ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

May 1, 2021
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「つばさを下さい」

 今週のおうち本番はベートーベン4番に初挑戦。オケの動画に合わせてビオラで演奏してみたのでその感想を。

 この4番はおそらくベートーベンの書いた9つの交響曲のなかで最も人気のない曲。なぜなのかは謎。ぼくも長いこと疑問に思っていたし、そもそも聴いたこと弾いたこともなかったので、今回ついにその真相に迫ってみることに。←おおげさ

 ぼくの第一印象としては、ふつうにベートーベンっぽくてかっこよい。ファゴットが活躍なさってるなーという感じ。
 気に入ったのはスケルツォ(第3楽章)。ベートーベンの交響曲を弾く醍醐味はアレグロコンブリオ系の楽章とばかり思ってたけど、スケルツォには彼らしさが効果的に響くし、弾きがいがある。

 ただ、全体にとにかく難曲。1楽章、3楽章、そして4楽章が容赦ない高速度。しかもフラット系で弾きにくい。良くも悪くもてきぱき、ちょこまか進行していくので、旋律や和声をじっくり味わえぬまま曲が終わってしまう。

 あと、非ゆるふわ系作曲家ベートーベンの魅力であり難所のひとつに、「びっくりフォルティシモ」というのがあって、ピアニッシモから徐々にクレッシェンドしていってフォルティシモになるのではなく、静かな場面でいきなりフォルティシモ、という箇所がこの曲にもあちこち出てくる。
 で、これを本作品で効果的に演奏するのは至難の業。というのも、基本的に細かい音符をこちゃこちゃ高速で弾きっぱなしのとこばかりの曲なので奏法的に無理がある。直前の音をごまかす(はしょる)しかない。

 あと、こうゆう楽曲の細かい16分音符とかは、軽快に清潔感のあるような弾き方をすべきなんだろうか。どうしても重厚感がおのずから演出されてしまうので悩むところ。実際、今回いくつかの指揮者/オケによる演奏を聴き分けてみたのだけれど、なんだか速さも曲想もみんなしてバラバラ。解釈の余地ありまくりの曲。





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最終更新日  May 2, 2021 04:15:00 AM
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