Jul 18, 2021
カテゴリ： 映画、テレビ
「ビートル with ウィングス」（評価 ★★★★★ 満点五つ星）
ぼくの周りの音楽好き、ドキュメンタリー好きらの間で（一部で）話題の対談番組「マッカートニー３、２、１」。ポール・マッカートニー卿が、聞き手リック・ルービン氏を相手に、機材や楽器の前で自身の音楽人生を振り返る。
ついおととい配信が開始されたばかりで、日本語ではまだ観られないもよう。 www.imdb.com/title/tt13679628
こうゆう番組は他の視聴者の余計な評論を聞かされすぎる前に、つまり先入観の少ない状態で鑑賞しておきたいと思ったので、早速ぼくも全六話を一気に鑑賞。各30分。
やはりビートルズ時代（1970年以前）のネタが中心。てか、ビートルズに関しては既にご本人も周囲の人も「制作秘話」的なものは語り尽くしてるに違いないけれど、ポール様はひたすらしゃべり倒す。50年も60年も前のことを鮮明に覚えていらっしゃってて、しかも実にお話がお上手なのには驚く。言葉遣いが丁寧だし好感が持てる。昨今のセレブ密着系ドキュメンタリー番組はどれも汚い表現が出てきてピー音がいちいち入るのが普通なのに、ほんとに珍しい。あれほどの富豪でありながら決して上から目線で語らないのも意外。ますます氏を尊敬してしまう。
番組としての編集も上手いと思った。なぜか白黒で撮られている（昔の映像部分は色つき）。
相棒ルービンさんもいい塩梅。相手を過度に崇拝しすぎて遠慮しまくるわけでなし、でも出しゃばらず、さらには各楽曲に関する知識もおありのようで質問も的確。よってポールさんも自然体、ガムをくちゃくちゃ噛みながら緩くも誠実に会話を進める。
ビートルズ解散にあたっての当時の心境とかは第五話で触れられているものの、確執だの負の側面だのを過度に掘り下げることはせず、あくまでそれが彼の音楽的な創作活動へどのように影響を与えたかという本筋からずれることはない。お見事。
一般的には悲しい晩年を過ごすセレブは多いし、資産管理とかで人間関係がこじれたり、激太りや不摂生、麻薬などでヤバい身体になってしまう人もいるなか、ポールおじいさんは下手に国際化、アメリカ化されすぎず、リバプール系庶民感覚を維持しつついい感じに年齢を重ねてきた後期高齢者という印象。
ぼくはちょうど10年前にニューヨーク公演で彼をナマで聴いたのを思い出した。当時の日記を発掘。 https://plaza.rakuten.co.jp/picardy3rd/diary/201107160001/
以下に、このドキュメンタリーで触れられていることを記録。
第一話 ：彼はそもそも楽譜を使わない（読めない？）らしく、全てが頭の中に入っているというのには驚く。名曲 Michelle の制作過程などが紹介される。
第二話 ：ピアノを実際に弾きながら、和音進行を決めたうえでの曲作りについて言及。どの曲にどうゆう楽器を使うか、Eleanor Rigby の弦、Penny Lane のピッコロトランペット、Lady Madonna のピアノ。
第三話 ：アメリカ音楽（ブルースやロック）への傾倒やアメリカ市場の重要性など。And I Love Her の前奏、Lucy in the Sky With Diamond のラウリーオルガン。
第四話 ：「アビーロード」の録音機材/所有楽器（ムーグシンセサイザー）について。A Hard Day's Night（ジョージ・マーティン）、I Saw Her Standing There（リンゴ）、Live And Let Die などの制作秘話。
第五話 ：This Boy、Something、Taxman（ギター独奏）、Come Together、Junk、Maybe I'm Amazed など。
第六話 ：Yesterday の誕生秘話。ロックに弦楽四重奏を加えるという挑戦。Here, There, and Everywhere、Day In The Life ほか。
ビートルズの楽曲はジョンとポールが作ったと思われがちだけど、やはりリンゴとジョージ、そして制作人ジョージ・マーティンとの共同作業あってこそのビートルズ。この五人の絶妙な化学反応は奇跡的（magical）ではあるものの、彼らの努力そして頭脳を駆使して緻密に計算され練られたものでもある。mathematical という単語も使われていた。
話のなかにコ難しい音楽用語などは出てこなかったけど、彼が影響を受けた音楽家の名前は次々と出てくる。常に多くのロック歌手や楽団の音楽を聴きまくっており、様式や奏法、唱法を自分らの曲に取り入れていく。あと、いろいろな楽器、音響に関する鋭い嗅覚、聴覚をお持ち。
ぼくの周りの音楽好き、ドキュメンタリー好きらの間で（一部で）話題の対談番組「マッカートニー３、２、１」。ポール・マッカートニー卿が、聞き手リック・ルービン氏を相手に、機材や楽器の前で自身の音楽人生を振り返る。
ついおととい配信が開始されたばかりで、日本語ではまだ観られないもよう。 www.imdb.com/title/tt13679628
こうゆう番組は他の視聴者の余計な評論を聞かされすぎる前に、つまり先入観の少ない状態で鑑賞しておきたいと思ったので、早速ぼくも全六話を一気に鑑賞。各30分。
やはりビートルズ時代（1970年以前）のネタが中心。てか、ビートルズに関しては既にご本人も周囲の人も「制作秘話」的なものは語り尽くしてるに違いないけれど、ポール様はひたすらしゃべり倒す。50年も60年も前のことを鮮明に覚えていらっしゃってて、しかも実にお話がお上手なのには驚く。言葉遣いが丁寧だし好感が持てる。昨今のセレブ密着系ドキュメンタリー番組はどれも汚い表現が出てきてピー音がいちいち入るのが普通なのに、ほんとに珍しい。あれほどの富豪でありながら決して上から目線で語らないのも意外。ますます氏を尊敬してしまう。
番組としての編集も上手いと思った。なぜか白黒で撮られている（昔の映像部分は色つき）。
相棒ルービンさんもいい塩梅。相手を過度に崇拝しすぎて遠慮しまくるわけでなし、でも出しゃばらず、さらには各楽曲に関する知識もおありのようで質問も的確。よってポールさんも自然体、ガムをくちゃくちゃ噛みながら緩くも誠実に会話を進める。
ビートルズ解散にあたっての当時の心境とかは第五話で触れられているものの、確執だの負の側面だのを過度に掘り下げることはせず、あくまでそれが彼の音楽的な創作活動へどのように影響を与えたかという本筋からずれることはない。お見事。
一般的には悲しい晩年を過ごすセレブは多いし、資産管理とかで人間関係がこじれたり、激太りや不摂生、麻薬などでヤバい身体になってしまう人もいるなか、ポールおじいさんは下手に国際化、アメリカ化されすぎず、リバプール系庶民感覚を維持しつついい感じに年齢を重ねてきた後期高齢者という印象。
ぼくはちょうど10年前にニューヨーク公演で彼をナマで聴いたのを思い出した。当時の日記を発掘。 https://plaza.rakuten.co.jp/picardy3rd/diary/201107160001/
以下に、このドキュメンタリーで触れられていることを記録。
第一話 ：彼はそもそも楽譜を使わない（読めない？）らしく、全てが頭の中に入っているというのには驚く。名曲 Michelle の制作過程などが紹介される。
第二話 ：ピアノを実際に弾きながら、和音進行を決めたうえでの曲作りについて言及。どの曲にどうゆう楽器を使うか、Eleanor Rigby の弦、Penny Lane のピッコロトランペット、Lady Madonna のピアノ。
第三話 ：アメリカ音楽（ブルースやロック）への傾倒やアメリカ市場の重要性など。And I Love Her の前奏、Lucy in the Sky With Diamond のラウリーオルガン。
第四話 ：「アビーロード」の録音機材/所有楽器（ムーグシンセサイザー）について。A Hard Day's Night（ジョージ・マーティン）、I Saw Her Standing There（リンゴ）、Live And Let Die などの制作秘話。
第五話 ：This Boy、Something、Taxman（ギター独奏）、Come Together、Junk、Maybe I'm Amazed など。
第六話 ：Yesterday の誕生秘話。ロックに弦楽四重奏を加えるという挑戦。Here, There, and Everywhere、Day In The Life ほか。
ビートルズの楽曲はジョンとポールが作ったと思われがちだけど、やはりリンゴとジョージ、そして制作人ジョージ・マーティンとの共同作業あってこそのビートルズ。この五人の絶妙な化学反応は奇跡的（magical）ではあるものの、彼らの努力そして頭脳を駆使して緻密に計算され練られたものでもある。mathematical という単語も使われていた。
話のなかにコ難しい音楽用語などは出てこなかったけど、彼が影響を受けた音楽家の名前は次々と出てくる。常に多くのロック歌手や楽団の音楽を聴きまくっており、様式や奏法、唱法を自分らの曲に取り入れていく。あと、いろいろな楽器、音響に関する鋭い嗅覚、聴覚をお持ち。
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ピカルディの三度TH
米国在住
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