ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 25, 2023
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カテゴリ: 映画、テレビ
「さよならはいつまでたってもとても言えそうにありません」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 ドイツ映画。
 ALS(筋萎縮性硬化症)を発症し余命宣告をされた30代の男が、安楽死が認められている隣国ベルギーで死を迎えようと、仲間たちと自転車で旅する話。
 主演はフロリアン・ダービット・フィッツ。「お名前はアドルフ?」とかに出てる役者さんでドイツではたぶん有名。

 ぼくの評価としては三つ星どまり。惜しい。もったいない。
 お仲間たちとの最後の想い出づくりの旅という設定は確かに映像的には映えるけれども、せっかく重要な題材を扱ってるのだから、地味な画で構わないから脚本を重視し、それぞれの登場人物がそれぞれの立場で気の利いた台詞を放ちまくっていただきたかった。
 てか、もし自国で安楽死が認められてたら何もわざわざ外国まで旅しなくてもいいわけで、でもそれだと映画として成り立たないとでもお考えになったのであろうか、製作側の人って。

 主人公が安楽死を選択するにいたった葛藤とか、その決断を親や相方に伝える場面とかは全然丁寧には描かれてないし、それに彼になんとかその決断を翻してもらえないものかと周りが説得を試みるとかいう場面もあっさり。
 実際に安楽用の毒薬を注入することになる医師とのやりとりも皆無だし、医師の側の心情描写もない。


 ぶっちゃけ、お時間のないお忙し視聴者は最終場面だけ観て号泣ってのもありか。

 なお、ぼくが今までに観た安楽死/尊厳死/自殺ほう助に関する映画で思いつくのをまとめてみると以下。←ちょっとずれるけど認知症介護や終活ものも含んでみた

ラスト・トゥー・ウィークス Two Weeks(2006年アメリカ)
ワン・ウィーク One Week(2008年カナダ)
愛、アムール Amour(2012年オーストリア/フランス)
ハッピーエンドの選び方 מיתה טובה The Farewell Party(2014年イスラエル)
しあわせな人生の選択 Truman(2015年スペイン、アルゼンチン)
世界一キライなあなたに Me Before You(2016年イギリス)
フェアウェル The Farewell 别告诉她(2019年アメリカ/中国)
パドルトン Paddleton(2019年アメリカ)
アワー・フレンド Our Friend(2019年アメリカ)
スーパーノヴァ Supernova(2020年イギリス)
ファーザー The Father(2020年イギリス、フランス)
愛する人に伝える言葉 De son vivant(2021年フランス)





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最終更新日  Apr 14, 2023 09:02:55 PM
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