Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2006/01/23
XML
カテゴリ: BAR
 初めてこのBARをドアを開けたときのことを、今でも覚えている。まだ30歳になるかならないかの頃。連れが1人いた。ビルの地下1階へ降りて、目指すBARのドアを開ける。

 「2人なんですが、いいですか?」とバーテンダー氏に尋ねた。「うちは一見さんお断りです」と言われた。しかし、それで引き下がる僕ではない。Bar Whisky

 「誰でも最初は一見さんやないですかー」と言い返した。すると、「まぁ、どうしてもっちゅうなら、ええですけど…、どうぞ」と席に着くのを許された。

 昔のBARはこのように、若造にとって敷居の高い店が多かった。それは、おそらくは店の静寂と品格を守りたいがためもあろうが、BARは、あくまで「大人のための社交場であること」にこだわる店主が多かったからだろう。

 その店の名は、「Bar・Whisky」( 写真左上 )。1969年のオープン。ことしで38年目を迎える大阪の老舗BARである。場所は、道頓堀のあの「グリコの看板」あたりから西へ歩いて数分。あの戎橋の喧噪もここまでは聞こえない。

 最初の、ちょっと複雑な印象は席に着いたとたん、ふっきれた。その折り目正しい、丁寧な接客。レトロ感あふれる落ち着いた内装。BGMの一切ない静寂。ただ美味しいウイスキーを飲むのに、他に何が必要と言うのか。Bar Whisky2

 そんな店内に佇んでいると、店主のOさんが何を大切にしているかが伝わってきた(ちなみにOさんは絵の腕前も一流。店内に飾っているコラージュ風のデッサンも自ら描いているが、ただ素晴らしいの一言)。

 もちろん、今の「Bar・Whisky」はもはや、「一見さんお断り」ではない。時代は変わり、それに合わせて店も変わった。一見でない客も、今はウエルカムだ。しかし、誠実さあふれる接客は変わらない( 写真右

 Oさんはバーテンダーの「育て上手」なことでも有名で、ここから独立したバーテンダーは数多い。実際、関西のBarで「ミナミのWhiskyで修業しました」と言うバーテンダーと遭遇する確率は結構高い。

 僕がミナミでよくお邪魔する「M」というBARのマスターMさんも、この「Bar・Whisky」の出身。Mさんの接客がとても折り目正しいのはおそらくは、師匠のOさん譲りなんだろう。

 最近は年に1、2度くらいしか行かない僕だが、それでも、いつ訪れても温かく迎えてくれる心遣いが嬉しい。きょうも初めての客が、きっとこのBARを訪れる。古風で、まっとうな接客をするBARが少なくなった今日、僕は、こんなBARがあってもいいじゃないかと強く思う。

【Bar・Whisky】 大阪市中央区道頓堀2丁目4-14 シモウラビル地下1階  電話06-6211-9625 午後5時~11時 日祝休 ノーチャージなのが嬉しい。

人気ブログランキングへGO! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/01/23 12:18:04 AM
コメント(13) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続^9・炸醤麺」 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: