Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2005/12/10
XML
テーマ: 愛しき人へ(903)
カテゴリ: エトセトラ
 今回は限りなくプライベート・ネタです。すみませーん。お時間がある方だけ読んでいただければ…。

 年末になると、あちこちから喪中欠礼の葉書を頂く。この歳になると当たり前だが、祖父母はもちろんのこと、父母が亡くなる方も目立つ。生あるもの必ず死は避けられない定めだとしても、やはり、友人たちが悲しむ姿を想像するのは切ない。そういう僕も、ことしは連れ合いの父が11月に亡くなったため、喪中欠礼の挨拶を出した。

 そんなこの頃、数日前にアメリカから1通の手紙が届いた。差出人は僕が大学生の時(70年代)にホーム・ステイしていた家族の「お母さん」、ロザン(Rosanne=ファースト・ネームです)から。My Host Familyホーム・ステイ先は東部のコネチカット州のトランブルという小さな町。ニューヨークからは電車で2時間弱の距離だった( 写真左 =うらんかんろのホスト・ファミリー。当時の写真です)。

 「お父さん」はビル(Bill)と言い、元軍人。朝鮮戦争時に日本に駐留し、神戸にいた。日本と日本人に対してとても親近感を持ち続けてきた。だから、地元の新聞に載った僕の「ホスト・ファミリーを探しています」という記事を見て、真っ先に手紙をくれた。

 ロザンは今はフロリダ州のトリニティという町に住む。筆不精の僕と違ってロザンは筆まめ。ご無沙汰ばかりの僕は手紙を書く際、いつも謝ってばかり。当たり前だが、英語でのやりとりだから、向こうは母国語。僕は一応辞書で表現や単語を確認しながら書かねばならない。だから、ハンディを背負っている僕としては、「少々筆不精でも許してね」と言いたいところ。Rosanne,Bill, My wife and Me

 それはともかく、この時期の手紙。クリスマス・カードにしてはちょっと早いなぁと思いつつ、読んだ。そこには、ショックなことが記されていた。実は、ロザンは90年ごろ、再婚した。前の夫のビルはコネチカットに残り、ロザンは再婚した夫とフロリダへ移り住んだ( 写真右 =社会人になった後、ハネムーンの際も訪れました)。

Rosanne and Bob

 ロザンと初めて出会ったとき、彼女は30歳だった。夫とは一回り(12歳下)も違う若いお母さんだった。当時ブレークしていたカーペンターズのカレン似の顔をしていた。

 僕は、「マミー」と言うのは照れくさかったので、もっぱら「ミセス・ウォルシュ(Walsh=彼女の前の姓)」または、「ロザン」と呼んできた( 写真左 =ロザンと再婚した夫のボブ。冬寒くて雪も積もるコネチカットとは違い、年中温暖なフロリダを、2人はとても気に入っていた)。

 ロザンは美しくて、知的で、素敵な女性だった。前の夫・ビルとの間には2人の子どもがいた。初めて出会った時、姉ケイトは10歳、弟ジャシュアは5歳だった。僕は彼らのファミリーの一員として、本当に楽しい日々(トータルで約半年)を過ごし、そして現在でもその絆は続いている。僕と8歳下のケイトとは今もメル友だし、8年前には、ジャシュアの結婚式があったので、僕は招かれて太平洋を渡った。

 そんなファミリーは先ほど書いたように、90年頃の両親の離婚で瓦解した。僕にとってもショックだったが、離婚はプライベートなことだから、理由は一切尋ねなかった。Rosanne and Bobt and…ただし、憎しみ合って別れたという訳ではなかったようで、弟ジャシュアの結婚式には前の夫も、(別れても「実父」だから、当たり前かもしれないが)出席し、別れた妻とは普通に談笑していた。

 再婚した夫のボブは、そんなファミリーに後から加わったメンバーだが、僕は、94年に家族3人でフロリダに行く機会があり、初めて出会う機会を持った( 写真右 =フロリダの自宅、自慢の温室の前で。左端がボブ。うらんかんろの左にいるのは娘でーす)。前夫のビルもジョークの好きな、気さくな人だったが、ボブも負けず劣らずとてもフレンドリーな人だった。

 僕らはボブとロザンの家に2泊させてもらい、楽しい、かけがえのない時間を過ごした。彼らの自慢のランの温室を見せてもらい、マナティまで現れるという家の裏の運河に係留していたボートでメキシコ湾へのクルーズ(短時間だったけど)にも連れて行ってくれた。Two kids and Me

 ボブとはその後、前述した弟ジャシュアの結婚式で再会した。フレンドリーさは変わらず、僕はロザンとの仲の睦まじさを見ながら、「ロザンは素晴らしい伴侶を得たんだなぁ」と心から喜んだ( 写真左 =8年前、ジャシュアの結婚式で、ケイトと3人で)。



 ボブは優しい夫だった。でも、本当の優しさはロザンと再婚した際、タバコをきっぱりやめて、自分の命を大事にすることではなかったのか、とも思う(いまさら言っても仕方がないけれど…)。前の夫で、ホスト・ファミリーの「お父さん」だったビルも3年前、海岸で散歩中に心臓発作で亡くなっている。

 ロザンは、フロリダで本当に独りぼっちになってしまった。手紙では、現在まだコネチカットに住む娘夫婦が、サウス・カロライナ州辺りに引っ越しして、ロザンと一緒に住もうと言っているので、近いうちにフロリダを去るかもしれない、と結んでいた。

 サウス・カロライナにロザンが落ち着いたら、一度また会いに行きたい。ブッシュ以降、最近、あまりアメリカ(やアメリカ人)が好きになれない僕だが、30年以上もロザンは特別な存在だ。ホスト・ファミリーの「お母さん」は、1人しかいないから…。

人気ブログランキングへGO! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/12/11 04:42:57 PM
コメント(10) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「シングルモルト・… New! はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: