ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 18, 2010
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 日本のクラシック音楽界で、今後間違いなく語り継がれるであろう名演だったと思う。日本の媒体でも大きな記事で掲載されるはず。

 あの斎藤記念管弦楽団(←おぉ、日本語ってかっこよい)と合唱団らが、あの小澤征爾監督のもと、あのブリテン「戦争レクイエム」をやっちゃうというのだから、聴きに行かないわけにはいかない。しかも敵地ニューヨークのド真ん中で。

 この曲、以前にもナマで聴いたことがあって(英国ロイヤルアルバートホールで)、あまりに難解すぎて思わず爆睡してしまったよーな記憶があるけれども、今日の演奏は、なんか愛国心すら覚えながら聴き通した。敗戦国の人間の「意地」と言っちゃってたぶんいい。

 編成が実に複雑な楽曲。フル管弦楽のほかに、独唱、合唱、男児合唱、小編成の室内楽集団、それにオルガンだの打楽器だのもビミョーに絡んで、舞台の上でも下でも大忙し。
 奏者や唱者の皆さん、必死に楽譜を追いながら演奏なさってて、あらゆる箇所でビシッと決まるのは気持ちよかった。

 そんななか、楽譜を見てない(持ってない)人が約一名。
 小澤さんってば、あちこちに散らばる奏者たち一人ひとりに目を配らせながら、冷静に音楽を進めていった。ド派手に絶叫させず、「レクイエム」というのはこうゆうものなんだと見せつけられた感じ。


 しかし、なんだかんだ言って世界のオザワはカクシャクとなさってて、一応椅子に座ってたけれども、立ち上がって振る時間もかなり長かった。

 バリトン歌手マティアス・ゲルネが、曲の合間にマエストロにそっとお飲み物を差し出したりもしてた。

 ただでさえ曲のスゴさに圧倒されてしまうけれども、彼らの気迫がビンビン伝わってきて鳥肌が立った。







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最終更新日  Dec 19, 2010 03:24:50 PM コメント(11) | コメントを書く


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