ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 11, 2017
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カテゴリ: 映画、テレビ
「まわるまわるよ時代はまわる」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 オリビエ・アサヤス監督の作品。主人公の大女優マリア役を演じるのは大女優ジュリエット・ビノシュさん。
日本語のサイト

<感想>
 演技と現実、老いと若さ、現在と過去、本音と建て前、自然と文明、それぞれの対比が交錯し、登場人物らの立ち位置が曖昧に描かれてるのがすごく効果的で面白い。
 なんとなく薬師丸ひろ子さんの役者人生を思い起こさせる物語。つまり、「Wの悲劇」で大女優(三田佳子さん演)と対峙する新進女優を演じ、時を経て「あまちゃん」では自身が大女優を演じるに至る。
 深読みしすぎかもしれないけど、主題曲がなんとパッヘルベルのカノンだし、この映画のお題は、もしかして輪廻転生とか、歴史は繰り返すとかそういうことなのかも。
 高貴に編まれた映画なので観る価値はある。
 ただ、わかりやすく全てを語ってくれないので、余韻を味わいつつ、登場人物の心情や「その後」を自分で推測しながら観なきゃいけない。脚本も演出もメリハリに欠ける。余計と思われる場面や人物も出てきて、二時間を超える作品になっちゃってるし。
 ぶっちゃけ、「原作はとっても優れているのに、それを強引に映画化したために無理のある仕上がりになった」というのがぼくの感想。
 で、今調べてみたら、この作品はアサヤス氏の書き下ろし脚本らしい。

 ちなみに、あいかわらず日本の外国語映画業界は変な邦題をつける。この映画、女優や付き人たちの愛憎劇を主軸としてる作品という解釈は、短絡的で侘び寂びに欠ける。実際、人間どものイザコザ、バタバタとは無関係に、舞台となってるスイスの村シルスマリアの絶景は昔も今も息を呑むほどにかっこよい。
 ぼくが邦題をつけるとしたら、えーと「雲の上のマリア」。大女優マリアと山岳地シルスマリアをかけて。







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最終更新日  Jun 13, 2017 09:41:05 AM
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