Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2009/01/20
XML
カテゴリ: 今宵も、BARへ…
その6:お酒の基礎知識

◆最低限の知識は持っていた方がより楽しい
 BARに行くために、お酒の知識はどの程度持っていればいいのか。世界中には、プロでも覚えきれないくらいたくさんの種類のお酒がある。そして、お酒を組み合わせてつくるカクテルも、オフィシャルなものだけでも2千種類以上はあり、1980年代以降に世に出たオリジナルなカクテルも加えれば、おそらく1万は超すだろう。

 素人である僕らに、そんなに多くの知識は必要ない。詳しいに越したことはないが、プロのバーテンダーと同レベルになるのは、どだい無理な話だ。だが、うらんかんろとしては、BARという空間を楽しみたい方には、これから紹介する知識くらいはぜひ、頭の片隅にでも入れておいてほしいと思う。At the Bar5

 知識偏重もよくないが、少しばかりの知識があれば、貴方のBARライフはより楽しいものになる。最低限の基礎知識を持っていれば、カウンターでさらに美味しくお酒が飲めて、マスターやバーテンダーとの会話ももっと弾むことは間違いない。

◆お酒の分類
 大きく分けてお酒には、造り方によって醸造酒(酵母の発酵作用を用いて造る)、蒸留酒(発酵によってできた酒をさらに蒸留して造る)、混成酒(醸造酒や蒸留酒を原料にして果実や薬草、香料、糖類などを混ぜて造る)の3種類がある。

 醸造酒の代表的なものは、ワイン、ビール、日本酒。蒸留酒の代表的なものは、ウイスキー、ブランデー、ジン、ウオッカ、ラム、テキーラ、焼酎。混成酒はリキュールが有名。

◆BARで出される主なお酒
 一般的なオーセンティックBARでは、以下に紹介する(1)から(7)までと(11)はまずどこでも置いている。(8)~(10)はある店とない店があるだろう。とくに(10)のシェリーは置いていない店が多い。(12)日本酒と、(13)焼酎はオーセンティックBARではあまり期待しない方がいい。ただし、マスターにこだわりのある方なら、意外とたくさん置いている店もある。

(1)ビール
 言わずと知れた大麦とホップで造るお酒。ホップを加えた麦汁を発酵させ、低温で熟成させる。ほぼ全世界で生産されており、ラガー、エール、ケルシュ、ヴァイツェン、ピルスナー、スタウト、黒などいろいろな種類がある。

(2)ウイスキー
 大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀類を原料として、糖化→発酵→蒸留という過程を経て、木樽の中で熟成させた酒。産地や原料、製造法などの違いによって、スコッチ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキー(「ジェイムソン」などで有名)、アメリカン・ウイスキー(「フォアローゼス」などのバーボンで有名)、カナディアン・ウイスキー(「カナディアン・クラブ」などで有名)、ジャパニーズ・ウイスキー(サントリー、ニッカ等々)などがある。

 製造法で言えば、大麦だけを原料に造るモルト・ウイスキーと、穀類だけを原料に造るグレーン・ウイスキー、モルト・ウイスキーにグレーン・ウイスキー(穀類だけを原料にしたウイスキー)を混ぜて造るブレンディド・ウイスキーがある。モルト・ウイスキーには、特定の樽だけを瓶詰めしたシングル・モルト(「シングル・カスク」とも言う)と、複数の樽のモルトを混ぜたヴァッティド・モルト(「ピュア・モルト」とも言う)がある。

 飲み方には、ストレート、トワイス・アップ(ウイスキーと水が1:1)、ロック、水割り、ソーダ割り(ハイボール)、ハーフ・ロック、ホットなどさまざまなバリエーションがある。どういう飲み方で飲むかは自由だが、スコットランド・アイラ島産のスモーキーな香りのウイスキーや、バーボン・ウイスキーにはソーダ割りが合うように、そのウイスキーに向いた飲み方というのも確かにある。バーテンダーに「お勧めの飲み方は?」と尋ねるのが一番いい。

(3)ブランデー
 主に白ブドウ原料のワインを蒸留して、樽に入れ、熟成して造る。主な産地はフランス、ドイツ、イタリア。仏コニャック地方で造られたブランデーはとくに「コニャック」と呼ばれている。

(4)ジン
At the Bar7

(5)ウオッカ
 大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモなどを原料とし、糖化・発酵させたあと蒸留し、活性炭などで濾過した無味無臭の酒。ジンとともにカクテルのベースによく用いられる。主な生産国はロシア、ポーランド、フィンランド、アメリカ、カナダ。

(6)ラム
 サトウキビを原料とする蒸留酒。風味と色によって、ホワイト、ゴールド、ダークの3種がある。主な生産国はキューバ、メキシコ、プエルト・リコ、ジャマイカ、ドミニカ、トリニダード・トバゴなど。ジン、ウオッカと並んでカクテルのベースによく用いられる。

(7)テキーラ


(8)スパークリング・ワイン(シャンパン)
 ワインに酵母を加えて瓶詰めし、瓶内で2次発酵させて炭酸ガスを溶かした酒。フランス・シャンパーニュ地方で造られるスパークリング・ワインのみ「シャンパン」と名乗れる。イタリアでは「スプマンテ(Spumante)」、スペインでは「カヴァ(Cava)」と呼ばれる。

(9)ワイン
 果物(一般的にはブドウ)の果汁を発酵させたあと、樽熟成させた酒(主に赤ワイン。白ワインはタンク熟成が多い)。大きく分けて、原料にブドウの果肉部分だけを使う白、皮と種子も一緒に使う赤、赤ワインの果汁がピンク色になった頃、果汁を分離し、さらに発酵させ、タンク熟成するロゼがある(単純に白と赤をブレンドしてつくるロゼ・ワインもある)。

(10)シェリー
 ワインにブランデーを加えて造る酒。「酒精強化ワイン」とも言われる。辛口から甘口までさまざまな種類がある。辛口の フィノ、マンサニージャ 、中口の アモンティリヤード、オロロソ 、甘口の ペドロ・ヒメネス などが有名。主にスペインのアンダルシア地方で造られる(現地ではシェリーのことを「ヘレス」と呼ぶ)。日本でも最近はシェリーを専門にしたBARも増えている。

(11)リキュール
 一般的にウオッカなどのホワイトスピリッツに果実、花、薬草などを加えて香りを移し、糖分や着色料を加えて造られる酒のこと。アルコール度数は10度台から40度近くまで実にさまざまだが、20度前後が多い。単独で味わうことは少なく、カクテルの副材料としてよく使われる。単独で使う場合は、ソーダ割りにして供されることが多い(ソーダ割りにすればアルコール度数が7~8度に下がるので、お酒に弱い女性でも飲みやすくなる)。

(12)日本酒
 酒造米を原料に、麹(こうじ)、酵母を加えて糖化・発酵させて「もろみ」を造り、これを絞って濾過。さらに火入れしたあと、加水しタンクで熟成させた酒(「本醸造酒」とも言う)。醸造用アルコールを加えることが多いが、最近はアルコールを加えない純米酒や、火入れしていない「生酒」、割り水しない「原酒」、長期貯蔵した「古酒」も人気だ。

(13)焼酎
 イモ、麦、黒糖、米、蕎麦(そば)などの原料を使って造る蒸留酒。造り方やアルコール度数の違いで甲類と乙類の2種があるが、甲類は一般的には「ホワイトリカー」と呼ばれ、僕らが普段飲んでいる焼酎は乙類の方。焼酎の中でも、米麹を原料とし、一次もろみから直接蒸留し、カメで貯蔵・熟成して造る酒は 「泡盛」 (あわもり)と呼ばれる。泡盛は主に沖縄県や琉球諸島で造られている。At the Bar6

◆カクテルについて
 BARでは前述したような単一の酒だけでなく、さまざまな材料を元にして、バーテンダーにつくってもらうカクテルも、もう一つの主役だ。実際、オーセンティックBARでは単一の酒よりもカクテルが飲まれる比率が多い。

 カクテルはジン、ウオッカ、ラム、テキーラ、ウイスキー、ブランデーなどのベースの酒に、リキュールや果汁、ソーダなどを加えてつくる。そのバリエーション(種類)は本当に、星の数ほどある。

 有名なカクテルには、ジンベースの 「マティーニ」「ジン・トニック」「ギムレット」「シンガポール・スリング」 、ウオッカベースの 「モスコー・ミュール」「ソルティ・ドッグ」「スクリュー・ドライバー」「ブラディ・メアリー」 、ラムベースの 「ダイキリ」「マイタイ」 、テキーラベースの 「マルガリータ」 、ウイスキーベースの 「マンハッタン」 、ブランデー・ベースの 「サイド・カー」 などがある。

 つくり方で言えば、ほぼすべての材料をシェイカーに入れて、バーテンダーが振って混ぜ合わせる 「シェイク」 、ミキシンググラスという大ぶりのグラスの中で材料を混ぜ合わせて、別の飲むためのグラスに移す 「ステア」 、客が飲むグラスの中で直接つくる 「ビルド」 などがある(材料とクラッシュドアイスをミキサーに入れて混ぜてつくる「フローズン」スタイルもある)。

 アルコール度数は一般的に言って、カクテルグラスで供される 「ショート・カクテル」 は強く、大きめの長いグラスで供される 「ロング・カクテル」 は弱めである(もちろん例外もある)。もし貴方がアルコールにあまり強くないけれど、ショート・カクテルを飲みたい時は、ベースの量を調整することもできるので、バーテンダーさんにお願いしてみよう(ただし、配合の割合を変えると、「もはや同じ名前のカクテルとは言えない」として、嫌がるバーテンダーさんもいるかもしれないが…)。

【その7へ続く】

【おことわり】 写真は本文内容とは直接関係ありません。

こちらもクリックして見てねー! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010/08/23 11:00:28 PM
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続^8・実山椒のし… New! はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: