Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/01/26
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
その9:席でのマナー(2)

◆長居は無用
 BARは長居するものではない。氷が溶けて水っぽくなるほどだらだら飲むのもよくない。2杯、3杯飲み続けて、気が付けばカウンターは満席状態。カウンターの後ろのテーブル席では、カウンターが空くのを待っている客もたくさんいる。でも貴方は、隣客との話がはずんでもう1杯、もう1杯と杯を重ねる。そんな姿は決して美しくはない。

 当然、会話ばかりを続けて1杯だけで長居するのも無作法だ。1杯~2杯で2時間も居座ったり、営業時間が過ぎてまで粘って飲んだりも論外だ。貴方は「嫌われる客」としてリストアップされるだけだ。

 世界中でも日本だけの「チャージ」という不可解な料金システムは好きではないが、地価の高い都会の盛り場では、貴方の席のスペースにも店側に税負担(固定資産税)がある。1杯だけで延々と居座れては店にとってはたまらない。そんな不届きな客が存在するために、「席料」としてチャージがなくならないのなら、やむを得ない。At the Bar9

◆1杯約20分を「目安」に
 昔、とある老舗BARの老バーテンダーに言われた言葉を今も忘れない。「酒場では、無駄口をたたかず、ささっと2杯ほど、酔っぱらわない程度に飲んで、ささっと帰るのが、格好いい酒呑みだ。BARという空間を独占してはいけない。BARで飲む幸せは、1人でも多くの他人と分かち合うべし」と。

 うらんかんろは特別の理由がない限り、1軒のBARでは2杯までとしている。そして1杯を飲むのに約20分余、2杯なら約45分くらい。3杯飲んでも1時間くらいを目安にしている(なお、そのBARのトータルの滞在時間は、次のドリンクを注文するまでの間やバーテンダーがつくる時間もあるので当然、1杯だと約30分、2杯で1時間弱、3杯なら1時間半弱という感じになる)。

 酒場での飲み方でもう肝要なことは、もう一つ。「酔っぱらって他人に迷惑をかけない」ということ。酒場は酒を楽しむところで、酔っぱらうところでない。酔っぱらいは、声が大きくなり、他人にからみ、足元はふらつく。あげくの果てにゲロする輩もいる。そんな酔っぱらいほど醜い、恥ずかしい、迷惑な存在はない。酔っぱらって絡む、ゲロを吐くまで飲むなどは論外だ(どうしても我慢できずにゲロを吐きたければ、便所に行って便器を抱いて吐くべし)。

◆飲んでも飲まれるな


 うらんかんろは、酔っぱらってスツール(背の高い椅子)ごと転倒して後頭部を打ち、救急車で運ばれた客を見たこともある。酔っぱらって他の客に絡んで、注意をした店の人を殴り、警察に連れて行かれた客も知っている。うらんかんろは、そういう客(「客」とも呼ぶ資格もないが)には、軽蔑はしても、決して同情しない。大怪我をして仕事に穴を開けるのも、警察の留置場で一晩過ごすのも、それは自業自得というものだ。

 店や他の客の迷惑を考えてみればいい。想像してみよう。貴方のゲロを掃除する人のことを、救急車を必至で呼ぶ人のことを、床に着いた血を洗う人のことを、壊れた椅子を自腹で修理する店の人の気持ちを…。BARで飲みたければ、想像力の働く大人でありたい。At the Bar10

◆自分の適量を知り、ペース配分を
 うらんかんろも酒を飲み始めた頃、飲み過ぎて少し醜態をさらしたことは何度かあった。そういう姿を翌朝思い出し、自己嫌悪に陥った。しかし、人間は学習しなくてはならない。自分が正常に飲めるペース、限度(アルコール総量は人それぞれで違う)というものを貴方は知っておかねばならない。うらんかんろも学習した。そしてここ20年ほどは、BARで酔いすぎて不覚になったことは、一度もない。

 貴方には、そういう醜い酔っぱらいには決してなってほしくない。自分の適量を知り、ペース配分を考えながら飲み、明日も美味しくお酒が飲めるように、「そろそろ限界かなぁ」と思うちょっと手前でやめておくのが一番だ。酒は、独りで家に帰れる余力を残して楽しむものだ。

 言わずもがなだが、酔ってグラスを倒して割るのも論外だ。どんなに高価なグラスを割ったからと言って、店に1個しかないアンティークのグラスを傷つけたからと言って、グラス代を請求する店はまずないだろう(そんな客に高価なグラスを使ったのは、店側のミスだ)。

 店側は、グラスが割れることも計算して、収支計画を立てている。割られて困るような貴重なグラスは、酔った客には使わない方がいいということを、店側も学ぶだろう。しかしもし仮に、酔って割ったのではなく、単なる過失で割ったとしても、次回その店を訪れる際にはお土産を持って謝りに行くような紳士でありたい。

 かつての老舗BARのマスターやバーテンダーには、マナーに厳しい方が多かった。うらんかんろは、そうした方々から多くを学んだ。そして、いつかそうした方々に誉められるような、いい酒呑みになろうと誓った。貴方もぜひ格好いい、大人の酒呑みになってほしい。

◆お酒は残していけないか
 頼んだお酒は、最後まで(できれば美味しそうに)飲んであげるのが、つくってくれたバーテンダーへの礼儀だ。しかし、どうしても体調が悪くて飲みきれないこともある。そういう時は無理に飲まずに、残していい。無理に飲んで酔い潰れられた方が店には迷惑だ、金を払っているのは自分(客)だから、卑屈になることはまったくない。ただし残して帰る際、「残してすみません、ちょっと飲み過ぎてしまって…」とひとこと言い添えるのが大人のマナーだ。

 うらんかんろも、どうしても飲み干せない場合は、バーテンダーさんに詫びて残すこともある。時には、あまりお勧めはしない方法だが、残りを含めるだけ口に含んでトイレへ行き、洗面所で口から流してしまうこともある(飲んだように体裁を繕うのは、いちおう見栄を張っているから…(笑))。理想を言えば、頼んだお酒は残さないように、体調を考えながらゆっくりとしたペースで飲むのが一番だ。

【その10へ続く】

【おことわり】

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Last updated  2010/08/21 10:08:08 PM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

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