ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 31, 2022
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カテゴリ: 映画、テレビ
「Bubblegum ブラザーズ」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 登場人物は主に三人。映画監督(ペネロペ・クルズ演)と二人の役者(アントニオ・バンデラスとオスカル・マルティネス演)。映画製作にあたり台本の読み合わせや役作りなどの稽古を開始するが、それぞれに個性的過ぎる三人の歯車が全く嚙み合わない。

 日本未公開。
 こちら米国市場では、英題「Official Competition」、公式サイトは www.ifcfilms.com/films/official-competition
 監督はどうやら 「Mi obra maestra」(2018年のアルゼンチン映画) の人らしい。

 好き嫌いは分かれるだろうけど、ぼくは「好き」派。
 ラテン系特有のドタバタ、ギトギトした暑苦しさはそこにはなく、意外に薄味。脱力系の渇いたお笑い。北欧映画や日本映画にもこうゆうのある。
 しかも黒い喜劇かと思ってのほほんと観てると最後のほうは恐怖映画っぽい雰囲気にもなる。


 大男優、大女優お三方の安定した演技はそれだけで見応えがあった。兄弟役を演じることになった二人の俳優の幼稚とも言えるいがみ合いの場面とか、今日の映画館のお客さんみんなして大爆笑。

 ペネロペ・クルスはもっと性格の悪い頑固オバサン風でも良かったか。
 オスカル・マルティネスも名優。ぼくの意見ではアルゼンチン人役者のなかではリカルド・ダリンと並んで最も優れた演技派かと。←てか、この二人しかアルゼンチン人知らないけど
 アントニオ・バンデラスも良かった。はまり役と言っていい。いい歳こいてチャラ男。

 そういえば以前、バンデラスさんと一緒に仕事したことがあるという演出家さんとお話する機会があったのだけれど、やはりこの業界で主演級の役者で成功し続けるためには、実力と人格の双方が必要、そして常に謙虚に学び続ける姿勢か。どんなセレブであったとしても監督とうまくやっていけない役者はやがて干される。

 この映画は、いー感じに年を重ねたおじさんおばさん役者さまたちの演技合戦を素直に楽しみながら観るべき。それ以上でもそれ以下でもない。





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最終更新日  Aug 1, 2022 01:33:08 PM
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