ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 27, 2020
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「ラスボス」

 おうち時間有効活用特別企画、おひとりさまオーケストラごっこ、今日はエニグマに挑戦。著名オケのユーチューブ動画に合わせ、本番演奏(のつもり)。
 てか、ぼくはエルガーって1950年代まで生きてたんじゃなかったかと誤解してて、著作権(死後70年?)がまだ切れてないものとばかり思いこんでた。そしたらとっくに切れており、IMSLPのサイトからフツーにPDF楽譜を落とせた。なにげにびっくり。亡くなったのは1934年だそうで。

 ここ数日、第一バイオリンのパートを練習してて二度びっくり。こんなむつかしい曲だったとわ。しかも第二やビオラ、チェロも大変そうなことやってる。こりゃぁ難曲。ビビりまくり。
 ただ、難所はそう長くは続かないのがせめてもの救い。

 主題と14の変奏曲。エルガーの「お友だち」14人それぞれの名前(イニシャル)が冠してあり、「誰々さん風の変奏」というように展開される。ただ、バッハ風とかモーツァルト風とかなら楽しめるんだろうけど、全く有名じゃないそのへんのおっさんたちらしく、何がどう「彼らしい」のか、まさに謎。やたらごちゃごちゃ変奏が続いていく印象。

 全体に速度表示や音量表示に関して解釈の余地がありまくり。指揮者やオーケストラ次第では全く違う曲に響く可能性がある。肝心の「ニムロッド」(四分の三拍子)も速度はアダージオとだけしか書かれてない。

 音の動きが理不尽だったり、「主題と変奏」のはずなのに、もう主題の原型が全く残ってないとすら感じられる曲もあって、もう何でもあり。構成的な意味でも難曲。

 ぼくが一番好きなのは、やっぱし第九変奏「ニムロッドさんの巻」。ほかの変奏に比べれば簡単で弾きやすい。てか、直前の第八変奏(ト短調)から「ソ」の音ひとつで変ホ長調のニムロッドに突入するのだけれど、この転調の瞬間がかっこよい。しびれる。



 最終変奏「E.D.U.さんの巻」が、最も派手で大曲。種明かししちゃうと、このEduさんというのはエドウォード・エルガーさんご本人。御大自らドヤ顔で大トリをご担当。

 名曲と言うよりかは、企画ものとして割り切れば楽しめる。エルガーやるなら交響曲とか室内楽のほうがずっと楽しいというのがぼくの感想。





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最終更新日  Nov 28, 2022 09:07:35 PM
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