Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/07/17
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 60.マウント・フジ(Mount Fuji)

【レシピ1】
【レシピ2】 ホワイト・ラム(20)、スイート・ベルモット(40)、レモン・ジュース2tsp、オレンジ・ビターズ1dash
【レシピ3】 ジン(25)、パイナップル・ジュース(40)、レモン・ジュース(10)、マラスキーノ・リキュール1tsp、シュガー・シロップ1tsp、卵白(2分の1個分)
【スタイル】 いずれもシェイク

 「マウント・フジ」はもちろん日本を代表する富士山にちなんで考案されたカクテルですが、1920~30年代に誕生したという、冒頭の3つの異なるレシピが現在伝わっています。

 「レシピ1」は帝国ホテルのインペリアル・バーで誕生したものです。同ホテルのHPでは「1924年(大正13年)、当時増えてきた日本を訪れる外国人観光客をもてなすために考案された」と紹介していますが、近年の研究で、誕生時期については1922~23年頃で、考案者については、当時帝国ホテルの臨時支配人、山口正造氏から依頼されたチーフ・バーテンダーの大阪登章氏だったことが分かってきました。
 ただし、大阪氏が後年出版した自らのカクテルブックに「マウントフジ」を収録しなかったことからも、考案過程では山口氏がかなり主導的な役割を果たしたのではないかと考えられています(出典:洋酒文化の歴史的考察「帝国ホテルのマウント・フジ」=WEBマガジン「Food Watch Japan」=http://www.foodwatch.jp =での石倉一雄氏による連載)。

 「レシピ2」は1933年(昭和8年)、スペイン・マドリードで開かれた国際カクテルコンクールに、日本バーテンダー協会(当時JBA、後にNBA)が出品し、佳作に入った作品と伝わっています(出典:上記と同じFood Watch Japan上での石倉氏の連載「赤くなかった“赤冨士”」ほか)。
 ※この国際コンクールの開催年については、「1939年」としている文献もありますが、石倉氏によれば、これは「後世の転記ミス」だということです。

 なお、このJBAレシピの「マウント・フジ」は、現在では冒頭にあるようなホワイト・ラムとスイート・ベルモットを使うレシピが一般的ですが、オリジナルでは、バカルディ・ラムとドライ・ベルモットを使うレシピでした。詳細は石倉氏の貴重な論考(Food Watch Japanでの上記連載)に譲りますが、「オリジナル・レシピ制作にも関わったJBA幹部らによって、長い歳月のうちにレシピに変更が加えられたらしい」とのことです。

 最後の「レシピ3」は、1937年(昭和12年)、有名な箱根・富士屋ホテル内にあった「酒場」(昭和50年代からは「バー・ヴィクトリア」と改称)で誕生したレシピです(出典:富士屋ホテルのHP)。なぜ富士屋ホテルにも「マウントフジ」というオリジナル・カクテルがあるのか?

 その理由は、富士屋ホテルの二代目社長・山口正造の経歴に答えがあります。山口は初代帝国ホテルの建物が火災で焼失した直後の1922年6月、帝国ホテルの臨時支配人に招聘されます(すなわち「レシピ1」に登場する山口正造と同一人物!です)。山口は10カ月で富士屋ホテルに戻りますが、「帝国ホテル版マウントフジ」考案でもリーダーシップをとったという自負もあり、「帝国版レシピ」に少しアレンジを加えて自らのホテル・バーの看板カクテルにしたのです。

 「マウント・フジ」は、日本人による日本生まれのカクテルであることから、当然、欧米のカクテルブックで紹介している例はほとんどありません。現時点で調べた限りでは、「コンプリート・ワールド・バーテンダー・ガイド(Complete World Bartender Guide)」(Bob Sennett編、2003年刊)が唯一の収録例です(他の収録例をご存知の方はご教示ください → arkwez@gmail.com まで)。

 上記カクテルブックのレシピは、「ジン45ml、レモン・ジュース3tsp、ヘビー・クリーム(※乳脂肪が多めの生クリームのこと)2tsp、パイナップル・ジュース1tsp、卵白1個分、マラスキーノ・ビターズ2~3dash(シェイク)、マラスキーノ・チェリー=飾り」となっていて、帝国ホテルレシピをベースにしているものの、その分量比はかなり違います。

 なお今回の執筆に当たって、改めて欧米のカクテル専門サイトをあちこちリサーチしていると、とても不思議で、面白い事実が判明しました。

 上記レシピ1~3の「マウント・フジ」レシピを紹介しているサイトはほとんどなく、「Mount Fuji Cocktail」で検索してヒットしたレシピのほとんどは、「日本酒(Japanese Sake)45ml、スイート&サワー・ミックス 【末尾注ご参照】 45ml、オレンジ・リキュール2tsp(シェイクまたはステア)、飾り=レモン・スライス&マラスキーノ・チェリー」だったのです(出典:drinkmixer.com/drink9742.html ほか多数)。
 ※この理由はなぜなのか現時点では不明ですが、今後さらにリサーチしてみたいと思います。

【確認できる日本初出資料】 「JBAカクテルブック」(1963年刊)=ジン・ベース(帝国ホテルレシピ)、「オーソドックス・カクテルズ」(落合芳明著、1955年刊)=ラム・ベース(JBA=現NBA=レシピ)。箱根・富士屋ホテルのレシピについては、現時点確認した限りでは、WEBでは同ホテルのHPも含めいくつかのサイトで紹介されていますが、カクテルブックでの掲載例には出合っていません(ご存知の方は、ご教示を宜しくお願いいたします)。

【注】 レモン・ジュースにシロップを加えたリキュールまたはドリンク。カクテルによく利用される。欧米では、大手のローズ社など様々なメーカーから販売されている。


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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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