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2017/08/26
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 65.オリンピック(Olympic)

【現代の標準的なレシピ】 【スタイル】 シェイク

 20世紀初め、パリの高級ホテル「リッツ」(The Ritz Hotel)で誕生し、同ホテルの著名なバーテンダー、フランク・マイヤー(生年不明~1947 Frank Meier)が考案したと伝わっています(出典:リッツ・ホテルのHPほか国内外の数多くの文献や専門サイト)。マイヤー考案者説については異論を挟む専門家は皆無で、ほぼ定説となっています。

 誕生した時期については、「1900年にパリで開催された第2回オリンピックを記念して考案された」と紹介している文献が目立ち(出典:Wikipedia日本語版ほか)ますが、マイヤーがリッツに勤務していたのは1921~1947年で、「1900年五輪記念説」にはかなり疑問があります。

 また、「1930~34年頃の考案」としているサイト(出典:PBOのHP)もありましたが、裏付け資料は明示されていません。この時期に開催されたオリンピックは、1928年=アムステルダム、1932年=ロサンゼルスで、やはり「で1924年の第8回パリ・オリンピックを記念してつくった」と考える方が素直でしょう。

 オーストリア生まれ(生年不詳)のマイヤーは、米ニューヨークのホフマンハウス・ホテルのバーで働いていましたが、米国の禁酒法施行を嫌って1920年欧州へ戻り、パリのリッツ・ホテル内に翌年の21年オープンしたばかりの「Cambon Bar」でバーテンダーの職を得ます。そして、1934年、カクテルブックの古典的名著の一つとして知られる「The Artistry of Mixing Drinks」を出版します。

 カクテル「オリンピック」は当然、この「The Artistry…」に収録されていますが、そのオリジナル・レシピは「ブランデー2分の1、キュラソー4分の1、オレンジ・ジュース4分の1(シェイク)」となっていて、現代のレシピよりブランデーが多めです。

 マイヤーは1936年、「Cambon Bar」のチーフ・バーテンダーに抜擢されます。しかし第二次大戦中は、ナチス・ドイツによるパリ占領でリッツ・ホテルも接収され、独軍将校のために働かざるを得なくなるなど苦労も多かったようです(しかし、最近の研究で、マイヤーは大戦中、バーテンダーの仕事の裏でフランス国内のレジスタンス運動に協力していたことも分かってきました。骨のある人だったようです)。戦後の47年、在職中に死去しますが、残されている写真を見る限り、少なくとも60代までは存命だったようです。

 ちなみに、欧米のカクテルブックで「オリンピック」が初めて登場するのは、有名な「The Savoy Cocktail Book(サヴォイ・カクテルブック)」(Harry Craddock著 1930年刊)です。そのレシピは「ブランデー、キュラソー、オレンジ・ジュース各3分の1ずつ(シェイク)」となっています。マイヤーの本よりも4年も早く紹介されていることからも、「オリンピック」は少なくとも20年代後半のパリではそれなりに認知されていたことは間違いありません。

 参考までに1930~40年代の主なカクテルブック(上記の2冊以外)が、「オリンピック」をどう扱っているかをざっと見ておきましょう(ただし、シェイクかステアくらいの違いで、ほぼ同じ材料によるレシピが継承されています)。
・「World Drinks and How To Mix Them」(William Boothby著、1934年刊)米
 ブランデー、キュラソー、オレンジ・ジュース各3分の1ずつ、オレンジ・ツイストまたはピール(シェイク) ※「オリンピックNo.2」という名前で収録。「オリンピックNo.1」はジン・ベースのマティーニのバリエーション(ジン3分の2、スイート・ベルモット3分の1、アブサン1dash、ステア)となっています。

・「Café Royal Cocktail Book」(W.J. Tarling著、1937年刊)英
 ブランデー、キュラソー、オレンジ・ジュース各3分の1ずつ(シェイク)

・「The Official Mixer's Manual」(Patrick G. Duffy著、1948年刊)米
 ブランデー、キュラソー、オレンジ・ジュース各3分の1ずつ(ステア)

 なお、欧米のWeb専門サイトで調べていると、上記の「オリンピック記念・考案説」を否定するような驚くべき論考がありました(出典:imbibemagazine.com)。信憑性は何とも言えませんが、紹介しておきたいと思います。

 それによれば、「オリンピック」はロンドンの有名な社交クラブ「シローズ・クラブ(The Ciro’s Club)」で1922年頃考案され(考案者は不詳)、カクテル名は五輪にちなんだものではなく、あの悲劇の豪華客船タイタニック号の姉妹船「オリンピック号」(1912~27年の間、就役)にちなんだものだというのです。

 レシピは、コニャック(40)、オレンジ・ジュース(20)、クレオール・シュラブ(※オレンジ・リキュールの銘柄)(15)、オレンジ・ビターズ2dash。比率こそ違うが使っている材料は冒頭のレシピとほぼ同じです(ただし、このカクテル「オリンピック」の英文表記は「The Olympic」と「The」が付いているので、まったく違うカクテルという見方もできますが…)。

 「オリンピック」は戦前には日本にも伝わっていたと思われますが、国内のカクテルブックに登場するのは戦後の50年代に入ってからです。現代でもそれなりに知名度はあるカクテルですが、昨今のバーではどの程度注文されることがあるのでしょうか? このカクテルも再評価されていい一つだと個人的には思うのですが…。

【確認できる日本初出資料】 「世界コクテール飲物辞典」(佐藤紅霞著、1954年刊)。レシピは、サヴォイ・カクテルブックと同じです。



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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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