Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/10/01
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 68.ペグー・クラブ(Pegu Club)

【現代の標準的なレシピ】 【スタイル】 シェイク

 20世紀初頭に、英国植民地時代のビルマ(現ミャンマー)で生まれたと伝わるカクテルです。現代のバーではそう知名度があるカクテルとは言えませんが、近年のクラシック・カクテル再評価の流れの中で、欧米の若いバーテンダーを中心に再び注目を集めているところです。

 カクテル名は、現在の首都・ヤンゴン(当時はラングーン)の北東約80kmにあったペグーという町(現在の地名はバゴ<Bago>)にあった外国人専用の社交クラブの名にちなむと伝わっています(出典:Wikipedia英語版ほか)。

 残念ながら、考案者名は伝わっていませんが、おそらくはその社交クラブで働くバーテンダーだったのではないかと想像されています。「ペグー・クラブ」はその後、英本国にも伝わりました。ハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)の名著「ABC of Mixing Cocktails」(1919年刊)にも収録されていることからも、少なくとも1910年代には欧州のバーで普通に飲まれていたと考えられています。

 欧米のカクテルブックで「ペグー・クラブ」が初めて活字になったのは、現時点で確認できた限りでは、上記の「ABC of…」です。そのレシピは「ジン3分の2、オレンジ・キュラソー6分の1、ライム・ジュース1tsp、オレンジ・ビターズ1dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash」となっています(※なお、オレンジ・キュラソー「6分の1」というのは誤記で、正しくは「3分の1」ではないかという見解もあります)。

 ご参考までに、1920年代以降の主なカクテルブックで「ペグー・クラブ」をどのように扱っているかをざっと見ておきましょう。

・「Barflies and Cocktails」(Harry MacElhone著、1927年刊)仏 → 「ABC of Mixing Cocktails」と同じ

・「The Savoy Cocktail Book」(Harry Craddock著、1930年刊)英
 ジン3分の2、オレンジ・キュラソー3分の1、ライム・ジュース1tsp、オレンジ・ビターズ1dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash(シェイク) ※「ビルマで生まれ、今では世界中で普及している」とのクラドックはコメントしている。

・「Café Royal Cocktail Book」(W.J. Tarling著、1937年刊)英 → 「The Savoy…」のレシピと同じ

・「World Drinks and How To Mix Them」(William Boothby著、1934年刊)米
 ジン2分の1ジガー、キュラソー4分の1ジガー、レモン・ジュース1tsp、オレンジ・ビターズ1dash、アンゴスチュラ・ビターズ2drops(シェイク)

・「The Official Mixer's Manual」(Patrick G. Duffy著、1948年刊)米
 ジン3分の2、オレンジ・キュラソー3分の1、ライム・ジュース1tsp、オレンジ・ビターズ1dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash(シェイク)

 ちなみに、ニューヨーク・マンハッタンのソーホー(Soho)には、その名も「Pegu Club」という比較的新しいバーがありますが、ニューヨークで活躍する著名な女性バーテンダー、オードリー・ソーンダース(Audrey Saunders)=あのデイル・デグロフのお弟子さんとのこと=が2005年、このクラブにトリビュートしてオープンさせた店です。全米のベスト100バーの一つにも選ばれたことがあるそうです。

 なお、本家ミャンマーの「ペグー・クラブ」のその後ですが、ビルマ独立(1948年)後もしばらくは営業していたようですが現在は閉店。建物は廃墟のような状態でその歴史を伝えているとのことです(出典:http://gg.yangon.jp )。そして、この「ペグー・クラブ」カクテルは、現在のヤンゴンのいくつかのホテルで、「Jane’s Pegu Cocktail」とその名を変えて復活しているという話です(出典:Wikipedia英語版 ※「Jane's」の名の由来は不詳)。

 「ペグー・クラブ」は日本には戦前に伝わっていたと思われますが、カクテルブックに登場するのは戦後の50年代に入ってからです。しかし残念ながら、近年のカクテルブックではほとんど取り上げられません。シンプルなレシピのカクテルですが、とても飲みやすい味わいで、個人的にはもっと評価されていいカクテルだと思います。今後も、注目していきたいです。

【確認できる日本初出資料】 「世界コクテール飲物辞典」(佐藤紅霞著、1954年刊)。レシピは「The Savoy…」と同じです。



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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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