ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 11, 2021
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「My Way」

 オケ動画に合わせての「おひとりさまおうち本番」、今回はマーラー5番の第2バイオリンに初挑戦。事前の譜読みにかなり時間がかかってしまったものの、本日ついに敢行。
 以下、気が付いたことなど覚え書き。

 五つの楽章はどれも楽曲としては凝ってるものの、全体の均衡がとれていなくて、いびつな構成という印象。基本的には嬰ハ短調ということになっているけれど、なんとなくニ長調が全体を支配しているっぽい。意外にも元気はつらつな箇所が多い。
 3楽章(スケルツォ)が異様に長いし、4楽章はせっかくの美楽章なのにその余韻を味わう暇もないまま5楽章にアタッカ突入ってのにも驚く。てか、マーラーの交響曲らしく、いかにも「あちこちから断片を寄せ集めてつなげてみました」系。

 この作品、確かに難曲だけれど、一番簡単なのはなんだかんだ言って4楽章アダージェット、Sehr langsam。あまりにテンポが遅すぎるという意味では合奏は難しいうえ、肝心のハープが意外にうざいので要注意。というのも、彼/彼女のやってることは三連符だったり八分音符だったりして決して安定した拍を提供してくれてはいない。常に強拍を鳴らしてくれてるとも限らず、よって下手にハープを聴くとかえって混乱する。指揮者だけを頼りにしたほうが上手く合いそう。

 5楽章が最も楽しく弾ける。
 他の楽章も基本的にはかっこよいし、難所(高速八分音符がひたすら続くとことか)もきちんと弾けたならば楽しいであろう名曲。

 なお、1楽章(葬送行進曲)の真ん中ぐらいで、なぜかバイオリン譜だけ約15小節間、シャープ4つで書かれてる箇所がある。ほかの人々はフラット4つなのに。
ドボルザーク弦楽五重奏変ホ長 にそうゆう書き換えがある。でもシャープ4つとフラット4つは全然違う調だと思うので、この不思議な記譜については特筆すべき。
 てか、これって、音楽理論的に深い意味があるというよりかは、一時的に調が変わるところを、旋律(バイオリン)以外の伴奏部までせっせと転調するのは面倒くさいということか。







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最終更新日  Jun 13, 2021 01:07:49 PM
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