませんでしたが…」とちょっと照れた。

 店内の造りやインテリアは、基本的に開業当初とほとんど変わっていないという。「山の上ホテル」がもう一つ有名なのは、地理的なこともあってか、作家や編集者にとても愛されているということ。僕も15年前に訪れた時は、桐島洋子さんが友人と飲んでいた。

 東京のホテルのBARとしては、僕は以前に紹介した、東京ステーションホテルの「カメリア」と甲乙付けがたいくらい好きだ。御茶ノ水界隈に行かれる機会があれば、ぜひこの心地よい空間を味わってみてほしい。

追記:バーテンダーさんとあれこれとたくさん会話はしたのに、今回も「NonNon」の名前の由来を聞き忘れてしまった僕。誰か知っている人がいたら、教えてくださーい。

【Bar Non Non】 東京都千代田区神田駿河台1-1、山の上ホテル本館1階 電話03-3993-2311 午後4時-午前2時 無休 ノーチャージで、ホテルのBARとしては驚くほど良心的な料金です。

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Last updated  2005/12/12 10:44:54 AM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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