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2011/10/08
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 スペインの旅2日目、21日(水)の午後、世界遺産でもあるマドリッド近郊の古都・トレド(Toledo)へ半日旅行に出かけた。s-IMG_9399.jpg

 トレドは1561年にマドリッドに首都が移るまでは、スペインの政治・経済の重要な拠点だった。中世の街並みが今でもとてもよく保存されているということで、1986年に世界遺産に登録されてからは、観光地としてさらに注目を集めるようになり、世界各国から連日数多くの観光客が訪れる。

 マドリッドから南西へ約80kmに位置するトレドへは、RENFE(レンフェ=スペイン国鉄)の直通の快速列車(全席指定)「Avant」が、市内南部のターミナル「アトーチャ駅」( 写真左 )から約30分で結んでいる。s-IMG_9517.jpg

 列車の本数は1時間に1~2本と比較的多いが、年中観光客が多いため前売り券を持ってないと乗れないこともあるという。我々は「マドリッド編<上>」の日記で書いたように、前日にチャマルティン駅の窓口で指定乗車券を購入したので心配はない。

 さて、RENFEは発着するホームが案内板に表示されるのがとても遅い。ホームが決まらないから動きがとれない。案内板が見通せる駅のコーヒー・ショップに座り、ひたすら案内板に表示されるのを待つのだが、出発の20分前なんてのは、ざら。おまけにホームに行くには、X線監視装置によるセキュリティ・チェックもある(先般、列車テロがあったせいか鉄道も警備は厳しい)= 写真右 s-IMG_9419.jpg

 だから、初日にHISの方から「スーツケースなど大きな荷物を持っている場合は、表示されたら、すぐそのホームへ走って車両内の荷物置きの棚に、自分の荷物を置くスペースを確保しないといかない。そこに置けなくて別の場所におけば、途中駅で盗まれる危険性が高い」と言われた。トレドは日帰りの半日観光なので、軽装だが、明日のヘレス・デ・ラ・フロンテーラ行きはまさに大きな荷物同伴だから、注意しなくてはと思う。

 ようやく発着ホームの表示が出た。14番線だという。トレド行き快速列車( 写真左 )もチャマルティン-アトーチャ間の近郊列車と同様、車両や座席はきれいだ。午後12時18発の列車はほぼ満席。やはりトレド人気は衰えていない。s-IMG_9424.jpg

 乗っている人は世界中からの観光客が目立つ。当然、スペイン語だけでなく、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語等と世界中の言葉が車内で飛び交う。年配のグループ、若いカップル、バック・パッカー…風体もさまざま。

 30分余なので、寝ているヒマもなく列車はトレドに到着。マドリッドも暑いくらいの陽気だったが、トレドもまた暑い。着いてまず驚いたのが、歴史を感じさせる古い駅舎の美しさ( 写真右 )。おそらくは鉄道がトレドまでつながった当時のものを、今でも使っているのだろう。s-IMG_9428.jpg

 駅舎の内部の装飾も、目を奪われるほど華麗だ= 写真左 。まず、改札口を出たとこで地図を売っていたおばさんから一部(2ユーロ)を購入する(日本のガイドブックの地図は小さな通りの名まですべて出てなくて不便です)。

 駅前には2階建ての観光バス3台が客を待っており、ツアー客、グループ客はぞろぞろとそちらへ歩き始める。しかし僕らは路線バス( 写真右 )で旧市街へ向かうことにする。駅前から出るバスはほとんどが旧市街(町の中心地)へ行く。料金はバス停や車内に書いてあり、乗車の際、運転手に「ドス ペルソナス(2人分です)」と言って、2.8ユーロを渡すだけ。安くて安心なので嬉しい。s-IMG_9431.jpg

 トレドはかつて政治・経済の中心であっただけなく、城塞都市でもあった。街の周囲は城壁のような高い壁が囲む。軍事・防衛的な観点から、旧市街は網の目のような細い路地が、迷路のように入り組んでいる。しかし、8世紀から12世紀にかけてイスラム教徒に占領された歴史もある。

 道が狭く建物が高いために、見える空が狭い。歩いていると、東西南北が時々わからなってしまう。そういう時は、できるだけ広い道に出て太陽の位置を確かめる。街全体が世界遺産という点では、イタリアのアッシジに似ているが、違うのはアッシジの建物はどこまでも白いのに対して、トレドはどこまでも石造りで、黄土色である。s-IMG_9433.jpg

 さて、とりあえず昼ご飯である。きょうトレドで食べる予定の候補店は、2つまで絞っていたが、そのうちの一軒に向かう。スペインに来てから初めて、バルではなくレスタウランテ(Restaurante=スペイン語で「レストラン」のこと)である。その名は 「ラ・パリーリャ」 (La Parrilla)( 写真左 )。雰囲気的には結構老舗っぽい、地元の郷土料理の店と聞いている。

 とりあえずビール(ビールはどこでも旨い!)で乾杯した後、注文。僕らは、パエジャ(パエリア= 写真右下 )=スペインに来て初パエジャ!=と、「地元の料理でおすすめです」と店員さんから教えられた「野鳥肉と野菜の煮込み」( 写真左下 )をお願いする。s-IMG_9435.jpg

 パエジャはご飯の硬さがちょうど良い具合で美味しい。煮込み料理も(添えられたフライド・ポテトはちょっと芸がないが)しっかりとした味わいで、肉も旨い。野鳥肉はウズラらしいけれど、詳細は聞き忘れた(説明されても、スペイン語じゃわからなかったかも(笑))。

 連れ合いが「カヴァ(スパークリング・ワイン)が飲みたい」というので尋ねたが、「グラス売りやミニ・ボトルはない。フルボトルになる」という。仕方なく白ワイン2杯を頼む。よく冷えてて旨い(今のところ、ぬるいビールや白ワインには一度もあたっていない。スペイン万歳!)s-IMG_9437.jpg

 さて、昼ご飯を終えて再びトレド観光に繰り出す。とりあえず、「トレドでここだけははずせないよ」と言われていた旧市街の中心のカテドラル(大聖堂)へ= 写真右下

 13世紀初めに建設が始まり、1493年に完成したカテドラルは、スペイン・ゴシック様式で造られた華麗な建物だ。かつてはスペイン・カトリックの総本山が置かれたほど由緒ある聖堂だという。s-IMG_9458.jpg

 とくに大聖堂の内部が美しい( 写真左下 )。中央に祭壇や聖歌隊が歌うスペース。周囲にはいくつかの小さな礼拝堂や宝物展示室。高さ3mの聖体顕示台にはコロンブスがアメリカから持ち帰った金が使われているという。

 高い天井から差し込む自然光に、ステンドグラスが輝いて美しい。ただ、我々仏教徒の日本人には、キリスト教の精神とか宗教性とかいうのがいまいち理解できず、限界がある。だから、このカテドラルもあくまで芸術作品として見ることしかできない。s-IMG_9446.jpg

 カテドラル見学を終えた僕らは、残り時間をただあてもなく、気ままにトレドの街を散策することにする。「画家エル・グレコの暮らした家」という観光スポットもあるとのことだが、2人ともグレコはあまり好きなアーチストではないのでパス。

 迷路のような道をただぷらぷらと歩いていても、意外と観光客にも地元の人にもあまり出会わない。物音一つ聞こえないほど静かな通りもある。一緒に駅で降りた観光客は、あの列車だけでも数百人もいたのに、みんなどこへ行ったんだろう?。s-IMG_9463.jpg

 時々、出会う地元らしき人に地図を見せて「ドンデストイ アオラ?(いま、私たちはどこにいますか?)」と聞いて、場所を確認する。帰りの列車の時刻(午後16時18分発)も少し気にしながら、さらに街歩きを続ける( 写真右 =トレドの街の路地風景)。

 トレド旧市街は迷路であることに加えて、結構高低差がある。いわば小さな山一つがまるまる街を形成していると言っていい。だから散策と言っても、結構上り下りがあり、ゆっくり歩いていても結構足が疲れる。僕らは早めに駅まで戻ろうと、15時半すぎに再び路線バスに乗った。s-IMG_9475.jpg

 バスは10分ほどで駅に着いた。列車の発車まではまだ30分ほどある。すると、駅の建物の一角にバルがあることに気づいた。その名も 「ラ・バリラ」 (La Barrila)( 写真左 )。結構本格的なバルで、ハモン・イベリコ(最高級の生ハム)も置いている。

 店は、まだ時間が早いのであまりにぎわってはいない。屋外テラスがあり、テーブルも7~8つ席ある。そのうちの一つに座り、僕らは出発時間ぎりぎりまで、再び「ドス セルベッサ、ポル ファボール!(ビール2杯お願い!)」。僕らにつられてか、同じ列車に乗る外国人観光客が相次いでテラス席にやってくる。

 僕らはビールで喉を潤し、心地よい風に頬をなでられながら、先ほどまでのトレドの街並みを思い出していた。海外の旅でも、とりわけ地元の列車の旅は趣きがあって楽しい。さぁ、再びマドリッドに戻り、観光再開である。マドリッドの夜はまだまだ長い。


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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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