ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 6, 2019
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カテゴリ: 映画、テレビ
「あしたのためにそのいち、じゃぶ」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 収入が少なく、家族を養うことさえままならない貧乏ボクシング選手が主人公。娘にピアノも買ってあげたいことだしと、金欲しさのあまり、強豪選手の練習台(殴られ役/スパーリング・パートナー)という危険な仕事を引き受ける。
 日本語版公式サイト http://makeinu-bigaku.com/

<感想>
 素晴らしかった。気に入った。
 あんまし脚本にひねりがなくて物足りなかったけれども、逆に言えばすっきりしていてわかりやすい。押しつけがましく演出してないので好感が持てる。というのも、もしこれをアメリカや日本のような器用なお国で作ったら、凝りまくった演出で観客を号泣させ、国民を感動の渦に巻き込み興行的に成功する可能性もあるだろうけど、ぼくは感動を押し付けられるのが嫌いだし、この塩梅がちょうどよかった。
 そー言えば子どもの頃は「あしたのジョー」とかは好きだったくせにボクシングのことは詳しく存じないので、有名選手の「稽古用殴られ係」というのが栄誉ある職なのか屈辱的なのかはナゾ。音楽業界でいうところのコレペティさんみたいな重要職かと思われる。

 この作品で一番難しい役どころは、ずばり主人公の娘。この女優さん、お若いのに演技がお上手。父が大衆の前で殴られてるのを複雑な思いで観戦する。
 ちなみにこの娘さんってば、前半のピアノの稽古の場面ではバッハのメヌエットもろくに弾けてなかったくせに、後半いつのまにかショパンのノクターン弾きまくってるという設定にはさすがに無理があった。この子、上達速すぎるんですけど。





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最終更新日  Jan 6, 2019 05:33:41 AM
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