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2011/10/06
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 マドリッド2日目。天気は前日に続き快晴。ホテルで朝食をささっと済ませた僕らは、早速この日の行動予定表に従って、まず プラド美術館 写真左 )を目指す。s-IMG_9406.jpg

 ルーブル、エルミタージュと並び、世界三大美術館の一つと言われているが、うらんかんろ個人の印象では、ゴヤとかエル・グレコ、ベラスケスなど宗教的な絵、それもやや暗いトーンの絵をたくさん所蔵しているところという印象が強いが、実際はどうなんだろうか。

 泊まっているホテル「ウサ・チャマルティン」からプラド美術館へ向かうには、RENFE(スペイン国鉄)チャマルティン駅からRENFEの近郊線(地下線)に乗って、アトーチャ駅まで駅3つで約15分。駅はホテルの入っている駅ビルのすぐ下にあるので便利だ。電車もとてもきれいで、2階建て車両なのには少々驚いた。s-IMG_0420.jpg

 アトーチャ駅からはプラド美術館までは徒歩で6、7分。朝のすがすがしい空気を吸って、美術館を目指すが意外と人が少ない。開館20分前の8時40分頃、僕らはチケット売り場に着いたが、並んでいるのは数人ほど。それもネットで団体予約した旅行会社の人がチケットに換えるために並んでいるだけ。一般客のレーンにはまだ誰もいない。

 その旅行会社の人は日本人らしかったので、話しかけてみる。「いつも込み具合はこんなものですか?」と僕。「ええ、平日ならいつもこんなものですよ」とその方。マドリッド在住でガイドもしているという。s-IMG_0426.jpg

 パリのルーブル美術館やフィレンツェのウフィッツィ美術館で早朝からの長蛇の列を体験した僕らは、いささか拍子抜けした。でもまぁ、込んでいて長時間待たされるよりはいい。美術館は予定通り9時に開館。その時点でも一般客のレーンは30人前後が並んでいただけだった。

 さて、館内に入った僕らは、案内パンフを参考にしながら、有名どころの絵をまずおさえようと歩き出す。午後からは電車でトレドへ行くので、“持ち時間”は約2時間半ほど。プラドと言えば、やはりゴヤである。有名なところでは「裸のマハ」「着衣のマハ」、そしてナポレオン軍による反乱軍処刑を描いた「マドリッド 1808年5月3日」( 写真右上 ※絵の写真3枚は、館内が撮影禁止のため購入した絵ハガキを接写)は、見る者に強い印象を与える傑作である。s-IMG_0429.jpg

 他にも、べラスケスが王女と女官たちを描いた「ラス・メヒーナス」( 写真左 、エル・グレコの「羊飼いの礼拝」、さらにルネサンス期ではラファエロも何点かある= 写真右 。さらに、ルーベンス、レンブラント、ブリューゲルなど有名どころがいっぱい。

 印象派の絵やピカソは数少ないが、おそらくプラドの近くにある2つの有名な美術館、ティッセン・ボルミネッサ美術館=印象派が多い=や、ソフィア王妃芸術センター=ゲルニカなどピカソが目玉=と棲(す)み分けしているせいだろう。

 プラド美術館の展示品をじっくり見るにはやはり一日かけた方がいいのだろうが、駆け足で見れば2時間ほどあれば観て回ることも可能だ(ルーブルや大英博物館ではちょっと無理かもしれないが)。とりあえず有名どころさえ観ておけばあとで後悔はしないだろうということで、僕らは11時20分頃、プラドを後にして再びアトーチャ駅へ向かった。s-IMG_9489.jpg

(※僕らはこの後、世界遺産の街・トレドへ列車で向かったが、トレド訪問については次回にまとめて報告したいので、この日記上では、トレドから再び夕刻にマドリッドへ帰ってきてからの出来事・見聞を続ける)。

 トレドから再びマドリッドに戻った僕らはまず、アトーチャ駅近くの ソフィア王妃芸術センター 写真左 )へ向かう。ここの目玉は、パブロ・ピカソの代表作であり、おそらく最も有名な作品であろう「ゲルニカ」= 写真右下 (写真は絵ハガキを接写)。スペイン内戦中の1937年4月、フランコ将軍派を支援するナチス・ドイツによる無差別爆撃で殺されたゲルニカ市民を描いた大作は、縦3.7m、横7.8mもあり、見る人を圧倒する。

 「ゲルニカ」は大胆な構図とモノクロームの色彩で戦争の悲惨さを訴え、その後、グローバルな意味でも反戦・平和のシンボルとして最も重要な絵となった。s-untitled.jpgしかしフランコ将軍の独裁を嫌ったピカソは、この絵をニューヨークの近代美術館に預けた。そして1973年のピカソの死後、フランコの独裁政治が終わり、カルロス国王による立憲君主制の民主主義国家になった後の1981年、絵はようやくスペインへ返還された。

 「ゲルニカ」はやはりスペインにあってこそ、大きな意味を持つ絵だろう。ピカソもきっと民主国家となったスペインに絵が戻ることを望んでいたに違いない。「ゲルニカ」はいま同センターで大切に展示されている。絵はガラス・ケースにはおさめられてはいないが、2m以内に近づくと警報が鳴る。同センターでは、ピカソ作品をたくさん所蔵するほか、ミロやダリをはじめとする現代美術を多数展示している。s-IMG_9487.jpg

 さて、美術鑑賞の時間を終えた僕らは、地下鉄グランビア駅近くの「ロエベ(LOEWE)」本店( 写真左 )に少し立ち寄った後、そろそろ本日の晩飯の店へ向かう。予定しているのは 「MIAU」 という変わった名前(店で名前の由来を聞き忘れてしまいました。すみません)のピンチョス・バル&レストラン= 写真右下

 「MIAU」はマドリッドの中心地にある地下鉄ソル駅から徒歩圏内にあり、地元でも人気のピンチョス・バルという。しかし、店の場所を事前に確認しておこうと、地図を片手に歩くも悪戦苦闘。マドリッドの旧市街は、道が迷路のようになっていて、非常にわかりにくい。昼間はいいけれど、夜になると通り名の表示も見にくくなるし、太陽が沈むので方向感覚も鈍ってしまう。s-IMG_9508.jpg

 夜8時前、ようやく店にたどり着いたが、スペイン人にとっては宵の口で時間が早いせいか、店内は閑散としている(西洋人はほんとに晩飯の時間が遅い)。でもまぁ、腹も減ったし、翌朝はヘレス・デ・ラ・フロンテーラ行きのため早起きしないといけないし、我々は早速店内へ。

 ピンチョスとは、言うまでもなく「フィンガーフード」(指でつまんで食べる料理)である。パンの上に様々な具材を載せたオープン・サンドで楽しむほか、串に複数の具材を刺した形でも味わう。元々はバスク地方発祥の料理だったが、値段も手ごろで、手軽にすぐに食べられるので人気を集め、今ではスペイン全土で普通に食べられるし、最近では日本でもピンチョス・バルも増えてきている。s-IMG_9501.jpg

 パンに載せる具材はバラエティに富んでいて、魚介類、鶏肉、コロッケ、トルティージャ、オリーブなどさまざま。バルではあらかじめ、様々なピンチョスをつくってガラスケースの中に並べている店が多く、陳列ケースを見ているだけでも楽しい。

 何よりも、スペイン語があまりできなくても、ケースの中を見て、食べたいピンチョスを指差し、「エスト ポル ファボール(これください)」「エソ ポル ファボール(それください)」と伝えるだけで済むので、助かる。s-IMG_9490.jpg

 この夜僕らがいただいたのは、ビール2杯とカヴァ(スペインのスパークリング・ワイン)、ティント・デ・ベラーノ(赤ワインのソーダ割り)、ピンチョスがタラやアンチョビ、タコ、エビ、カニ、オリーブなど計7、8品= 写真右&左上 。どれも新鮮な素材を生かした上品な味付けで旨い。ほんとはもっと食べたかったけれど、昼間、トレドでパエジャをしっかり食べたのがたたって、あまり胃袋に余裕がない(笑)。

 ちなみにお勘定は、串にささったピンチョスの場合は、串の数で計算するらしいが、今回はパン乗せタイプと混じっているので、いちいちきちんと伝票につけていた。で、これだけ食べて飲んでお勘定は2人で3000円ほど。スペインの飯代は安くつくことを改めて実感。スペインには「情熱の国」だけでなく、「食の天国」という称号もあげよう。


【追記】 実は、親しい友人から、この夜8時からマドリッドではリーガ・エスパニューラ(スペイン・サッカー一部リーグ)のアトレティコ・デ・マドリードとスポルディング・ヒホンの試合が開催されていて、チケットも入手可能ということを聞いていた。しかし、翌日がヘレス行きのため朝6時起床。試合を観てから晩御飯を食べたのでは、ちょっと厳しいなぁということで、今回は泣く泣く断念。次回はぜひ本場のサッカーを観てみたい。


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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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