Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/01/19
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
その5:注文の仕方(2)

◆飲む順番は「ある」とも「ない」とも
 BARで飲むお酒の「飲む順番」に、とくに決まりがある訳ではない。一般的には「飲み口の軽いものから重いものへ」「あっさりしたものからしっかりした味わいのものへ」「アルコール度数の低いものから高いものへ」と流れていくのがいいと言われる(うらんかんろの場合、1杯目はスコッチウイスキーのハイボールかジン・リッキー、ジン・トニックというのが多いかな…)。

 だがそれは、あくまで一般論。要は、貴方の好きなものを好きな順番で飲めばいい。何度も言うが、お金を払うのは貴方だから。実際、いろんなBARのマスターやバーテンダーに聞いてみても、「好きな順番で飲んで、全く構いませんよ」と言う人が多い。

 ただ、もし貴方がお酒は飲めるけどそんなに(アルコールには)強くないという場合は、やはり「弱いものから強いものへ」が無難だ。1杯目にマティーニ(「カクテルの王様」と言われるが、度数でも王様だ=とても強い)などは頼まない方がいい。At the Bar3

 うらんかんろからのお願いはただ一つ。BARは居酒屋ではない。居酒屋での第一声の如く、「とりあえずビール!」と言う芸のないことだけはやめたい。せっかくだから、BARではプロのバーテンダーしか作れない素晴らしいカクテルや、BARでしか飲めない極上のウイスキー等を1杯は味わってほしい。

◆うんちくは垂れない・しったかぶりはやめる
 貴方がもしBARに通い慣れて、お酒に相当詳しい方であったとしても、お酒のプロであるマスターやバーテンダーの前で、うんちくを垂れるのはほどほどにしよう。知ったかぶりをして、さぞ通い馴れているような振りをして、一緒に行った友人や後輩の前で見栄を張るのもやめよう。プロはすぐに貴方の「化けの皮」をはがしてしまう。とどのつまり、貴方は恥をかくだけだ。

 カウンターでうんちくを自慢げに垂れる他人を見ることほど、醜い、つまらぬ絵はない。うんちくを長々としゃべっても、相手はうんざりするだけだし、感心する周りの客も少ないだろう(時に、それは「勘違いの知識」だったということもある)。

 唯一、プロがまだ知らない知識や情報(データ)を、謙虚な気持ちで教えてあげることはいい。マスターやバーテンダーがまだ訪れていないBARや蒸留所について、貴方が訪れた際の感想を話してあげたり、写真を見せてあげたりするのはいい。仕入れたばかりの業界情報をそっと教えてあげるも喜ばれることが多い。

◆他のバーテンダーの創作カクテルを頼んでもいいか
 何人かのバーテンダーに聞いたが、ほとんどの方は「正確なレシピがわかっていれば、基本的には構いません。もちろん、まったく同じものはつくれませんがと念は押しますが…」と答えた。うらんかんろも、ガイドブックやパンフレットに載っている別の方の創作カクテルをつくってもらうことがあるが、断られたことは数えるほどもない。

 これまでに「それはちょっと…」と断られたおそらく1、2回だけだ。「レシピ通りにつくっても、その方とまったく同じものはできませんし、失礼な気がしますので…」「****さんの『*****』が飲みたければ、ご本人につくってもらった方がいいです」などと言われた。オリジナルの作者と同じ味を求めるつもりなど毛頭なかったのだが、頼まれた方としても、プロとして、あまり心地よいものではないのだろう。

 だから、別の方の創作を頼むことはバーテンダーが「構わないですよ」と言っても、頻繁に頼むのもどうかと思う。それなら、そのバーテンダーのオリジナルを頼んであげよう。もちろん、古今東西の長い歴史に生き残ってきた素晴らしいカクテルで、貴方がまだ味わっていないものもまだ数多くあるはずだ。そういうものに目を向けて再発見する方がより面白いかもしれない。At the Bar16

◆プロに対しては謙虚でありたい
 お酒の種類やカクテルの数なんて星の数ほどある。毎日のように世界中で新しいカクテルが生まれている。プロのバーテンダーであっても、古今東西すべての酒やカクテルの名前やレシピを把握している人なんて、絶対にいない。知らない酒やカクテルはある。すべての蒸留所の成り立ちを把握している訳ではない。

 だから間違っても、「こんなカクテルくらい知らないんですかー?」とか、「****のマスターは知っていたんだけどなぁ…」などというような言葉は、口にすべきではない。貴方の人間としての値打ちが下がるだけ。そのBARでは、もう二度と歓迎されない客になるだろう。

 素人である貴方は、かりに知っていたとしても、知らない振りをして教えを乞うぐらいでちょうどいい。もし、本当に貴方がある種のお酒のエキスパートであったとしても、バーテンダーからもし何か聞かれたら答えるという程度でいい。そんな謙虚な姿勢が、貴方を大人の酒飲みにする。

◆BARでボトル・キープはできるのか
 オーセンティックBARでは基本的に、スナックやラウンジのようなボトル・キープという制度はない。しかし、時たま「ボトル・キープをやっています」という店も見かけるし、「キープしませんか」というDM葉書も受ける。だが裏話を聞いてみると、お酒のメーカーから抱き合わせで大量に買わされて、やむを得ず「ボトル・キープでもやってさばかないと」というケースがほとんどだ。

 しかもキープのお値段は、その銘柄の市販価格の3~5倍。それだけのカネを払っても、次回行って飲むときは、やはり最低1000~2000円くらいのセット料金(水や氷代など)はとられる。貴方はボトルが空になるまでは同じ銘柄のウイスキーを飲み続けないといけない。いろんな種類のお酒を楽しめるのがオーセンティックBARの良さなのに、これでは本末転倒だ。トータルとしてお得なのかどうかもよく分からない。

 ボトル・キープができるBARがあったとしても、うらんかんろは決してキープはお勧めしない。勧められても断るのが一番。そんなおカネがあるなら、いろんな酒やカクテルを飲んで勉強するがよし。キープをして飲みたければ、スナックやラウンジに行けばいい。

【その6へ続く】

【おことわり】

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Last updated  2010/08/21 08:09:37 PM
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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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